表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星の海の管理人  作者: 椎谷弥生
第1章 2つをつなぐ星
19/41

第18話 シック

教室に戻った彼女たちを迎えたのは、教卓の上に置いてある大量の教科書とプリントだった。この大量の教科書を持って帰らなければならないということを思い出し、結衣奈は少し気分が落ち込んだ。



「もし南京錠持ってきてる人がいればロッカー使ってもいいけど、もし持ってきてないのなら持って帰ったほうがいいと思う。入学初日に盗まれたら話にならないからな。」

「結衣奈ちゃん、鍵、持ってきた?」

「持ってきたよー。なんか中学の時の鞄で来たから入ってたんだー。ラッキー!」

「いいなぁ、私は持ってこれてないから持って帰らないといけないんです・・・。」

「私のロッカー使う?たぶん少し余るし。」

「いいの?よかったー。」


結衣奈の提案に乗った莉子の顔は心底、安堵しているように見えた。









二人分の教科書をロッカーに収め、大量のプリントを受け取った二人は、帰路についていた。まわりにはまだ多くの保護者と生徒が残っていて、校門の「入学式」の看板の前で写真を撮っていた。


結衣奈の親も、莉子の親も先に帰ってしまったらしく、二人だけで帰ることになった。



「どこか寄ってかない?このまま帰っちゃうのももったいないし。」

「入学初日に見つかったら面倒くさいですよー。」

「まあいいじゃん。親と待ち合わせです、っていえばたぶん見逃してくれるよ!」

「短絡的な考えですねぇ。」

「あー、莉子ちゃん私のこと馬鹿にしてるー!」

「馬鹿にしてませんよー。」



中学のときに香菜と繰り返した会話。でも。なにかが違う。返事が丁寧語だからだけではなかった。



(香菜・・・・。)



高校入学一日目にしてすでに友人シックの少女。彼女はそっと空を見上げた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ