表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/10

6話 あざとい と かわいい

5話を若干修正しました。


感想より、ロールちゃんの対応が酷すぎる件について、とのご指摘により大幅な修正をしました。

 「神官さん、俺を<戦士>にしてください!」

 「申し訳ございませんが、<魔術師>から<戦士>へのクラス変更は出来ません・・・・・・」


 そうだったぁー。

 ていうか数分前自分でまとめてたじゃん。

 『二つ クラスの変更は基本的に出来ない。ただし、進化させることは出来る。例えば下級クラスの<戦士>から中級クラスの<剣士>は出来るが、下級クラスの<騎士>から同じ下級クラスの<魔術師>にはなれない』って。


 いや、まだ手はある。これだけは使いたくなかったがこの際やむをえない。

 背に腹は代えられぬってやつだ。


 「メニューオン!」


 俺はメニューをスライドさせながら考える。

 この世界(ゲーム)で一番の強者は誰か? トッププレイヤー? ラスボス? いや、違う。

 

 運営様だ。

 

 この世界を作った創造神である。

 空よりも高く海よりも深い心の器量をお持ちな運営様であれば、俺が事情を話せばきっと寛大な処置(クラス変更&迷惑料としてレア武器をプレゼント)してもらえるよね。


 俺は、運営に頼るという若干の後ろめたさを頭の隅で感じつつも、一切の躊躇無く<GMコール>の項目を押した。


 ・・・・・・あ、繋がった。



 『はーい。こちらGMシステム管理課、平熱系女子のロールでーす。ご用件をお伺いしまーす』


 なんか平熱系GM来た。

 突っ込むと話が進まない気がするので、このもやもやした気持ちは、大切に胸の奥にしまっておいた。


 「さっきクラスを変更したんですが、ちょっとしたトラブルというかハプニング? がありまして、間違ったクラスを選択してしまったんですよ」


 とりあえず俺は、これまでのことをかいつまんで話した。


 『ふむふむー、それでー?』

 「クラスを再変更してもらえないでしょうか?」

 『あー、そうですかー。ちょっと上に確認するんでー少々お待ちくださーい』

 「は、はい。分かりました」


 良かった。何とかなるかもしれない。

 もし、このまま魔術師だったら俺、確実にアウトだったよ。

 慣れない魔法職で2週間の遅れをとりもどすのは、不可能に近いからな。


 『はーい、確認終わりましたー』


 少しの間待っていると、向こう側から声をかけられたので要望を言うこと。


 「あ、それじゃあ<魔術師>から<戦士>に変えて下さい」

 『いや~すいませんねー。クラスの変更は残念ながら出来ません』

 「・・・・・・え? なんでですか!?」


 出来ないだと? 一体どういうことだ?


 『初期クラス選択の時、NPCから聞きませんでしたかー? 実は初期のクラスって、これからのクラスの方向性を決める大事なクラスなんですよー。だから一度選択したら変えられないのですー』

 「変えられないのは聞きました。だから運営に問い合わせたんですが?」

 『なるほどなるほどー、そういうことですねー。ですが、出 来 ま せ ん。はい、出来ないんです。実はここだけの話このゲーム、MSOがリリースしてまだ2週間目ということもありまして、運営がチョー忙しい感じなのです。例えこの私、GMのロールちゃんがいかに優秀で~完璧で~可愛い❤としてもっ! 今はまだクラス強制変更とか出来ないみたいです。すいません。」


可愛いは関係無いだろっ! とは絶対に突っ込まないからな。何故ならば話が(ry


『でもでもー、ちょっとやってみただけで、「自分には合わない!」 とか言って、クラス変えてもらおうとGMコールしてきちゃうプレイヤーさんもいるんですよー?「初期クラス変更して? GMならできるでしょww」 とかなんとか』


 まてまて、俺はそういう奴らじゃないぞ。本当に金髪エルフさんがぶつかってきて、魔術師になっちゃって、魔法分からないし俺に魔術師は合わない! だからGMにクラスを変えてもらおうと・・・・・・? あれ、同じ?


 『今現在このゲームでは、クラスの変更は出来ない仕様になっておりまーす。ですので、あなたのクラスは魔術師で決定です。変更はありません。良かったですねー、30歳までDT貫かなくても魔法使いになれましたよ! それにどのクラスでも進化していけばちゃんと強くなるので心配ご無用でーす。で す が! さすがにそれだけでは「ふざけんな! 仕事しろクソ運営!」とかなんとか言われ、小さな波紋はやがて大きな波となり、会社倒産待った無しになるので、次回のアップデートではクラス変更システムに大幅な修正とクラスをノービスに変えるアイテムを全プレイヤーに無料配布することが決まっています。詳しくはホームページをクリック! このたびはお力になれず大変申し訳ございませんでした。それでは、バイバイ~』

 「え? あっ、ちょっとぉ!?」


 こうして回線はきれた。


 「マジか・・・・・・」


 終わった。

 俺の『スタートダッシュでトッププレイヤーたちに追いつこうぜ!!作戦』が。

 てか何? あの自称平熱系GM。めちゃくちゃムカつくんですけど!(だが可愛い) 普通はクラス変更がそれだけ大事なシステムだったら他のプレイヤーたちと隔離する空間で行うとか、確認メッセージつけるとかいろいろあるだろが! なんだこのクソゲー、運営ダメダメかっ!(だがGMは可愛い)

 しかも何で俺がDTだって知ってるの!? 運営こっわ。GMこっわ。

 せっかく始めた「あのーっ」超人気ゲームの初っ端でクラス選択ミスるとか、不幸以外の何ものでもない。もしかしてあれか? 俺の右腕って幻想を殺しちゃう類のやつか?

 これからどうしようかなぁ。まずは「聞いてますかー?」魔法の練習からかな? 次のアップデートまでまだ時間が空くだろうし、ノービスに戻れるアイテムが送られてくるまでは地道にコツコツとレベル上げでも――――――――。


 「聞こえますかーー!!」

 「わっ!!」


 いきなり、耳元で大きな声が!

 思わず俺は思考を中断し、目の前にいる白ローブ姿の金髪エルフに焦点を合わせた。


 「さっきから声をかけていたんですが・・・・・・」

 「あ、ごめん」


 どうやら先ほどから声をかけていたらしい。

 いやー、全然気がつかなかったなー(棒)。


 「それよりも・・・・・・コホン。さっきはぶつかってしまった上に、その、クラス選択を間違わせてしまって本当にごめんなさい」


 そう言って彼女は、頭を下げた。

 どうやら彼女は、クラスの重要性について理解しているようだ。


 「大丈夫だ。気にしてない」


 もちろん、気にしてないわけない。めっちゃ気にしてる。だが、それで彼女自身が気に病むことはない。という思いから出た一言だ。やさしい嘘ってやつだな。

 いやぁ、俺優し過ぎ。もし、俺じゃなかったら彼女はどんな目に遭わされていたことか。感謝して欲しいね。


 「凄く気にしてますよね?」

 「うっ」


 彼女は顔を上げて、こちらを見た。

 どうやら彼女も勘が鋭いらしい。俺の周りには勘の鋭い奴が多すぎておちおち嘘もついてられないな。


 「顔を見れば分かりますよ。 あ、そういえば自己紹介がまだでしたね。私はユーナって言います。これでもギルドでは副リーダーなんですよ。さっきこけちゃったのは、急いでいたからで・・・・・・」

 「おー、そーなのかー。スゴイナー、フクリーダー」

 「信じてませんね!?」


 おっと、あまりにも副リーダーってのが嘘っぽくて、適当な返事をしてしまった。

 よし、ここは気持ちを切り替えて。


 「俺もこのゲーム始めたばっかだからお互い頑張ろうな。VRゲーム初心者ならコケるなんて当たり前だ。徐々に慣れていけばいいさ」

 「違いますよぉ! 初心者ではありません。 私はこのゲームを2週間前、サービス開始時刻ぴったりに始めました。レベルだってもう30超えしてますから!」


 えっへん! とユーナは胸を張った。


 あざとかわいい。・・・・・・じゃなくて。


 「まさかこんなドジっ子がレベル30だって!?」

 「あ! 酷い! ドジっ子じゃないもん! リアルでは、立派な高校生ですからね!」

 「え? 俺も高1だ」

 「え? 私も高1です」


 リアル年齢バレ怖い。


 もう一度彼女の姿を見てみる。

 身長は俺より少し低い程度、ちなみに俺が低いわけじゃない。170はあるはずだ。

 ゆったりとした白ローブだが、それを押し上げる豊満な双丘。それでいてこの全身からほとばしる天然のあざといオーラ。

 正確には分からないが、明らかに高校生の枠を超えていることだけは分かった。


 「よく友達から大人っぽいって言われないか?」

 「いや、逆に子供っぽいと言われます」


 ・・・・・・なるほど。そのあざとさオーラが彼女の大人プロポーションさえも上回り、幼さを演出しているということか。素晴らしい。


 そんなどうでもいいことを真剣に考えていると、突然ユーナが俺に顔を近づけてきた。


 「それよりも、何かお詫びをさせてください! このままでは、私の気が収まりません!」


 彼女はそう言いつつ近づいてくる。近い、近いから。

 このままじゃゲーム内のセクハラで俺が捕まるから。

 クラス間違えた上にセクハラで捕まるとかマジ萎えるから。


 「分かった。分かったからいったん離れろ」

 「え? はっ! す、すみません・・・・・・」


 結構な至近距離まで近づいていることに気づいたのか、素早くバックステップを踏んで俺との距離を取り、顔を真っ赤にさせて下を向いてしまった。


 うん、可愛い。・・・・・・じゃなくて!!

【片手剣】

種類 PS

解放条件 初期装備設定で片手剣を選択、又は片手剣を装備してモンスターを倒す。

詳細 片手剣のアーツが使用可能。片手剣装備時、片手剣による攻撃の威力補正。耐久値消費軽減。スキルレベルを上げるごとに片手剣のアーツを習得する。


【神力解放】

種類 AS

消費MP 0

リキャストタイム 1時間

解放条件 種族神族を選択

詳細 神の力を解放し、HPと状態異常を完全回復させ一時的にMPと全ステータスを1.5倍にする。効果が切れるとリキャストタイムが終わるまで全ステータスが半減する。


【投擲】

種類 PS

解放条件 種族人族を選択、又は投擲可能アイテムを標的に向けて投げ、命中させる。

詳細 投げたとき、威力補正と命中補正。スキルレベルを上げるごとに投擲のアーツを習得する。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ