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辺境村の日常

「あさよー」

と母が起こす声が聞こえた。むにゃむにゃと眠い目をこすり目を覚ます。起き上がってリビングにそのまま向かった。いい香りがしておなかがすいてくる。

「ママおはよ」

「はい、おはよう。シルヴィはいつも一回で起きてくれて助かるわ。アルも起こしてきてくれる?」

そんな母のことばに

「はーい」

と気の抜けた返事を返す。いつものことだ。私はシルヴィア。弟のアルフと両親リーナとフェイの四人家族だ。

父は領都までの飛脚でもう家を出ている。夜は一緒にご飯を食べられるから寂しくはない。

アルフを起こすと朝食を取りにリビングに戻った。

朝食は魚の塩焼だった。この村は海と山に挟まれ漁業が盛んな漁村だ。

「えーまた魚ー?」

とアルフは少し不満そうだった。

「お魚美味しいじゃん」

「そうよ、こんな新鮮なお魚食べられるところあんまりないわよ?好き嫌いはだめよ」

そう言う私たちに不満げな顔を向け

「別に嫌いじゃないけどいつもだと飽きるよ」

そういいながらアルフは結局残さず食べた。


 朝食が終わると母は仕事に向かうようだ。

弟は近所の子供たちと遊ぶらしい。

私は母についていくことにした。


 母の仕事は漁港で魚をさばいて干物などに加工することだ。

私はそんな母についていき魚をさばくのをよく見ていた。

漁港には知り合いのおっちゃんが結構いたりする

「よう!シルちゃん今日も来たのか!」

「グレオさん!おはよございます!」

グレオ、このひとは漁港の職員の一人で私にいろいろとさばき方なんかを教えてくれる気のいいおっちゃんだ。

「おう今日も元気だな!よし今日は魚の鮮度を守る大切なことを教えよう。それは『絞め』だ!」

そういうと生きのいい魚を取り出し包丁で一撃で絞めて見せた。

「こう一撃で殺すことが大切なんだ。余計な苦しみを与えてはいけないよ。そして苦しまずに死んだ魚はおいしくなる」

そんなことを教わり捌くこと自体はなれていたからかすぐ絞めも習得してしまった。

「グレオさん、できたよ!これでどう?」

「驚いた!やっぱシルちゃん筋がいい即戦力になるくらいだぞ!」

と魚を捌いていてで洗った後でも生臭い手で頭をなでられた。

「グレオさん。生臭いから勘弁して」

「おぉそうかすまんすまん」

と言いながら手を下した。そんなこんなでおっちゃんたちにいろいろ教えてもらったり母の仕事も手伝ったりして帰路につく時間になった。

「リーナさんお疲れ、シルちゃんもまたおいでな!」

そうおっちゃんたちに言われ手を振り家路につく。

母について歩いていると遠くのほうから男がかなりの勢いでこちらに向かって走ってくる。

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