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3話 チュートリアル と スキル選択

ガイドさんのアナウンス後に俺は、広大な草原に転移された。


 「おぉ、すげーな」


 現実と変わらない景色がそこにはあった。障害物が一切ないので、かなり遠くの方まで見渡せる。

 青く茂った草、爽やかな風。五感全てに訴えてくるこのリアル感マジぱねぇ。

 まさか、ネット小説によくある俺だけ異世界に転移してしまったとか!? あるあ・・・ねーよ。

 周りを見渡しても人がいない。ここはまだオンラインしてないみたいだな。

 

 まずは自分の身体を確認してみる。

 髪は見事に真っ白になっており、背中には一本の剣。体は簡素な布製の服に包まれていて、その上から動きを阻害しない程度のアーマーが各部位に取り付けられていた。

 特に異常は無い。俺が作り上げたアバターそのものだった。


 他にやることがなくなったのでその場に立ちつくしていると、何処からかガイドさんのアナウンスが聞こえてきた。

 

 『チュートリアル1、メニューを開いてステータスを確認してみましょう』


 おお、いきなりだな。


 『やり方は、「メニューオン」と発声し、出てきた画面の欄の中から<ステータス>を選択します』


 メニュー画面の呼び出しは、「メニューオン」と言うだけか。簡単で良いな。とりあえずやってみよう。


 「メニューオン!」


 ピコン。

 目の前に半透明のウィンドウが出現した。さらに展開されたメニュー欄から<ステータス>を選択。すると、自分のステータスが表示された。


 Name:クロノ

 Race:ハーフゴッド

 Class:ノービス

 Level:1

 HP:100/100

 MP:50/50

 STR:60(50+10)

 VIT:18(10+8)

 INT:10

 MND:10

 DEX:10

 AGI:30

 残りステータスポイント:0


 ユニークスキル:【複製魔法 Lv1】

 スキルスロット:5

 空欄

 空欄

 空欄

 空欄

 空欄

 控えスキル:なし

 称号:なし


 武器右手:始まりの片手剣

 武器左手:なし

 体:ノービスプレート

 腕:なし

 脚:ノービスブーツ

 アクセサリー:なし


 こんな感じになっていた。タッチすると詳細も見れるので、ずっと気になっていた【複製魔法】のスキルをタッチしてみる。



 【複製魔法】Lv1 AS(アクティブスキル)


 複製リスト:なし


 詳細 この世界に一つしか無いユニークスキル。一度見た魔法を使えるようになる。使う魔法の威力や効力は、自身のステータスではなく、その時見たプレイヤーもしくはモンスターのステータスに依存する。どんな魔法でも消費するMPが足りており、使用条件さえ揃っていれば、発動可能。ただし、スキルレベルが低いと複製した魔法のクオリティが下がり、威力効力共に減少する。強力な魔法ほど完全に再現することは困難で、スキルレベルを最大まで上げても完全に再現出来ない魔法もある。複製した魔法は、上記の複製リストで確認できる。複製された魔法の熟練度は魔法を見たその時点で固定され、どれだけ使用しても上昇しない。



 「これは、まさかのコピーでチートなスキルでは?」


 俺は、感極まって勢いよく天に拳を突き上げた。


 なんと幸先の良いスタートだろうか、敵の魔法を全て使えるようになるとか完全にチートだ。しかも、コピーした敵のステータスで威力が決まるので、この先俺はINTを上げなくても高威力な魔法を使うことが出来るわけだ。これは相当なアドバンテージを得ることが出来る。

 よし。今までのVRゲームでは、前衛職ばっかりで魔法なんて使ってこなかったけれど、このMSOでは遠距離でも近距離でも戦える万能な魔法剣士を目指してみよう。


 『チュートリアル2、スキルを取得してみましょう』


 『スキルは取得することで効力を発揮します。既に解放されているスキルをいくつか選び、取得してみましょう。レベル1のプレイヤーのスキルスロット数は、5です。よって、スキルを最大五つ取得することが出来ます』


 説明通り、メニューから<スキル>を選択する。スキル欄に沢山のスキル名が浮かんだ。またこれも種類が多い。

 今表示されているこれらのスキルは、種族選択とステータスの振り分けに応じたもののようだ。これから更にゲーム内での行動によって新たなスキルが解放される。現在のスキルスロットは5。ということは、この中から五つのスキルを選べるということだ。だからと言って、闇雲に五つ取っても駄目だ。

 取得していると常に効力を発揮し続けるパッシブスキル(PS)、特定のタイミングで発動出来るアクティブスキル(AS)。二種類のスキルのバランスと自分のプレイスタイルを考えたうえで必要なものを探すのが、トッププレイヤーへの近道でもある。


 「よし、いっちょ選びますか!」




 スキル選択中・・・・・・終了。


 「できたー」


 選んだスキルを習得する。



 スキルスロット:5

 【片手剣 Lv1】 PS(パッシブスキル)

 【神力解放 Lv1】 AS

 【ステップ Lv1】 AS

 【投擲 Lv1】 PS

 【観察眼 LV1】 AS



 まぁ、こんなものだろう。

 【片手剣】は片手剣の『アーツ』を使うには必須だし、【神力解放】は種族『神族』唯一の専用スキルだ。効力は一時的だがHPとMPの上限が上がる。複製魔法でMPを通常のプレイヤーより多く消費するのでMPが多いに越したことはない。【ステップ】は攻めにも回避にも使えるのでほとんどのプレイヤーは習得しているらしい。【投擲】は牽制用として重宝される。【観察眼】も戦力差を計るうえで大事なスキルだ。

 

 スキルを選び終わると再び音声のガイドが始まる。


 『チュートリアル3、モンスターを倒してみましょう』

 「おっ、やっとか」


 ガイドが戦闘について説明を終えると同時に少し離れた場所に一匹のウサギが出現した。

 目線を合わせてみるとウサギの上に赤いカーソルと緑色のゲージが現れる。


 たしか赤いカーソルは、モンスターを表す表示だったはずだ。緑色のほうは、体力ゲージってところか。つまり、あのウサギを倒せばいいんだな。

 あ、そうだ。早速取得したスキルを使ってみよう。


 「スキル、【観察眼】」


 すると、俺の頭の中にあのウサギに関する情報が流れ込んできた。



 <ブレット・ラビット> Level:1

詳細:チュートリアルや最初の草原ステージで現れるウサギの姿をしたモンスター。弾丸のように跳んでくるのが特徴。



 ん? これだけ? まぁ、スキルレベル1だしな。最初はこんなもんだろ。


 よし。まずは、集中。やっぱり雑魚モンスターが相手でも、VRゲームの初戦闘は緊張する。

 最初に体験したVRゲームでも慣れるまでが大変だったからな。


 あぁ、そういえば何度か夢に出たな。巨大な昆虫型モンスターが俺の体を千切って、引き裂いて、目の前に<You died>の文字。あれはトラウマもんだった。まあ、あれは俺がいきなりハードモードから始めたのがいけなかったんだけど。

 『ガンガンいこうぜ』なんて言ってられない。どんなモンスターとの戦闘でも、『いのちをだいじに』レベルの警戒だったよ。だって現実離れしたモンスターが襲ってくるんだぜ? 恐ろしいことこの上ない。生理的嫌悪感っていうの? あれがすごかったね。


 さて、ここまでモンスターの怖さについて語っておいてなんだが、人間はやはり、慣れる生き物である。


 色んなVRゲームをやっていると、モンスターに対する恐怖心はいつの間にか無くなっており、戦闘の緊張感もむしろ心地よいぐらいになってしまう。(あくまで個人の意見です)

 結局何が言いたいかというと、モンスターとの戦闘は慣れると楽しいよってことだ。

 それにこのMSOは名前の通りオンラインゲームだからハードモードなんて無い。よし、気楽に行こう。


 俺は背中の鞘から、<始まりの片手剣>を勢いよく引き抜いた。

 シュアリンッ!!と、鞘走りする剣の金属音が響く。

 その音に反応したのかブレット・ラビットもこちらを向き、戦闘体勢に入ったようだ。


 MSO初めての戦闘。レベル1でどこまでできるか。

 俺は左足を前に出し、やや体勢を低くして、剣を下段に構えた。

 

 「では、いきますか!」


 こうして、俺ことクロノの初戦闘がはじまる。

<始まりの片手剣>

種類 片手剣

性能 STR+10 耐久値∞

要求値 全クラス装備可レベル1以上

詳細 最初の武器選択で選べる剣。決して壊れることはない。


<ノービスプレート>

種類 体

性能 VIT+5 耐久値∞

要求値 全クラス装備可レベル1以上


<ノービスブーツ>

種類 脚

性能 VIT+3 耐久値∞

要求値 全クラス装備可レベル1以上

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