14話 看板娘
翌日、三人で川の字に寝ていると何か窮屈に感じたのだ。
(どうして3人並んで寝ることになったんだ……)
昨日シリウスがここに住み着くようになったおかげで部屋が狭くなった。そして朝の身支度を整えて下の喫茶店に向かったのだった。
「ドゥーロ、シリウスが来てから調子どう?」
「何だか部屋が狭くなった気がする、サンは?」
「確かに狭くなった気がするね」
「それでシリウスの服装はもう用意してあるの?」
「ああ、私が夜にこっそり縫って仕立てた服だ、そのせいで私の睡眠時間がごっそり持っていかれたよ」
(確かにサンの目の下にクマが出来てる、どれだけ集中して服を作ってたんだ?)
そしてシリウスが喫茶店に降りてくると私の目は服に釘付けになった。
「青色のドレス……!?もしかして2Pカラーにしたの?」
「いや、これが私のイメージカラーなんだよ~」
(よく見るとドレスの各所にキラキラが施されてる……これのせいで睡眠時間が吹っ飛んだろ)
そして開店時間になり、私はキッチン、サンとシリウスはホールでの業務となった。
(私一人でキッチンかぁ、そこは変わらないのね)
私は注文を捌いて行くとやけにカウンターの向こうが騒がしかった。
「こっち見てー!」
「はーい!」
シリウスはサービス精神が旺盛すぎてサンの人気を一気にかっさらっていった。
「ねぇドゥーロ、あれ見てどう思う?」
「腹の中がとても真っ黒だと思う」
「だよね、私を襲ってきた時はあんな陽気じゃなかったんだけど……おかしいなぁ」
「ほら早く注文を捌いて!」
(なんだかサービス精神が尊敬するほどに凄いなぁ)
こうして喫茶店の中が明るい雰囲気になり、もはやメイド喫茶のようになってきていた。そして午前の営業が終わり、サンが猫に餌を上げに行くときにシリウスと話した。
「この仕事楽しい?」
「楽しいよ、この土地の人たちはとても明るい。私を大事に思ってくれるからね」
「そうだな……楽しそうで何よりだ」
(一応シリウスは政府の犬だった、だけどこれまで楽しそうに仕事をしているとこっちまでも楽しく仕事ができる)
「どうしました?」
シリウスは私の顔を覗き込んできた。
「いやなんでもない……ってかそのカラコンどうした?」
「これですか?私が任務の時に着けてたカラコンですよ、オッドアイを生かして目に星が写っているようにしてるんですよ」
「なんだかその恰好とカラコンが合わさったら魔法少女感が否めないな……」
「ですよね~メイド兼魔法少女ってなんだか惹かれません?」
「惹かれるかもな……はは」
私はシリウスの話を軽く受け流し、服装を見た。
(もしかしてシリウスの服装、宇宙をイメージして作ったのか?だとしたらキラキラしてるものは星か)
するとサンが店に入ってきた。
「よし、あと少しで営業再開だ。準備を始めるぞ」
「うっしゃ、サービス精神爆発させるぞ!」
「サービス精神凄いなぁ~」
こうして私たちは午後の営業の準備をし始め、食べ物の準備をした。
(シリウスが元気を出してくれてるから私は頑張れる!)
この勢いのまま私は午後の営業を駆け抜けていったのだ。
そして午後の営業が終わった後、私とシリウスは上の階に上がっていき、サンは茶封筒を持ってきた。
「依頼来てたぞ~」
「何の依頼なんだ~?」
「シリウス、私たちは喫茶店と別に探偵業をやってる。ヴァンパイアと接触するかもしれない」
「なるほど、なら私の技術を使って」
シリウスはそう言うと何やらきりっとした顔になった。
(もしかしてこっちが本当の顔?それか嘘の顔か?)
「おっ、私を襲ってきた時の顔になったな。じゃ行こうか」
「その前に着替えないとね」
シリウスは服を着替えようとしていたけどサンはそれを止めた。
「大丈夫、その服何着も仕立ててあるからね」
「そう、ならこれを着て行ってもいいのね」
「いいぞ。破けたら破けたで徹夜で修復するだけだから気にしないで」
サンはそう言ってフランベルジュを持った。
「車は前に回しておくからね~」
「分かった、準備が出来たら降りるよ」
そして私たちは準備を終え、下に降りて軽トラに乗り込んだ。だが座席は二人分、シリウスは荷台に乗り込んだ。
「それじゃ振り落とされないように掴まってて!」
こうして私たちは今日の依頼場所に向かって走り出したのだった。
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