始まり
東部戦線ーー戦場
一人の軍人が敵兵の首をナイフで掻っ切る。
ブシュっとはじける血飛沫。
それを銀髪の髪がまともに受けてしまう。
だけど軍人は髪は気にせずに、頬の血液だけを袖で拭う。
「大隊長。これで全部です」
「ん? ああ」
軍人の上官である大隊長は戦場であるのに煙草にマッチで火をつける。
そしてマッチを振って火を消し、今、軍人が止めを刺した亡骸に投げ捨てる。
「レビン。ご苦労だった」
「ーーはっ!」
レビンと呼ばれた軍人はナイフの血脂を軍服で落とし、鞘に納めて敬礼した。
「何人生きてた?」
「六人です!」
「で? 何人始末した?」
「六人ですけど? いった!?」
レビンの額にデコピンがくらわされる。
「誰が全員殺せって言った。一人、生かしておけと言っただろう」
「え? あ、ああ。つい。抵抗されたので」
デコピンに対して文句を言いかけたレビンだったが、自分の非を認める。
「大隊長っ!」
レビンの仲間が大隊長に並ぶ。
「どうした?」
「帝都の参謀本部からです! どうぞ」
それはどうやら書簡だった。
大隊長はそれを開きーー嗤った。
「グリフィーナ伍長。大出世だな」
「へ?」
いつも親しく呼んでくれる上官にレビンは呆けてしまう。
「喜べ! 中央からの直々だ!」
レビンの顔に押し付けられて文章。
簡単に訳すとーー
『至急、参謀本部に来られたし』
「……軍法会議じゃないですよね?」
「なんだ? 心当たりでもあるのか?」
「ないですよっ! でも参謀本部ですよ? 雲の上の、さらにお空の場所ですよ!?」
「なこと俺に言われても知るか。手配してやるから風呂に入って、その錆びた銀髪を洗っておけ。臭いんだよ」
「ひどいっ!?」




