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赤チャンノ泣キ声…難シイ…(遠い目)

しくじった。

竹林から人里に来る時は慌てていてまともな判断が出来ていなかった。だが、ひとまずは赤ちゃん、いやマイが泣き止んだことで、少し落ち着く事ができ、周りの雰囲気を感じる余裕が生まれる。

だからこそわかる。みんな私を見ている、と言うことに。

「ねぇ、あのお姉さん、竹林の病院まで案内してくれる人じゃない?」

「確かにそうかも…じゃあの赤ちゃんは?…まさか」

「やっぱりあの竹林で、ヒ・ミ・ツの密会よ」

「えぇ!じゃ密林の密会で蜜月てとこかしら?」

「あらお上手」

「「ハハハ」」

…根も葉もない噂である。

クッソ、何が密会…あぁもう!いや問題はそこいらの人にコソコソ話されることじゃない!…1番やばいのはこの「()の噂」を嗅ぎつける…

「カシャ!カシャカシャ!」

(…はぁー…マジで、死にたい…死なないけど)

「あややや。これはこれはとてもいい記事が書けそうですね〜。テロップは何にしましょー…『竹林の案内人、消えない恋の炎!』とかどうでしょうか。ねぇ妹紅さんw?」

「ふざけるな!このインチキ記者!」

インチキ記者もとい、射命丸 文(しゃめいまる あや)。文々。新聞という、くだらないでっちあげを書いている鴉天狗だ。

今は人里なのでハンチング帽を被り、半袖のYシャツにベストを着て、羽を引っ込めている。

グラグラと腹の底から沸き上がる炎を滾らせ、人里である事を忘れかけたその時

「ぅうう…あー!あー!あー!」

カメラのフラッシュの時点でマイは少しぐずりかけてはいたが、やはり決め手は私の炎だろう。少しケンカっ早い性格を…て!これは100この鴉天狗が悪い!

「あややや〜すいませんね、次回の取材までにフラッシュ焚かないカメラを河童に作らせますんで」

「次回?」

「ハイ!次回は勿論」

文は顔を近づけ、こそっと「旦那さんを含めて取材させてもらいますんで」と耳打つ。

里ごと燃やしてしまいそうな程の熱。次の瞬間、私の背中から泣き声が止み、鴉天狗の腕の中に抱かれている。

どうやら赤ちゃんのところにだけそよ風が吹いているようで、少し落ち着いたようだった。

「ちょっ!その子を返せ!」

「まぁまぁ、ずっと泣かせておくのも()()ちゃんが可哀想ですし、静かでいい場所にご案内いたしますよ」

「ぐぬぬ……てっ!なんで『マイ』て名前を?!」

「あや?知らないんですか?」

文は歯を見せない、悪い笑い顔でこちらを見つめ、続けた。

「天狗に知らない事なんてないんですよ♩」

………敵わない、本当にこの手のタイプ、あの姫様とは少し違う「頭の良さ」。

そもそも文がマイを私から奪ったのも、自身を燃やされないようにするためだ…

やはり私は『弱い者』が側にいると、とことん本気になれない。

今回の文の服装は、「東方酔蝶華」に出てきた衣装にしてみました。わたしく、全然服を知らないから間違ってるかもしれません、が!何話の服か当ててみてください

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