セアレが見習いな理由
時はハクが食料を取りに森の奥、いやセアレの家へと帰っているときへと遡る。
セアレはハクが行った後、すぐさま魔法の特訓?を一人で始めていた。彼女は瞑想するように目を深くつむり、大きく息を吸い、呼吸を整え、心を落ち着かせていた。
(さっきのはわざと失敗してたのよ、うんそうよ。今度は逆にハクに、お前こんなにすごかったんだな!って言わせてやるんだから。)
そう心に誓い、とある詠唱を始める。
「我が魔力よ!我が身を解放し、さらなる魔力を与えたまえ!」
そう唱えた途端、セアレの体からはただならぬ気配、そしてオーラ、さらには魔力が溢れかえっていた。そう彼女には一つだけハクに嘘をついていたことがあった。それは彼女が見習いなのは決して魔法の実力が足りないからではなく、そのあまりある魔力のせいで魔法をうまくコントロールできず、暴走してしまう恐れがあったからだった。
(今度こそは、、絶対に成功させて見せる!)
すると彼女はまた別の詠唱を開始する。
「我が持ち魔力よ!その力を翼へと変換し、我へと授けたまえ!」
セアレが村長に言われた、魔力を暴走させないための方法、それは魔力を繊細に操りその力を内部に秘めるのではなく、外部にあふれさせることによって防ぐというものだった。そしてまず勧められたのは魔力を翼へと変換すること。本来人間は翼をもつことはないが、大量の魔力を巧みに操ることによって一本一本の羽を生み出し、それを組み合わせて翼を作るというものだった。翼の色はそれぞれ自分の持つ魔力のタイプにもよって変わり、その大きさは魔力の量によって決まる。だがこれは単なる応急処置であり、最上位魔法使いにともなると、こんなことをせずとも自分だけの力で暴走を防ぐことができるようになるため、あまり使われていないものだった。
(お願い、今度こそ!)
そう願うセアレにこたえるかのように一本一本羽が丁寧に魔力によって生み出されていく、その色は純白の白、天使のような羽が作り上げられていた。
しかしここで彼女の身に異変が起こる。異常な量の魔力を一気に消費しようとしたセアレの体はその力に耐えることができなかった。そして彼女の出来上がっていく純白の翼がどんどん暗黒に染め上げられていく。そして彼女を中心として球の形をした障壁が張られ、障壁内の周りの土地や空気は一瞬のうちに消え去り、彼女は宙に気を失いながら浮いていた。そしてちょっとすると障壁がセアレの周りから消え、彼女は地面へと叩きつけられた。音すらも消し去った彼女の魔力の暴走は、今まで誰にも見られたことはなかった。
(いたたた、また失敗したのね。一体何がいけないっていうの!?)
地面にたたきつけられた衝撃で覚醒したセアレは、心の中で反省を繰り返す。だが何も答えは見つからない。その時奥のほうから何やら物音がした。きっとハクが返ってきたのだろう。悲惨になったこの有様をどうしようかと悩みながらもセアレは
「おーい!とってきたぞー!」
という聞きなれた声に向かって元気に返事をした。
読んでくださってありがとうございます!小説を書くのはこれが初めてなので、おかしなところもあると思うので是非感想をお聞かせください。そして今後ともよろしくお願いいたします。Twitterもゆずり△の名前でやっているのでフォローよろしくお願いします。https://twitter.com/Yuzurinarou




