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短編集  作者: 双葉 はる
6/11

全国民に告ぐ!

近未来の話です。SFってほどではありませんが…。

まぁ道楽でつくっているものなのであまり気にしないでいただけたらと思います。



これは今から何十年後かの日本の話。


「海斗〜。学校遅刻するよ〜。」


…重い…俺、旭海斗は幼馴染である関野舞を背負って登校中だ。


「そう思うんなら降りろよ…。」


文句を言いながら俺は歩道に乗る。


世の中はかなり便利な時代になったと思う。


歩道は電動で動くやつだし学校の授業も全てパソコンを使って行われる。


そして何よりこの国には犯罪がない。


管理塔局に俺達は管理されている。


もし犯罪を犯そうとすると警備ロボット達に取り押さえられて事なきを得るって事だ。


管理されているのは人間だけではない。


猫犬鼠…生物にあたるもの全てが管理されているのだ。


今こうやって考えている事も管理塔局に筒抜けになっているのだ。


あぁ怖い怖い。


「海斗…もしさ明日が地球最後の日だったら海斗何する?」


何時の時代もその不安だけは拭えない。


当たり前が当たり前でなくなる。その恐怖に人はさらされながら生きているんだ。


「俺か…?うー…ん」


海斗は何気なく歩道の外に目を向ける。


エコカーという名目でつくられた水素を燃料とする車が目の前を走っていった。


あれも今では大分古い型だ。


最新の型なんて大気中のフロンガスを燃料としている車まで出ている。


「美味いもんいっぱい食べていっぱいゲームして…それで…舞と一緒にいれたら良いかな…なーんてな!!ははは…。」


ちらりと横目で舞を見ると舞は不思議そうに首を傾げた。


「ん、ごめん。それでの後聞き取れなかった。もう一回言ってよ!!」


舞を背中から降ろすと海斗は駆け出した。


「何でもないっての!!」


顔を真っ赤にしながら俺は走る。


「何なのよ〜もー!!」


舞は追いかけてくる。


教室に駆け込むとクラスメートが手を振ってきた。


「はよー旭。今日も大変そうだな〜。」


「あー…まぁねー。」


隣のクラスである舞は恨めしそうに廊下からこちらを睨んでいた。


「また放課後な。」


俺がそう言って手を振ると舞はやっと諦めたらしく微笑んでから隣のクラスへと戻っていった。


やっぱ舞…可愛いなぁ…。


一人ぼんやり妄想していると後ろから背中をつつかれた。


「何やってんだ?気色悪い。」


クラスメートの瀬川俊介だ。


「何って…舞で妄想…。」


「うわ、キモっ変態じゃね?」


俊介は笑いながら言う。


まあ流石に本気で変態と思っているようではなさそうだから俺は心が広いし許してやろうと思う。


「告白とかはしねーの?」


俊介はにやにやしながら聞いてくる。ああ、こいつぜってぇ〜楽しんでるな…。


「ばっするかよ。恥ずかしい。俺は舞が告ってくれるの待ちなんだよ。」


「現実はそんなに甘くないぜ〜?」


俊介のいう通りかもしれない。


でも俺は舞を信じたいと思う。


だから俺から告白はしない…。


というか出来ないというのが現実なのだが…。


四六時中ずっと舞の事ばかり考えている。


朝礼のチャイムが鳴りその話はそれきりとなった。


額に汗をかいている朝錬後の担任の体育教師がいつもの様にずかずかと教室に入ってくる。


そしていつものように朝の挨拶を始めた。


そんな当たり前の日常が壊されていくなんて…このときは夢にも思っていなかったのだった。


いつものように授業を受けちょうど三時間目くらいだったろうか?


音楽の授業で音楽鑑賞をしているときだった。


生徒の大半が観賞の音楽を子守唄代わりにして眠っていた。


煩わしいサイレンの音に一斉に目を覚まし、辺りを見回す。


何だ?何が起きたんだ?皆が騒ぎ立て先生が沈める。


その時機械音のような放送が入った。


「全日本国民に告ぐ。この国は我ら機械が占拠した。プログラムの完成まで後一時間。そう、お前らは一時間後に我らのつくったプログラムによって感情をなくしただの奴隷人形と化すのだ!!そのときまでせいぜい足掻くが良いさ。ふはははふあはっははははははh…。」


一時間後に?嘘だろ?


教室に再び声が飛び交う。


それは不安と恐怖に怯えた声だった。


「皆さん落ち着いて下さい。落ち着いて…。」


先生の言葉など皆には届いていないだろう。


もうこれでは授業どころの話ではない。


「どうなるんだろうな?」


俊介が不安そうな表情でこちらを見つめてくる。


それを横目で見ながら俺は立ち上がり音楽室の前方、黒板の前に立ち思い切り黒板を殴った。


バン…。鈍い音がした。


その音により教室内に再び静寂が戻る。皆が俺の方へと視線を向けていた。


黒板は思ったより硬く俺は痛む右手を擦りながら涙目で言う。


「俺がどうにかする。」


どうにかできる自信は0だ。でもやらないよりはいいだろう。


「足掻いてやろうじゃないか。見てろよ機械ども!」


へタレ旭と呼ばれている俺の行動に皆が唖然とした。


「多分主となる機械は、管理塔局の最上階にあるんだと思う。」


誰かが立ち上がった。


「じゃあ俺はコンピューターを使って管理当局にハッキングしてみるよ。多分小物を止めるくら

いなら出来ると思うしさ。」


また誰かが言った。


「これで無理でしたなんていったら殴るからな海斗。」


俊介の言葉に俺は苦笑しながら拳を握ってみせた。


こうして平凡の中学生であった俺はこの瞬間から世界を背負わされる事となったのだった。


そんなことを言ってみた主人公 旭海斗であったが本当は誰よりも混乱していた。


さてどうすればいいのだろうか?


旭はクラスメートの声援に追われながら音楽室を出た。


目指すは管理塔局だ。


っとその前に…。


寄り道しても少しくらいなら許してもらえるだろう。


俺はまっすぐ舞のクラスへと向かった。


「舞…。」


舞は心配そうに友達と話し合っていた。


舞のクラスもかなり混乱しているらしくざわざわとしていて舞が何を言っているかは聞こえない。


「心配すんな!俺がどうにかするからよ!!」


その声は舞に聞こえただろうか?


俺は反応も見ずに階段を駆け下りた。


「海斗…やっとヒーローらしくなったじゃん。」


舞は駆け下りていく海斗の姿を見てぽつりと呟く。


「舞…さっきの男何…?」


「ん?救世主になるかもしれない男だよ。」


校庭を走っていく彼の姿を舞は素面で見つめていた。


不安なんて感じていない。そんな顔で。


「にしても…。」


歩道が完全に止まっている。


走っていったら管理塔局まで30分といった所か…。


海斗は靴紐を結びなおした。


海斗が走り始めてしばらくすると携帯が激しく鳴り響いた。


「海斗!どうしよう…。」


携帯の向こうの…だから音楽室にいる俊介は混乱しているようだ。


「どうしたんだよ。」


「あいつ…高科がコンピューターハッキングするっていってたろ?」


「あ―…うん。」


ていうかあいつ高科って名前だったのか?


「それが…さ?」


「うん。」


「シュァワーってなって消えたんだよ。」


恐怖に怯えた声で俊介は言った。


シュァワー…ねぇ…。


ようするに機械に逆らいハッキングしようとしたせいで殺されたという事だろう。


死んでから名前を知るなんてなんて不幸な奴なんだ高科…。



「なんとか海斗の分だけは管理外に置くバグを仕掛けたからしばらくは大丈夫だって言ってたけど…。皆混乱状態だよ。」


音楽の先生は発狂して気絶してしまったらしい。


本当に困った教師だ。


俺は走る速度を速めた。


「高科の犠牲を無駄にしないように絶対にこの国を救って見せるよ。」


と携帯に向かって格好つけてみせた。


いつもだったら海斗のくせにといってくる俊介は何も答えず通話を終了させた。


もう後戻りは決して出来ない。


ぎゅっと拳つくる。


大好きな人を守るため…機械なんかに…負けたりしない…。


俺は走っている途中買い物帰りで放送を聴いて困惑している主婦と出会った。


「どうなっちゃうのかしらね?」


「冗談だと良いんだけど…。」


ひそひそと話し合っている。


黒光りするボディ。小学生の落書きのような微妙に愛嬌がある単純な顔。


それが警護ロボットの特徴だ。奴等は足から光を出して浮く事が出来る。


その警護ロボットが巡回してくるのが見えた。


珍しい光景だ。警護ロボットなんて滅多に見ることが出来ない。


そして一瞬俺の視界は白い光に覆われた。


びっくりして目を擦るとそこに主婦のおばさんたちはもう居なかった。


ただ彼女達が持っていた買い物袋だけがそこに置かれていた。


「ジャマモノハハイジョシマス。」


俺の方を向いてロボは言った。


嫌な予感がした。


ようするに俺が次の標的にされているということだろう。


「うぁぁぁぁっぁ!!!!!!!」


俺は走る。ひたすら走る。しばらくして後ろを向いたらもうついてきてはいなかった。


「よ…良かったぁ。」


急いだ方がよさそうだ。


管理塔局にたどり着く前に死んでしまっては格好悪い。


「…はぁ…はぁ…。」


三十分も走っていたから体力に元々自信のある訳でない俺はすっかりばててしまった。


「疲れたー。」


管理塔局を目の前にして俺は座り込んでいた。


メインコンピューターは目と鼻の先。そう分かっているのだがなかなか動き出せない。


しかしそうしている内にも時は迫っていく。


警護ロボは邪魔者を排除するだけでなく手動で洗脳する事も始めている。


さっきは足をきっちり90度まで上げて行進しているサラリーマンのおじさん達が見えた。


多分あれは洗脳されたのだろう。


フーンという機械音がし警護ロボが近づいてくるのが見えた。


「やっば!」


急いで中へと駆け込む。


しかしその中には警護ロボがうようよしていた。まるで蟻の巣に入ってしまったような気分だ。


どうやらここに勤めている人間は全員洗脳されているらしい。皆一箇所に集まり行進をしていた。


「つか無理無理無理無理!!」


俺は雪崩れ込むような体勢でロボットをよける。


間一髪のところで彼等のだすビームを避ける事が出来たがかなりギリギリって感じだ。


「シンニュウシャハハイジョシマス。」


警護ロボットがレーザーでできた刀のようなものを振り回す。


「ちょっまって!それ反則!反則だろ!!」


明らかに強そうだ。ビームならなんとか避けられていたがこんな狭い所で刀振り回されてはひとたまりも無い。


その時微かにロボットの動きが鈍った。そしてロボットの通信機能から音が聞こえてくる。


「海斗!ロボットの頭を狙え!こいつらはそんなに性能は良くない。」


明らかにそれはクラスメートの声では無かった。


とりあえず携帯で俊介に連絡をする。


「は?ロボットなんて誰もいじってねぇぞ?つか今この状況でそんな事出来る奴がいると思ってんのか!?」


言われてみればそうだ。


目の前で人が死んだばかりなのだ。


危険を冒してまでそんな事をするとは思えない。


じゃあ誰が…何故?


刀を持ったロボが近づいてくる。


考えている暇はなさそうだ。


「だぁっぁぁ!!!」


頭に向かい一発蹴りを入れる。


するとロボットの動きが急に鈍くなった。


「よし!!」


その隙に走って階段を探す。


「シンニュウシャ…シンニュ…ガァアアアアア…。」


ノイズが入り大半のロボットは止まった。


まさか蹴りを一発入れただけで?


そんなまさか。


「奴等の動きを止める事に成功した。とりあえず急いで上に向かえ海斗。時間が無い。」


まだ止まっていないロボットは言った。


「あんたは…誰なんだよ。」


海斗は階段を上りながらロボットに尋ねる。


人工知能のついたロボット?


リズミカルに上っていく海斗とそれを追いかけるロボット。


「少し昔話に付き合ってもらおうか。この制度ができたのは昔…もう10年ほど前になるかな。とある家族がいた。博士だった父と頭の良い息子と優しい奥さんがいてな、その家族は新しい家族が来たばかりだった。幸せだ…幸せだったよ。でもその幸せは長くは続かなかった。殺されてしまったんだ何者かによってね。」


怒りという感情がひしひしと伝わってきた。


「それは…気の毒…ですね。」


「復讐を望んだんだ。そしてついに作り上げてしまった。犯罪の無いこの日本を。その代償がコンピューターの暴走だったってことさ。所詮人間が人間を支配するなんて不可能な事だった。神の領域だよ。そしてこれは神の領域侵犯という大罪を犯してしまった俺へのあてつけだ。」


器用に腕で頭を抱える姿が俺にはどう映ったのだろう?


俺は…走馬灯のようにめぐる記憶から逃げ出したくて階段を上る速度を上げた。ロボットが追いつけないほどに。彼に…追いつかれないように。


脳裏にフラッシュバックのように光景がよみがえる。


養子として新しい人生をはじめられると思った。


優しい母さん。明るくて格好良いお兄ちゃん。それから…お父さん。


全部全部が狂ってしまったあの時の事。


「あぁぁ!!」


どうして被るのだろう。どうして状況が酷似しているのだろう。


母さんと兄ちゃんが死んでから父さんは壊れてしまった。


まるで感情の無いロボットのように朝から晩まで研究を続けていた。


俺の名前を知っている…理由。


「海斗…。」


やめてくれ…その名を呼ぶな…。


「俺は…。」


あんたにその名を…呼ばれたくない!


嫌な記憶が全て鮮明に蘇って来た。


「殺人鬼…忘れたのか?あんたが殺したんだ。あんたが全部壊したんだ。旭陸海…お前が母さんを…兄ちゃんを殺したんだろ!殺人鬼はお前だって…どうして気づかないんだよ!」


母さんは、兄ちゃんは…父さんと一緒に居たくなかった。逃げたかった。だから死んだのだ。


あの世までは追ってはこれないってね。


兄貴の部屋に残された遺書に一部始終が書かれていた。


自分の知らない所で母さんが傷つけられているという実態。


兄ちゃんがあの時俺に父さんを連れて出掛けるように言ったのはそういうわけだったのだ。


その事実を父さんは知らない。知るはずも無いだろう。


「大切な家族を奪った上にあんたはこの国を混乱に陥れようとしていたんだろ?そうなんだろ?だからわざとロボットが反逆するように設定した。そうだろ父さん。」


ロボットは何も答えはしなかった。


時計をみると後5分を切っていた。


メインコンピューターまでたどり着いたはいいがシステムダウンの方法が分からない。


ちらりとロボットの方を見る。


一つだけ残る疑問を解決させるために…。


「父さん…どうして俺を助けたんだ?」


俺を殺す理由はあっても助ける理由は無いはずだ。


計画を邪魔する侵入者なのだから。


「…親が子供を大切に思うのに理由なんているか?」


俺は下唇を噛む。痛みがじわりと広がっていく。


「じゃあどうして母さんたちにDVなんてしてたんだよ!!どうして死ぬほど辛かったのに気づいてあげられなかったんだよ!!」


「いつだって遅すぎたんだ・・・気づくことが・・・な。」


ロボットはメインコンピューターを操作する。


カタカタとキーボードを叩く音がリズミカルに響く。


「逃げなさい海斗、君は生きなければいけない。生きているんだから。ここはもうじき自爆する。」


「このままじゃ日本が!!」


俺はメインコンピューターに向かう警護ロボの背中をガンガン叩いた。


「海斗。お前の想像ほど私は悪い人間ではないよ。メインコンピューターのシステムダウンの方法は私の自爆だ。ここに居ては危険だ。ほら早く。」


ロボは優しく俺の腕を掴むと階段の方へと放り投げた。


「でも父さんは!」


父さんは…どうなってしまうんだ?


最悪の場合を考えぞっとした。


例え父さんが殺人鬼だと分かっていても俺は父さんが居なくなる事が嫌だと思った。


何故なのだかは分からないけれどそう思うことに理由なんて要らないんじゃないかと思う。


「大丈夫。もう旭陸海は死んでいるんだ。過労死で。私はそのコピーのようなものだ。生き物じゃあない。本来居るべきでない存在なんだよ。」


表情の乏しそうな顔をしている警護ロボだが口元が少しだけきゅっと上がった。


「海斗…ひとつだけ聞いてくれ。言い訳がましく聞こえるかもしれないがお前が家に引き取られる数週間前に本当にお前の母親と兄貴は殺されたんだ。おまえが見ていたのはロボットだった。復讐を考えたのも本当だ。でも…」


メインコンピューターは怒声をあげて光に包まれた。


俺はその場に伏せる。直後爆発がおきロボットはどろどろになっていた。


「終わった…のか…。」


ドロドロに溶けてしまったロボットの欠片を手にとってみる。


まだ熱かったがそれを着ていた上着で包んだ。


その暖かさは父の温もりだったんじゃないだろうか?


俺は携帯のナンバーを押し通話ボタンを押した所でやけにぼんやりする事に気づいた。


爆発の影響だろうか?酸素濃度が薄くなっているらしくなんだか眠たい。


「海斗…?大丈夫?海斗!!」


電話に出た舞の呼びかけに答えることが出来ずただ口を動かしてみる。


「…った…終わったよ舞…。俺…やったよ。」


なんとか口にした言葉に舞は歓声を上げる。


鼻を啜るような音から舞が泣いているのが分かった。


「海斗は日本の救世主だよ。」


「…ありが…と…舞。」


もう会えないかもしれない。


もう足に力が入らない。これが一酸化炭素中毒か…。


ぼんやりとする頭で俺は最後そんな事を考えていた。


「ば…い…ばい。」


「ん?海斗?今なんていったの?………ねぇ…海斗?」




[人間の命には限りがある。人はいとも簡単に死んでしまう。


誰かの死がその誰かと関わっていた人たちに関係していくのだ。


良くも…悪くも。


この先この国がどうなっていくかは君達に託されている。


君たち次第なんだ。]


海斗の携帯に残されていたメールに書かれていた言葉はその日のニュースで取り上げられた。旭陸海博士の遺書として。そのメールの日付は彼の亡くなった日になっていた。


消えた人たちは一箇所に転送されていただけらしく使われなくなった廃ビルで発見されたらしい。


この日本国滅亡の危機から約一年。


「海斗、行って来るね」


私は隣の家に向かって軽く挨拶をする。


今は持ち主の居ない空き家に向かって。


犯罪が可能になってこの国の犯罪率は0%ではなくなってしまった。


けれどさほど大きな事件は今のところ確認されていない。


ロボット事件の後機械類はほとんど撤去されてしまった。


その御蔭で皆は大変な苦労を強いられたが私は少し嬉しく思う。


なんていうことはここだけの秘密にしておいて欲しい。


なんせ大人たちはいつも文句ばかり言っているからだ。


あぁなんて不便な世の中なんだってね。


2009.4.3

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