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チートな親から生まれたのは「規格外」でした  作者: 真那月 凜
第1部 旅の準備

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8_わだかまり⑤

「お前は短かったとはいえ前の人生を終えて新しく生まれ変わったけど、サラサは前の人生を終えて、こっちの世界に突然17歳の人間として送られてきたらしい。だから同じ転生者でもちょっと違うんだろうな」

「いや、ちょっとってレベルじゃないよね?」

「俺にとって重要なのはサラサがいるかどうかだけだからな。その辺りはどうでもいい」

その言葉にさっきの母さん言葉を思い出す

“何をしても、何も出来なくても、どんなことを思ってても“

それは俺自身を肯定してくれる言葉だった


「とにかく、あいつを保護したその日から、この世界にないものをポンポン作り出すのを見て守ってやりたいと思ったのが最初だろうな」

「目を付けられるから?」

「それもあるけど、あまりにも常識が違いすぎて心配だったのもあるな。その事で傷つかなければいいと思ってた」

そう言えば俺が元の世界のイメージに引きずられて変なことしても、母さんが大抵理解してくれる

でも母さんは理解してくれる人がいなかったってことだよな…

そんな当たり前の事を今さらながら理解した


「サラサと出会うまでの俺は心が無くてな、何の望みもない、ただ生きてるだけの状態だった」

「それはカルムさんから聞いたことがあるよ。父さんに心を取り戻させたのは母さんだって」

「ああ、その通りだ。それに気づいてから俺はサラサを失うのが何よりも怖い」

「え…?」

いつも憧れるほど頼りになる父さんの言葉とは思えなかった


「情けないだろ?でもその気持ちが消えたことは無いし今でもずっとそう思ってる。サラサはそれを知った上で受け入れてくれた」

それは何となくわかる

多分母さんは父さんがどんなにかっこ悪い姿を見せても、寝たきりで動けなくなっても変わらず側にいて幸せそうに笑ってる気がするから


「問題は…お前たちも同じだってことだろうな」

「は…?同じって…」

「サラサと同じようにお前たちを失うのも怖いと思ってるってことだ」

「嘘だ…ろ…?」

「はは…情けなくて嫌になるか?」

「ちが…父さんは母さんだけが特別だって…」

「サラサもシアも他の4人も特別だ」

改めてそう言われて俺の目からまた涙が溢れてきた

それに気づいた父さんはまた抱きしめてくれる


「シア」

「ん…?」

「これから先どこに行っても、どんな旅や冒険をしてもかまわない。でも必ずここに戻ってこい」

それは“戻って来い”と言ってるにも拘らず“戻ってきてくれ”と懇願されてるようかのようだった


「俺もサラサも、何があってもお前たちの味方だ。たとえこの世界が敵に回ったとしてもな」

多分、こんなに心強い味方は他にいない


「シア、これだけは覚えとけ」

「何?」

「俺はお前が生まれたとき嬉しくて泣いた」

「!」

「誤解させて長い間辛い思いをさせた。でも、お前が生まれてきた日、心から神に感謝したし、今お前がここにいてくれることを幸せだと思う」

「…ひっ…ぅ……ぁ…」

涙が止まるどころかさらに溢れてくる


「これからはこれまでの分も伝える。お前が不安になるならその不安が消えるまでこうやって分からせてやる。だからもう二度と恨まれてるなんて思わないでくれ」

「ぅあ…ぁぁ……」

俺は年甲斐もなく今日何度目かの大泣きをして、そのまま泣きつかれて寝てしまったらしい

父さんは俺が朝目覚めるまでずっと抱きしめてくれていた


母さんは顔を合わせるなり俺の目元に手を当てた

泣いて痛かった目も重かった瞼も嘘のように治った

「これも回復魔法よ」

そう言って笑いながら父さんの目元にも同じことをしてた

その時初めて父さんも泣いてたって知ったんだ

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