出会い
『はぁ~~~。しんどかったなぁ』
俺は相楽龍亮、17歳、高校2年相羽学園在籍
現在1人暮らしで、両親は俺が3歳の時に交通事故で亡くなった。
俺も一緒にいたが奇跡的に生きていた。
今は、両親の保険金と残してくれた貯金、それに、ローンなしの一軒家で悠々自適とまでいかないが
まぁ、楽しく過ごしている。
『今日の晩飯は何にすっかな?』
そんなことをつぶやき考えながら、夜の9時に
スーパーに買い物しに行く時だった。
空から勢いよく何かが降ってくる。
『なんだあれは??』
なにか気になり目を凝らしてみた
その時、ドカーンというすごい音をたて
その物体が地面に激突した。
辺り一面煙で見えなくなる。
『ごふぉ、ごふぉ、なっ、なんなんだこれは』
煙を吸い咳き込みながらも辺りを見てみる
少しづつ煙もなくなり、周囲の様子が分かり始める
大きく抉られた地面
まるで、月面のクレーターのようだ。
その中心には黒髪の女の子が横たわっていた。
『そこのおまえ、大丈夫か??』
パラパラ、女の子がゆっくりながらも立ち上がる。
『くそっ、油断してしまった。
不覚にもあんな奴にやられるとは。
しかし、奴ら日に日に強くなってきている。
雑魚でこれほどの攻撃を放つとは』
埃を払いながらそんなことを言った。
俺は一瞬月明かりに照らされたその子に
目を奪われてしまった
少しして我に返った俺はもう一度声をかけた
『おまえ、怪我してるみたいだけど大丈夫か??』
『やはり、あいつ等にとってもこの剣は重要らしいな。しかし、アルブムでさえ誰一人使えこなせない剣を一体どうしようというのだ。確かに、強力な力を有してはいるが使いこなせなくては宝の持ち腐れだろうに。まぁ、それはこちらにも言える事だがな』
こちらの声は全然聞こえてないみたいだ
まだ、1人でぶつぶつ言っている
落ちた時にでも頭をぶつけたのか?
とりあえず、さっきより大きな声で呼んでみる
『もしも~~~~し、大丈夫かぁ~~~~』
今度は気付いたみたいで、こちらに振り返った
『なぜ、ここに人が!!!!
この場所は結界で覆ってるから
普通の人が来れるはずはないのだが』
女の子はすごく驚いた表情をしている
結界!?何を言ってるんだ?
やっぱり怪我がひどいのだろうか?
『やっぱり、怪我が酷いんだな。待ってろ。今、救急車を呼んでやるから』
『貴様、そんなことをしても無駄だ。私の事はいいから、今すぐこの場を立ち去れ』
『ちょっと待てよ。人が親切で言ってやってるのに何なんだよ、その言い方わ』
『誰も頼んでおらぬわ。貴様が勝手にやろうとした事ではないかそれで、恩着せがましくするではない』
龍亮『可愛くない女だな。勝手にしろ』
ムカついたので、そう言い捨てて
立ち去ろうとした。
その時・・・・・・
『キシャァァァァァァ』
奇妙な音が辺りに木霊する
『なっ、なんだこの音は!!!!頭が割れる。けっ、けど、この音どこかで』
『これは音ではない。奴等の声だ』
『これが声!!』
『普通の人間が数分この声を聞いてると奴に操られるぞ!!一般では平均3分~5分で操られる』
『なっ!!もうそれぐらいたってんじゃねぇか!!!!』
『落ち着け馬鹿者!!貴様がここにおるという事は少なからず何かしらの力があるのだろうだから、大丈夫なはずだ』
『ちょっ、はずってなんだはずって。それに、力なんてもの持ってないし、もう手遅れかもな』
『ちなみに言っておくが、あの声聞いて普通に喋ってる者など一般人にはおらぬぞ』
『そうなのかっ!!なら安心かな』
『たわけ』
いきなり大きい声で怒鳴られる
『あの声はあやつらにとっては呼吸と同じ。あやつ自信を倒さねば、生きて帰れると思うなよ』
あまりに強い気に何も言い返せなくなった
『キョキョショォォォォォォォォォ』
『こっちに向かってきたぞ』
『ははっ、そうかこれは夢なんだな』
『貴様が夢だと喚こうがこれは現実だ。いいから貴様は走って逃げろ』
『なっ!!!!!おまえはどうすんだよ?』
『決まっておるだろ。あやつを滅するのだそれが、私の仕事だ』
『なら、しゃあねえな。俺も残る!!』
『喧嘩に余程の自信があるのかも知れんが、奴等はそんなもんでは倒せん。いいから逃げろ。』
『わりぃな。俺は怪我してる女を置いて行けるほど薄情じゃねぇんだわ。夢じゃなけりゃなおそらな』
『馬鹿者、死ぬぞ!!』
『もし俺が逃げてお前が死んだら自分が死ぬより
よっぽど辛いわ』
『貴様は大馬鹿者だな』
その時、女の見せた表情は笑ってるように見えた
『かもしれないな』
『俺の名前は相楽龍亮だ、おまえの名前は?』
『久能希咲良だ』
『希咲良、生きてまた会おうぜ』
『ギャァァシャァァァ』
『しまった』
後ろからあの奇妙な声が聞こえ、
振り返ると目の前に異形の化け物がいた。
俺はその時、やられると思った。
グサァァ
パシャァァ
体を貫かれ、血飛沫が飛ぶ音が聞こえた。
ピチャ
ピチャ
と顔に血がこびりつく
しかし、まったく痛みがない。
死んだのかと思った時
『大丈夫か?怪我がないなら逃げろ』
俺はその言葉でやっと状況を把握することができた。
希咲良が俺をかばったのだ。
『な、なんで俺なんかを?』
『私の不注意で貴様を巻き込んだのだ、それに私は普通の者を助けるために戦ってるのだ。だが、本音を言えば体が勝手に動いたのだがな』
『ギョシャァァァ』
ズボォォ
異形の化け物が希咲良を貫いた腕を抜き
間合いを取る
『ゴフォ』
その瞬間、希咲良は口から血を吐く
同時に女から何かが落ちた
カランカラン
それは剣だった
ドクンドクン
それを見た時、俺の中の何かが
剣を取れと俺を促す
それに向かって手を伸ばす。
『やめろ、それをとるな。それは私達でも誰一人扱えなかったのだ。あまつさえ鞘を抜くことさえできなかった』
俺は一瞬伸ばした手を止めるが
『これで、奴を斬る。そしたらすぐに病院に連れてってやる少し待っててくれ』
『その剣をとれば死ぬ。無理に扱おうとした者は皆死んだ。アルブムの者でもだ。だから普通のお前では到底無理だ』
『そうだとしても、俺は引き下がれない。俺のせいだおまえは傷ついた。その俺がおまえを置いて逃げるなんてことは絶対に無理だ』
『しかし、それでは・・・』
『ごちゃごちゃうるさい。おまえは俺が奴を倒して病院に連れてくまで死なねえようにしてりゃ良いんだよ』
『いいから聞くのだ!!貴様ではその剣を持ち上げる事すら困難だぞそれは持ち主を選ぶ剣だ。認められない者は触れる事すら叶わん。
私でも持つだけでやっとなのだ。貴様では、死ななくとも持つことは・・・・』
『いいから見とけ。俺は自分の言葉は真っ直ぐ曲げねぇからよ。例えどんな事があってもだ!!』
『いくぞ!!』
ドクン
ドクン
ドクン
俺の指先が剣に触れた瞬間
眩い光が俺を覆う
『う、うぁぁぁぁ!!』
『な、なんて光だ!』
目を開けてられない程の光だ。
目を開けるとそこは、
不思議な光に包まれた所だった。
辺りを見回してると
『オヌシハワレヲスベルカ?』
何か声が聞こえるがうまく聞き取れない。
『お主は、ワレヲスベルカ?』
だんだん聞こえてきたぞ。
凛とした女の声が頭に響く
『お主は、我を統べるか?』
お主?
周りを見たが誰もいない。
俺のことかな?
『統べる?一体何の話だ???』
『お主は、力を求めて我に触れたのではないか?我の世界さえも作り変えてしまうほどの力を』
『はぁ?俺はそんな力興味ないね!今、俺が興味あるのは、俺のせいで傷ついた女を助ける力だけだ。』
『お主も結局は力を求めるか、お主はいずれ力に溺れるだろう。なら今の内に殺しておこう』
『な、なんだと!!ふざけんなよ。人の未来を勝手に決めんじゃねぇ』
『我は遠い昔から人間を見てきた。初めの内は我も人間の中にも力に溺れない者がいると信じて気長に待ったが、誰も彼も皆、力に溺れおったわ』
『たまたま、そうゆう奴ばっかに出会っただけだろ。俺は、違う。それに、どれだけ見てきたか知らんが、人は皆それぞれちがうんだよ!!』
『ならば、お主が他と違うというところを見せてみよ』
見せてみろだと!!こいつ、かってばっか言いやがって。
しかし、あいつを助けるにはこいつの力を借りなければならない。
そうなると・・・・・
やるしかないか。
元々、助けられた命だしな。
フッ!!
『何がおかしいのだ!!やはり違うとこは見せれないと悟ったのか?』
『いいや、ちがうさ。お前が言う他と違うとこを見せろって言うの合ってるか分からないが答えてやろう』
『ふむ。それは興味深いな!ぜひその答えとやらを聞かせてもらおう。他の者と一緒ならばお主の命もらうぞ』
『ああ、かまわない。俺は、あの化け物を倒して、あいつを、希咲良を助けたい。
俺をかばったせいで、傷つけてしまった。しかも、死ぬかも知れないほどの重症だ。
希咲良を助けるためなら、俺はこの命をくれてやる』
『なに!!!この娘を助けるために自分の命を差し出すだと。お主、正気か?その娘はお前の何だ?恋人か、家族か?』
『いいや!どっちも違うさ。ほんの数分前に出会ったばかりの奴さ。』
『たかが数分前に出会っただけの娘になぜ、お主は命を差し出せる?』
『それは、さっきも言っただろ。俺をかばったせいであいつは傷ついた。そして、俺の命を救ってもらった。なら、俺の命はあいつの為に使うのがあたり前だろ』
『うむ。ならばよかろう。お主の命を糧に、一度我の力を貸そう。そこの、剣を手に取れ』
その言葉を聞いた瞬間、目の前にさっきと同じ剣が現れた。
剣を見た瞬間、俺の鼓動は途端に速くなった。
鼓動を鎮めるため俺は、目を閉じ、心を落ち着かした。
この剣を取れば俺の命も終わりか。
長かったようで短かったな。
魁人、美陽、元気でな。
『ここにきて、死の恐怖に臆したか?』
『いいや、覚悟をもう一度決めただけだ。では、いくぞ。』
目の前に現れた剣に手を伸ばす。
剣に触れるとまた同じ光に包まれる。
目を開けたらそこは元の場所だった
『お・・い!だい・・・じょうぶか?』
『あぁ!大丈夫だ。俺は、何分ぐらいこうしてた?』
『なにを・・いってる!ほん・・・の数秒だぞ』
『なに!』
どうやらこの剣と喋っていた空間は時間軸がこちらの世界と
ちがうようだな。
『ほんと・・・うに、だい・・じょうぶか?』
『本当に、大丈夫だ!今度は、俺がお前の命を救ってやるから待ってろよ』
そう言って俺は剣をもう一度強く握りなおし、
目を瞑り、異形の者の気配を探った。
『ギャシャシャシャシャ』
異形の者の声と同時に後ろに気配を感じた。
『あぶなっ』
異形の者に気付いた希咲良が声を上げようとする。
その声が完全に発せられる前に俺は、
『闇に帰りやがれぇ~~~』
そう叫びながら、剣を力を込めて袈裟切りに振るう。
異形の者は俺の攻撃に反応して両腕で防御の姿勢を
とった。
『だ・・めだ!ふ・せがれる』
俺は剣を止めなかった。
あんな防御など無意味だと
わかっていたからだ。
『グギョョョ』
俺の一撃を受けた異形の者は
叫びながら闇に消え去った。
『なっ・・!一撃でしかも、防御の姿勢をとった相手を』
『あとは、希咲良の治療だけだな』
俺は希咲良の傷に手をかざした。
なぜかわからないが、そうすれば傷が治ると
思ったのだ。
ポァァァン
俺の手を中心に暖かな光が生まれると
希咲良の傷は徐々に治り始めた。
『治癒能力も使えるとは!!おまえはいったい・・・』
『さぁな!まぁ、もうそんなこと気にする必要ないと思うがな』
『どうゆうことだ!』
そうこうしてる内に、希咲良の傷は癒えていた。
俺は立つと、剣に向かって話し始めた。
『お前のおかげで、こいつを助ける事が出来た。その点だけは感謝するよ。俺はいつでも良いぞ!』
『ホントに良いのだな』
『その剣が喋ってるのか、貴様ら一体何の話をしている』
『では、始めるぞ!』
『ちょっ・・・』
ポアヮ
淡い光が龍亮を包む
そして、その光が少しづつ
収束してくいく
ドサァ
光が消える同時に龍亮が倒れこむ
希咲良『貴様、一体何者だ。それに龍亮に何をした?』
『何をだと、お主には関係あるまい。我が何者かなんて事は今は関係あるまい』
『関係ないなんて事はない。いいから話せ』
『まぁ、しかたないか。確かに、関係なくもないからな』
『どうゆうことだ?』
『そう急くでないお主、自分が瀕死の状態であったのは分かるな?』
『あぁ、だが龍亮のおかげですっかり治ったがな』
『お主、普通の人間がそんな力を使えると思うのか』
『・・・・確かに、普通では考えられない』
『そこで、こやつは自分の生命エネルギーをお主に
注ぎ込んだのだ。我の力を借りてな』
『もっ・・・もしかしてそのせいで』
『普通なら、それで死んでるだろう。
だが、こやつの生命力は桁外れだった』
『な、ならなぜ龍亮は倒れたのだ?』
『こやつとは力を貸す時にある約束をしたのだ』
『約束?』
『自分の命をやるから、お主を助ける力を貸して欲しいと』
『ばっ、馬鹿者かこいつはっ』
『かもしれないな。しかし、こやつがいなければお主は助からなかった。
まぁ、逆を言えばこやつがいなければお主も傷つかんかったかも知れんがな』
『もっ、もしかして龍亮はそれを気にして・・・』
『確かに、こやつはそのような事を言っておったな』
『私のせいで殺してしまったのか。』
愕然とする希咲良に剣は言った。
『気にするな。こやつが我に触れ力を欲した瞬間にこやつの死は確定していた。』
『私が傷を負って倒れなければ貴様を落とさなかったはずだ。貴様の力でこやつを生き返させれないか?』
『・・・・・・・お主らは揃いも揃って馬鹿者達だな』
言葉の中に少し微笑みが見えたの気のせいだろうか
希咲良がそんな事を思っていると
『我としてはあまり言いたい事ではないがその者は生きておるぞ』
『えっ』
『そやつの生命力が桁外れな上に心も強い。加えて何か力があるようだ。
その所為で殺し損ねた。今は疲労で気を失っているだけだ。
そやつが目覚めぬ内に家に運ぶがいい。そうすれば夢と思って今日の事を忘れるだろう』
『確かに。しかし、いいのか?』
『なにが言いたい?』
『貴様は触れた者のすべて殺しているのだろ。見逃していいのかと聞いている』
『そやつを殺していいのか?なら殺すがぞ』
『殺していいはずがあるか!』
『なら聞くな!我も少しそのものに興味が湧いたから見逃してやるのだ。他と同じと分かればすぐに我が殺してやる。』
『そやつを近くで見守るような事を言っているが、貴様は出雲の社に納められるんだぞ』
『お主の上司にでも言っておけ。我の意思だと』
ピカァァァァと剣が光ると
その光は上空に一度上がると
そのまま急降下し龍亮の胸元に降りたった
そこには小さな剣を模したネックレスがあった。
『くそっ、勝手な事をしおって』
そう疼いて、おもむろに携帯を取り出した。
そして、どこかに電話をかけた。
『もしもし、私だ』
『なんかあったのか?』
『あったなんてもんじゃない。とりあえず一通り話す』
・・・・・・・・・・
希咲良『ということだ』
???『了解した!今からその者の監視を命ずる。あとは臨機応変で頼む。
諸々の事はこっちで調べておく。分かり次第知らせる』
『わかった!』
そういって電話を切った。
そして、龍亮のポケットから携帯を取り出し何かした後、
携帯を元に戻した。
初投稿です。ただ書いてみたいって感じで衝動的に書いたので誤字脱字、又は文章構成など拙いと思いますがご了承ください。ご意見などがあれば色々お待ちしております。更新は不定期です