第7章 プルナ国王の苦難の日々
ここからは先程の失敗の話ね。実はこの星の国王や仲間達は女を誕生させる時は苦労の連続だった。この星の女は昔から狂暴だったので、基本地球の素敵な女性からDNAを貰い、男の後を一歩引いて歩く様な控えめの女性を作りたくてプルナの女に吸収させた。
頂くDNAが最も大事で性格の良い女ならいいのだが、何故か闘争心の塊の様な女ばかりで今の所頂いたサンプルは全て失敗。この日も王だけが持つ特殊な目と口の眩しい光線を同時照射してやっとの思いで誕生させる生命だ。
今回は「我が娘希望」のあった製造出産の日だ。女性なので良い性格を作る為に頂いたサンプルの暴力的な部分を消して、今日の王はいつも以上に皆とミーティングを重ね、気合十分だった。
いつも必ず大人、成人となってから生まれる。子供時代は省略され経験しない。男でも女でも新しい生命が生まれたらそれを皆で喜び、赤飯とビールでお祝いするのだが、お祝いの時は、お祝い用の高級瓶ビールで祝うのが習慣だ。
女性の成功は難しく、毎回失敗の連続だった。カレックとカレックの妹が知り合いの「我が娘希望」を申請した家庭に、王から今日新しい生命を製造出産するからと連絡が来たので、出産祝いをする為にタキシードの様な正装をして綺麗な花束と赤飯、ビールを持って立ち会った。
新しい生命が誕生する時は赤ちゃんでは無い、いきなり大人だとちょっと寂しいが、今生まれて来る新しい生命に変わりない。我らのベイビーちゃんです。成長していても新しい生命に喜びと感謝を。いよいよ出産に成功するその瞬間が来た。おぎゃーと泣いたりはしないけど。さあ、これよりビールと赤飯でお祝いの宴開始です。
「新しい生命に乾杯!おめでとう!」
「良かったね、新しい家族に乾杯!」
そういって微笑ましい生命誕生を皆で喜んだ。
すると生まれたばかりの女ベイビーちゃんが、あくびをしてお尻をポリポリかきながら面倒臭そうにこちらをジロッと見て、いきなりふてくされて、ウブ湯に浸かりながらクレイジーナイトを歌い始めた。まだ私達との会話が無い。
その後、風呂からあがり、女ベイビーちゃんはクルクルのパーマと長いスカートを引きずって、薄っぺらのカバン持って唇に口紅つけてタバコを吹かしていたのでとても可愛らしく我が子の愛らしい姿に、新しい家族となるパパのリンリンが嬉しそうに声をかけた。
「こんにちは。あなたの名前は今日からココちゃんだよ、初めまして。今日からあなたのパパとなりますリンリンでちゅ。ココちゃん、よろぴくね。」
リンリンはそう言って国王が花束を渡した。乾杯の音頭を王が取った。
「さあ、皆でこのめでたい日を乾杯祝福しましょう、乾杯!」
そしたらココちゃんは、王に向かって言った。
「おう、そこのみっとも無いデブ、ブクブクのブタ、ワレ。てめえだよ、何だ、この花は? ちっとも美味くねえぞ。黒毛和牛の焼肉じゃ。等級5番を直ぐ持ってこいや。じゃんじゃん焼いて喰うぞ、このハゲちゃびんっ! 酒も持ってこい。
あと金だ、金、金よこさんかいっ。どつくぞ、焼き入れたろうか? 拙者の名前は今日から切り込み隊長リンダ様じゃ、じゃじゃーん。覚えておけ! このハナクソマンキン変態クソヤロー、スケベのカス外道ジジイが。」
するとパパのリンリンも言った。
「そっか、ココちゃんは切り込み隊長か? カッコいいよ。ならば父親の私は食い込み隊長だよ。じゃじゃーん。外道ども。」
カレ子が言った。
「リンリンパパ、ここは変態クラブじゃないのよ、却下。今暴走族の話でしょ、最低。せめて特攻隊長にしてください。」
と訂正した。
生れたばかりのベイビーココちゃんがいきなり愚連隊の様なご挨拶だったので、王は傷つきうるうる涙目で失神真近。
思わず見ていたカレックは想像と違い過ぎて、驚いて倒れそうになり、持っていた赤飯を妹の顔面にぶん投げて、飲んでいたビールでうがいし、ガラガラうがいの後カレ子の顔面に吹きかけてお祝いのタキシードの様な格好のズボンが脱げてしまった。反応がいつも豪快なカレック。
従順な妹カレ子も私に続いて今教わった通り同じように、兄カレックの顔面に赤飯をぶん投げて、ビールでガラガラうがいの後カレックの顔面に吹き浴びせ、お祝いのズボンを下げていた。
「お兄ちゃん、赤飯は顔面で食べると熱いね。」
カレックが慌てた。
「これは違うんだよ、間違いよ。だから覚えなくていいからね。」
カレ子はお祝いの時には赤飯を相手の顔面にぶん投げてその後ビールでガラガラうがいして相手の顔へ吹きかけた後にズボンを下ろすのがお祝いの儀式のやり方だと記憶した。
国王も驚いて思わず口の中のビールを吹いた。
「ブブーッ」「ブハーッ!」
と飲んでたビールを噴き出して、今度パパとなるリンリンの顔面に見事ビールを吹き浴びせて見せた。この時カレ子は国王が忘れていると思い、行ってズボンを下ろしてあげた。カレ子は吹きかけズボンを下ろす行為が喜びを体全体で表す表現なんだと理解した。
王はとうとう上を向いて喉を押さえて苦しみ出した。
「フイーッイッヒッヒッ、フイーッイッヒッヒッ。」
王が悲しみのあまりに苦しみ出して、嘆きで窒息しそうになっていた。
するとカレ子がそれを見てお兄ちゃんに聞いた。
「カレックお兄ちゃん、これも覚えるですか? ビールは相手の顔に噴きかけてから、ズボン脱いでそれでフイーッイッヒッヒ。」
「カレ子、違うの。これも覚えちゃだめよ。ダメダメよ。彼は悲しんでいるの。茶化しちゃダメ。」
そう言ったのだが間に合わず、カレ子は既に兄のカレックの顔面にビールを吹き浴びせて、ズボンを下ろしてフイーッイッヒッヒッ。完了していた。
ビールまみれにお祝いの服がびしょびしょになりカレックが怒った。ビールを口に含んだ。
「カレ子、よくもやったわね、お返しよっ。ブーッ。フイーッイッヒッヒ。」
と言って、持っているお祝いの瓶ビールをカレ子の頭に垂れ流した後、ビールを口からガラガラうがいの後カレ子の顔面に吹きかけた。
そしたらカレ子が直ぐ真似をした。
「こうやるんですね。ガラガラブーッ。フイーッイッヒッヒ。」
とカレックの頭にビールを流して、口でガラガラうがいしてビールを顔面に浴びせた。カレックもお返しした。ガラガラブーッ。フイーッイッヒッヒ。
「これは真似しないでねって言ったでしょ! ガラガラブーッ。フイーッイッヒッヒ。」
カレックが怒ってやり返した。カレ子の顔に噴きかけた。そんなめでたいお祝いが暫く続き、落ち着いた頃、次にカレ子は王の所にも行った。
「おめでとうございます。持っていた赤飯を国王の顔面にぶつけて、ビールをブーッ。噴きかけて、ズボンを下ろした。フイーッイッヒッヒ。」
そう言って赤飯とビールで王を労った。王は泣きながらピクピクしてもう失神していた。
「カレ子、止めるんだ。やってはダメ。覚えないで。フイーッイッヒッヒ。」
ビールを口に入れで再び発射した。
「ブ~ッ。フイーッイッヒッヒ。」
「なんて行儀の悪い子なの! だから止めなさいって言ってるでしょ? カレ子。フイーッイッヒッヒ。」
叫び声がこだまにしてまるで喜びを分かち合う野球の優勝チームが行うシャンパンファイトの様なビールかけ? の様な何故か赤飯も飛んでズボンを上げ下げしていた。そんなお祝いする光景がしばらく続いたそうだ。鳴き声と悲鳴も多かったが意外と楽しそうだった。
そんな事をしている間に、ココはソファーでシンナーを吸いだして、セクシーナイトを口ずさんでいた。するとパパのリンリンが言った。
「この子はお歌が好きなんだね。上手だよ、凄いしめやかだ。」
何とか褒めようとしていた。パパのリンリンが娘を誘った。
「ココちゃんや、家の周りを紹介するよ、パパと一緒に歩こうじゃないか。」
するとココちゃんは睨みつけた。
「舐めとんのか、ワレ、クソジジイ、アタイは隊長リンダだと言ったろが? リンダ様と言えや、タコ。」
ココちゃんが、続けた。
「こら、クソジジイ、今日は党の集会の日だ、今直ぐ特攻服とバット持ってこい、行ってくるぞ。」
そう言って颯爽といなくなったが、でもこの星にバイクが無いので乗ったふりして口笛吹きながら、足でアクセル吹かすふりをしてその辺を一人でぐるぐる回って歩いて遊んでいた。
「ぶるぶるぶーん。」
それを見て王は自分の完全失敗を嘆き、フイーイッヒッヒと悶えて痙攣して、再び白目をむいて口から泡を吹いて倒れていた。完全に失敗の非行娘だった。
それから数か月が経過した。暫くして、パパのリンリンはいつもの様に今日も娘のバイクとなってあげていて、今日も背中に乗せて、歌うたいながら汗かいて一生懸命長時間足を使ってぐるぐる町内を回ってあげていた。
スキーム使えば持ち上げて楽なんだけど、足でやってというのがココの要求だったからパパはおんぶして足で走りながら頑張っていた。するとココが言った。
「パパ、もっと早く。もっと早く。」
と言ったので更に加速した。
「ぶうーん、ぶうーん。」
と声を出しながら精一杯背中に乗せて走ってあげた。
「あはは、パパ、も一回やって。も一回。」
それはまるで成人女性には見えなかった。ココは子供の様に接していて、パパのリンリンはとても幸せそうだった。
ココは言葉遣いが乱暴で不良少女で完全失敗だったが、不思議と当初から暴力は振るわない子だった。今では言葉遣いも直り、リンリンへの反抗期も修まった様に思うのだった。
リンリンの愛情がココに伝わったのかもと思う今日この頃だ。もう自分の事をリンダとは呼んでいない。飽きたみたい。父の勝ちだ。失敗プルナ女から一転、ココは逆転成功した初めてのケースだった。父の愛が勝った。
でも王はあの日以来、ポロポロ泣きながらバーボン飲んで何故か失恋バラードを歌っては飲み干して疲れて寝込んでしまった。
これで何回目だろう? 残念ながら、明るい彰子の眩しい女性計画は今日も完全に失敗に終わったが、奥さんとしてでは無く、娘としてなら父の愛で娘は変われる事が証明された。




