カレー
特訓を始めたいところだったのだが二人のお腹はぐぅぐぅなりとりあえず先に予定した通り昼飯を作って食べることにした。
「まずは持ってきた食材で俺が昼飯作ってやるからそこで休んでろ。」
セアレが魔力を振り絞って周りの環境を時間変化魔法で戻したため簡易リビングや料理道具などはそろっていたが、セアレは疲れ果てていて料理を作る気力もなかった。
「なんかごめんね、いろいろ迷惑かけちゃって。」
セアレは肩身が狭そうに言う。
「大丈夫。それより早くご飯食って元気にならないとな!」
そうハクは言うとさっそく準備に取り掛かる。ハクは料理は同年代に比べてよくできるほうで、日本にいたころには施設でよく自分で料理を作ったりしていた。施設で自分で自炊していたのは決してそこでもひどい仕打ちを受けていたわけではなく、オーナーがハクの両親と親しい知り合いだったことからとてもよくしてもらって、「料理のできる男ってのはモテるもんだよ!」そう言われて教わりながら始めたのがきっかけだった。手際よく着々と準備を始めているハクに対して、休みながらその様子を見ているセアレはどこか嫉妬しているような感じだった。
(こんなにもハクが料理できるだなんて、、私よりも上手いじゃない。でも肝心の火はどうするのかしら?お願いされなかったら絶対に手は貸さないんだから!)
そんな風にセアレが思っていると、ハクは持ってきた食材の中に隠れていたある道具を取り出した。
(あれは、、火の魔道具じゃない。ハクのやつ、最初から私に作らせる気なんて一ミリもなかったわね。むぅぅうう、もうしーらないっ)
ふんっと不貞腐れたセアレはふて寝を始めてしまっている。そのことに気づいていないハクは
(疲れて寝ちゃったんだな。よしっ疲れには辛い物が一番だ!このカレーも俺特製激辛カレーにしてやるか!)
そんな見当違いなことを考えていた。
「おーい起きろーカレーできたぞ!起きないと昼飯はなしだぞー。」
「もうとっくに起きてるわよ!早く食べましょ。」
テーブルに並べられたカレーからする匂いにセアレはいつの間にか起き上がっており、しっかり席にもついていた。
「「それじゃいっただっきまーす!」」
大きな声とともに二人は一斉に激辛カレーを食べ始めた。ところがセアレの手は一口目から全く進まない。それどころか、額から汗を垂れ流し、さっきからずっと水を飲んでいる。
激辛といっても、そこまでは辛くないカレーを食べているはずのセアレを見て、ハクは疑問におもう。
「もしかしてなんだけど、辛すぎた?」
「い、いや?こんなの全然辛くないし。」
「でもさっきから手が止まってるぞ?」
「実は私って物凄い小食なんだよね、、あはは」
「でも宴の時はめっちゃ食べてたの俺は見てたぞ?」
苦し紛れの言い訳をするセアレをどんどんハクは問い詰めていく。さすがに言い逃れできないと悟ったセアレは今度は逆切れしてきた。
「あぁそうですよ!辛すぎるんですよ!カレーって言ったら甘いのが普通でしょう!こんな辛いのなんて食べれないですよ!」
まだ舌がひりひりするのか物凄い早口で文句を告げるとまた水をがぶがぶと飲み始めた。
「そ、それは悪かったよ。俺の中では辛口をイメージしたんだが、そこまで辛かったとはな。でもつけてある分はしかっり食べろよ?ほらチーズやるから。」
ハクはセアレのカレーの上にチーズをのせる。熱で溶けていくチーズはカレーの辛みをまろやかにし、それを見ていたセアレは水を飲むのをやめ、すでに手を動かし始めていた。
「美味しい!」
セアレはそう大きな声でハクに感想を伝えると、ものすごい勢いで食べ始めた。
「それはよかった。まだおかわりもあるぞー。」
するとセアレは
「おかわり!」
と無邪気に叫んだ。
読んでくださってありがとうございます!小説を書くのはこれが初めてなので、おかしなところもあると思うので是非感想をお聞かせください。そして今後ともよろしくお願いいたします。Twitterもゆずり△の名前でやっているのでフォローよろしくお願いします。https://twitter.com/Yuzurinarou




