油断があだとなったようです
「ハク、ハク!」
セアレの声が第二階層で響く。それでも俺には届かない。
(息はある、よかった。)
彼女は俺の脈がまだあることを確かめると、いったん安心したように大きく息を吐いた。そして大きく息を吸って大声で泣き始めた。
(私が守るって言ったのに。このハクのばかぁ。)
彼女は俺の胸の中で泣いていた。相当心配していたのだろう。セアレはハクの温もりに完全油断しきっていた。そのとき「ヒュンッ」目の前の空間に裂け目ができたと思うともう一体のアンデッドが出てきた。
(なんで?あれで最後じゃなかったの、、こんなやつ私なんかに勝てるわけない、、。)
簡単なことだった。セアレは第二階層にはハクの倒したアンデッドだけだと思い込んでいた。しかし事実はそうではなかった。
(ハクが危ない、今度は私が助けなきゃ。)
アンデッドはセアレたちに向かってその手に握られている大きな斧を振りかざす。その一瞬でセアレはハクに転移魔法を唱える。
(私はまだ見習い、テレポートの使用には大きな制限がかけられている。転移できるのは一人、距離は限界でも二階層入り口。そしてその後30分は使えない。今なら私を守ることができる。でも私はハクを、命の恩人を守る!)
斧は運良くもハクに向かっている。そして体に触れるギリギリでハクは二階層入り口まで転移した。
(まだアンデッドがこいつだけだとは限らない。ここは逃げるしかない。)
セアレは自身の魔力を最大限使い自己強化に使う。それも素早さに強化値を素早さに全振りして。彼女の足には激痛が走る。彼女の肉体が魔法に耐えられていない。
(こんな痛みなんて、恩に比べたらなんてことないわ。)
彼女は物凄い勢いでアンデッドとの距離を離していく。そしてハクのもとに駆け寄っていく。
(ハク、今から助けるから、待っててね。)
セアレはハクに微笑みかける。そしてハクを抱きかかえ第二階層を離脱しようとする。が、その時アンデッドが目の間に転移してきた。
(嘘でしょ、こいつもテレポートが使えるなんて。私がこの強化状態をいつまで継続できるか、、。)
このままでは必ずどちらかが被弾してしまう。そんなことは許されなかった。
(このポーションを使うしかない。)
彼女が使おうとしたのは使用に制限のある魔法の制限を回復し、その効果を増幅させるものだった。これは本来彼女の任務の目標となっていたものだった。
セアレは一旦凄まじいスピードでアンデッドとの距離を離す。そしてアンデッドが転移するその僅かな隙を狙ってハクを床に置き、ポーションを使う。そして彼女はポーションの効果によって上位転移魔法を使う。指定先はダンジョンの外。セアレは自分にではなくハクに使う。そしてハクが転移されたのを確認すると、にやりと笑う。彼女が強化状態でいられるのはせいぜい3分。
「悪いけど、この三分であなたと決着をつけさせてもらうわ!」
セアレはそうアンデッドに向かって叫ぶ。しかし彼女はわかっていたこのままでは勝ち目がないことを。
読んでくださってありがとうございます!小説を書くのはこれが初めてなので、おかしなところもあると思うので是非感想をお聞かせください。そして今後ともよろしくお願いいたします。Twitterもゆずり△の名前でやっているのでフォローよろしくお願いします。https://twitter.com/Yuzurinarou




