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警護組織イージス~人を護れなかった僕は、誰かを護る盾になる~  作者: ゆる弥


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27.捕まえた

 凄まじい衝撃が体をビリビリと震わせる。

 

「えっ!?」


「りょぉぉぉぉぉ!」


 伴さんが大きなハンマーを持って立っていた。

 そしてすごい勢いで踏み込んできた。


「伴さん!?」


「おう! 無事かぁぁ!?」


 筋肉隆々のスキンヘッドが現れたのだ。

 これには驚いた。

 僕の目の前の男といえばピクピクと痙攣している。


「今ちょうどノシたとこっす。ここが良く分かりましたね?」


「それがな。エレナさんから後藤さんに連絡があってな。何やら亮の携帯のGPSが途絶えたってな」


「あーなるほど。そうですか」


 僕はなるべく何ともなしに、まずいことは何もないというていで会話をした。けど、やっぱりマズかったみたいで。


「護さんがこの仕事終わったら一回話そうって言ってたぞ?」


「マジっすか……あー。マズイなぁ」


「あぁ。これでコイツ捕まえて一件落着だろうからな。誘拐とか拉致監禁でしばらく出てこれないだろうからよ」


「そうですね。すみませんでした。僕の注意不足でした」


 伴さんに向かって頭を下げる。

 胸の中では悔しさが渦巻いていた。

 励ますように肩を叩かれ呟く。


「まぁ、そういう時もあるだろう。現場出てまだ1ヶ月たってねぇだろ? だから良いってわけじゃねぇが、まだ勉強することがあるってこったな。しっかり勉強しろよ?」


「はい。精進します」


 黒フードの男は拘束して玄関へと出す。

 警察に通報したようだったので、そのままこの場所は明け渡すことにした。

 それより、この男がネットで見ていたサイトが気になる。


 もしかしてあれがメデューサへと通ずるサイトなんじゃないか?

 ちょっと戻って画面を写真で取る。

 画面には一つの頭からヘビがワラワラとうねっているような画像が表示されていた。


 これを雅人さんに見せれば何かわかるかもしれない。


「お疲れ様です! 大丈夫でしたか⁉」


 駆けつけた警察官に心配されてしまった。

 顔面の腫れは明らかに殴られた跡だったからだろう。


「あっ。結束バンドで縛られましたけど、それで動けなくなる程ヤワじゃないんで。これは大人しく殴られてた間の傷です」


「……そうですか。警護会社の人って凄いんですね」


 なんか凄い異常者を見るような目で見られた。

 心外だなぁと思いながらも、にこやかに笑いかける。


「いやいや。警察の方程ではないですよ」


「いえいえ! お疲れ様です! コイツは預かります! 実は相談を受けてたんですが、なかなか居場所が分からなかったんですよ。助かりました」


 住んでたのは空き家のはずの廃屋だったみたい。発電機を持ち込んでパソコンなどを弄っていたようだ。


 だから、見つけるの手こずったのかな。


「いえいえ! お疲れ様です!」


 去っていく警察。

 ここ最近は魔法者だけ集めた精鋭部隊を設立したそうだ。

 魔法者戦闘部隊。通称MCTマクトというものらしい。


 僕が最近知ったメデューサを追っているが、手掛かりが掴めていないんだとか。奴らはテロ、暗殺組織だから警察の敵対勢力みたいなもの。


 警察を見送ると帰路に着く。

 ララさんは念の為もう少し様子を見るそうだ。

 依頼人と仲良くなって楽しいんだって。


 僕はというと、護さんの前にいた。


「亮さ……なんでエレナさんが、亮のGPSを探知できるわけ?」


「あー。……すみません。実は前に一緒に泊まった時、勝手にアプリ入れられちゃったみたいで、家も知られちゃって……」


「はぁ。依頼人とは関係持っちゃダメだぞ? 面倒なことになるからさぁ」


 護さんは頭を抱えながら机に突っ伏した。


「まぁなぁ。プライベートって言われりゃ何も言えねぇけどさぁ」


 顔を突っ伏しながら喋りだした。


「でもよぉ。相手はキャバ嬢だぞ? 客に一緒にいられるところを見られたりしたら……」


「あー。護衛してるってことにすればいいんじゃないですかね?」


 僕は苦し紛れに適当な案を出してみた。

 すると、頭をガバッと上げて笑っている。


「それだ! そうすりゃいいな! よしよしっ! 今回のことは不問としようか。ガッハッハッ!」


 なんだか上機嫌になった。


「しっかし羨ましいな。依頼受けた時にあったけど、相当な上玉だろ?」


「ちょっと束縛がヤバそうですけどね。でも、休みの日は楽しくなりました。ただ、怖いんです。失うのが……」


「亮は過去に失った経験があるからそう思うんだろうな。ただな、今の亮は漆黒級。俺達の中で恐らく一番強くなる要素がある。この業界ではウチより戦える所はないと言われているぞ?」


「そう……なんですね。じゃあ、自信もっていいんですかね……」

 

「自信持てよ! まだまだこれから経験積めばもっと強くなれるぞ! 魔法者蹴散らして最強になれよ!」


「はい。僕、もっと強くなります。強くなったら、きっと……」


「ん? なんだ?」


「あっ、いや。なんでもありません」


 護さんへ向けて強くなる宣言をし、余計なことを口走りそうになってしまった。後ろにいた伴さんは微笑んでくれている。


「あれ? そういえば伴さんどうやってあの家の壁ぶち抜いたんですか?」


「エクスプロージョンさ。爆発を起こしたんだ」


「えっ? もしかして……」


「あぁ? オレは魔法者だぞ?」


 こんなマッチョの魔法者に勝てるかよ!

 反則だそんなの!


「ハッハッハッ! 最強の壁は高いな? 亮?」


「くっ……」


 分かってて言ったんだな!

 くそっ!

 強くなってやるんだから!

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