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チートな親から生まれたのは「規格外」でした  作者: 真那月 凜
第1部 旅の準備

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2_旅に出たい①

今日はルークとシャノンと3人で迷宮攻略に来ている

中級の20階層にあるボス部屋の扉を開けて目に飛び込んできたのは、全長3m弱のデカい熊2頭

火熊ファイアベア氷熊フローズンベア

どちらもCランクの魔物だ


「お前たちは火熊を頼む」

「分かった」

「うん」

魔法の属性から考えて俺と火熊は同属性

倒せなくはないけど面倒だ

その点シャノンは氷属性を持ってるから氷熊とは同属性だ

押し足りない分はルークが補助するだろう

そう考えながら俺は氷熊と対峙する


一般的なパーティーは4~5人で組まれる

そのメンバーの平均ランクがパーティーランクで、ランクの1つ上のランクの依頼まで受けることが出来る


迷宮の踏破推奨パーティーランクは初級がCランク、中級がBランク、上級がAランクだ

俺は今Bランクで2人はCランク、通常より少ない人数で、さらに踏破推奨のパーティーランクも満たしてない

でもここは中級とはいえ20層、俺達なら問題ないはず


「おっと…」

そんなことを考えていたら氷熊が俺の足元を凍らせようと魔法を放ってきた

それを避けて氷熊の周囲に炎の壁を作る

母さんに教えてもらったファイアウォールだ

火熊の方を見るとシャノンが足元を凍らせていた


「まぁ、当然だな」

再び氷熊に視線を戻す

「グォ…」

恨めしそうな、怒りの籠った目で俺を見ていた


次の瞬間ファイアウォールを突き破って複数の氷の刃が飛んで来た

「!」

咄嗟に風魔法で軌道をかえたもののちょっとヤバかった…


「このヤロ…」

氷熊は今のうちにとファイアウォールを消滅させるべく消火しようとしていた

「させるか」

ファイアウォールの火力を高めて強化する

普通なら赤い炎だけど俺も母さんも青い炎を操る

これは前世の知識のおかげだ


『反射(生活に必要最低限の無害な力を除いた全ての物質を反射する)』

身を守る結界のようなものを発動して氷熊に飛び掛かる

ミスリルの剣に炎を乗せてその首に振り下ろした

“ザッ…”

鈍い音がした


「かてーな…」

首が半分ほど切れたところで剣が止まった

骨、丈夫過ぎんだろ?俺の腕の方がしびれてるし…

この剣、切れ味はいいはずなんだけどなぁ


氷熊はうめき声を上げながら両手を振り回す

首が半分もげてんのにここまで動くか?

「げ…」

振り回す指の先から魔法が放たれるのがわかった


『相殺(攻撃を反対属性の物質で相殺する)』

空気中の水分を圧縮して反射を属性強化する

氷熊が放った魔法は半分は相殺され、残りは反射して氷熊を襲った


『身体強化(細胞レベルで強化)』

腕を強化してから再び剣に炎をまとわせる

「終わりだ!」

途中で止まっていた剣を無理やり振り切ると氷熊の頭が地面に転がった


「あっちは?」

ドロップに変わったのを確認して2人の方を見る


「手伝うか?」

2人とも傷を負っているのが分かる

まぁ、致命傷ではないけど


「休んでて」

ルークはそれだけ言って振り回される手の片方を切り落とした


双子だけあって連携はお手の物だ

言葉に出さずとも互いにどう動くのかわかってるようにも見える

俺はそれが昔から羨ましかった


「シャノン、ルークの剣に水魔法を纏わせろ」

「!分かった」

動きの連携はとっても技の連携は考えたことも無かったらしい

まぁ、普通は他人の魔力と連携させるなんて考えないか

でも2人とも同種の魔力を持ってるから出来るはずなんだけどな

なんなら俺でも2人の武器や装備に魔力を乗せることは出来るはず

それが出来なくても念動力なら確実に可能だし


「シャノン、ルークに身体強化。ルークはスキル使って首を狙え」

言われたまま動く二人の前にはその直後、ドロップ品が転がっていた

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