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チートな親から生まれたのは「規格外」でした  作者: 真那月 凜
第1部 旅の準備

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4_カルムさんから学ぶこと①

スケジュールを決めてから弾丸に同行するのも今日で4回目

ルークとシャノンは即席パーティーで依頼を受けるために朝早くからギルドに行った


前回は2人とも散々な思いをしたらしい

母さんの出した条件が”Cランク以下の冒険者との即席パーティで依頼を受けること”

2人の実力とセンスは父さんも認めてるから、同じCランクでもルークとシャノンは格上になる

だからその言葉通りでパーティーを組めば自分よりも弱い冒険者と組む

しかもいつも一緒にいる双子の片割れもいない

双子ならではの直観的な連携で助けられる部分が多い2人にとったら勝手が違いすぎるのは当然のことだ

ルークは元々切り替えが早いからみんなのフォローで何とか立ち直ったけど、シャノンの落ち込み用は酷くて、母さんと一緒に慰めるのに本当に苦労したんだ

今日もそうならなきゃいいけど…


「シア」

「はい?」

休憩の時にそんなことを考えてたら呼びかけられた


「お前はサラサが何で俺を指定したか分かってるか?」

カルムさんからの質問に頭が真っ白になった

そんなこと考えたこともなかった

どう答えていいか分からなくて父さんを見たけど、父さんはこっちに背を向けてトータさんと何か話をしていた


「…」

結果、俺には黙り込むしか出来なかった


「じゃぁヒントをやろう。俺とレイやトータ、アラン達3人との違いは何だ?」

「違い?」

そんなのある?

弾丸のメンバーで同じSSランクで………

「あ…」

グルグル考えていた俺の中で一つだけ気付いた

同時に間抜けな声が出た


「リーダー…?」

伺う様にカルムさんを見ると頷いてくれた


「お前たちが3人で旅に出るならお前がリーダーの役目を追うことは分かるな?」

「うん」

1つとは言え年下の双子とだし当然そうなるのはわかってる


「リーダーはただ気分のままに冒険すればいいってわけじゃ無い。行先一つとっても最終決定権はシアにあるし、何かあった時の責任もシアにかかってくる」

「責任…」

何となく呟いたその言葉が自分の中で重く響いた


「2人が暴走しないように手綱を握るのも、体調を崩してないか気を使うのもお前の役目になるはずだ」

「それは分かってる…つもり」

仲がいい反面よくケンカする2人を窘めるのも仲裁するのも俺の役目だ

でもそれだけじゃない…よな?

え?俺そこまで考えてなかった…

そう思い至ってカルムさんを見るとじっとこっちを見てた


「ギルドでの他の冒険者との付き合い方やその他諸々、そう言うことも含めてどう対処するのか、それ以前にどんなことが起こり得るのか、それを学ばせたいんだと俺は思うぞ?」

カルムさんの言葉は不思議と胸にしみこんでくる


「見てみろ。こうしてる間もあいつらは色んな意味で自由だろ」

呆れたような口調に3人を見ると本当に思い思いに過ごしてる

アランさんは薬草採取

トータさんはおやつタイム

父さんは一緒に来てるカーロと戯れてる


「ああいうのを揉めずにうまく動かすのもリーダーの役目ってことだ」

「…うん。何か分かった気がする」

3人の姿は簡単にルークとシャノンに置き換えることが出来てしまった

そして今の俺だと5割の確率で誰かが不機嫌になるのが目に見える

その状態で魔物に対峙するのは無謀…だよな

何かとてつもなく重いものがのしかかってきた気がする

そう思ってる俺にカルムさんはさらに続けた

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