6_いざ…③
「開けるよ?」
俺達が頷いたのを見てシャノンは扉を開けた
久しぶりに見た2頭の熊に以前のような恐れは抱かない
『掘削(穴を掘る)』
氷熊の半径1mくらいに巨大な穴を開ける
「グ…」
『埋没(穴を埋める)』
何が起こったか把握していない氷熊の周りを隙間なく土が埋め尽くす
首から上だけを出した状態で身動きの取れない氷熊の頭頂から炎を巻き付かせた剣を突き刺した
『爆発(物質の拡散)』
正直ここまで簡単に倒せるとは思わなかった
呆気なすぎて物足りないくらいだ
「終わったぞー」
「マジ?負けたー!!」
俺が声をかけるとルークが悔しそうに叫んだ
深さ30cmほどの穴があるところを見ると失敗したらしい
魔力が足りない感じか?
そう言えば魔法って反対属性じゃなく愛称悪い属性ぶつけたらどうなるんだ?
俺自身は火と風しかないので試しようがない
これはちょっと見てみたいかもしれない
「なぁ、シャノンが水魔法ぶっ放したところにルークの雷ぶつけてみてくんね?」
俺が言うと2人は顔を見合わせてから頷いた
「シャノン頭狙え」
「分かった。『ウォーターアロー・トリプル』」
3本の水の矢が火熊の頭に向かって放たれた
『サンダーボルト』
矢が刺さった瞬間ルークの雷が火熊の頭に直撃した
「うわっ」
「えー?!ちょっと待って…」
2人が慌てて火熊から離れた直後、バチバチと火花が散って火熊の断末魔が響いた
「…シア、今の何?」
シャノンが呆然としながら聞いてきた
「いや、魔法で反対属性使うのは常識だろ?」
「そうね。だからシアは氷熊で、私達は火熊にしたんでしょ?」
「ああ。ただな、相性の悪い属性ならどうなるか興味があったんだよな」
「相性が悪い?」
「水と雷が?」
「え?でも雷って大雨の時に発生するものよね?」
そういう認識なのか
「前に本で読んだんだよ。水のある所に電気を通すと感電するって」
「じゃぁ今の火花が散ってたのって…」
「感電?」
「いや~面白い発見だな」
呆然とする2人と違い俺は新しいことを知った嬉しさの方が強い
これなら俺も出来るかなぁ…?
「ねぇ、次の層も行ってみよ?」
シャノンが呆然とした世界から戻ってきた
「5層は行けるかわかんないけど行ってみるのは有だよね?」
ルークも言う
2人共いまのをもう一度試したいらしい
「時間もあるし行ってみるか」
俺がそう言うと2人ともはしゃいだようにボス部屋を飛び出した
でも次の瞬間…
「きゃぁ…!」
「うわ…くそっ!」
2人のそんな声が聞こえてきた
「シャノン?!ルーク?!」
『反射』
俺は瞬時に最低限の守りだけ固めて2人の後を追う
「いったぁ…」
シャノンが壁の側でうずくまっているのが見える
「何があった?」
「シア!…あれ…」
同じようにうずくまってるルークの指さした先には長い尻尾を3本持つオオカミのような魔物がいた




