第9話:米派の逆襲、宣戦布告
〇パン教本部・管制塔 (不気味な重低音。世界中のパン屋から発信される「洗脳電波(イースト波)」のノイズ音)
あかり(配信中):「……親愛なるリスナー、そして全人類の皆さん。ついに『黄金の夜明け』が来ます。今この瞬間から、世界中の炊飯器をパン焼き機へ書き換えます。もう、硬い米粒を噛み締めて涙を流す必要はありません。さあ、私と一緒に、ふわふわの多幸感へ溶けていきましょう……」
〇米派・地下アジト (無数のモニターが並び、米派の戦士たちが忙しく動く音)
彼:「(無線機を掴み)……させるかよ。あかり、あんたの独裁もここまでだ」
(モニターの映像が、彼の姿にジャックされる)
あかり:「(驚き、しかし嬉しそうに)……あら。逃げ出した『焼き損ね』の彼じゃない。まだお米なんていう、時代遅れの種子に執着しているの?」
彼:「ああ、そうだ。あんたは『パンになれば悩みも争いもない』なんて言うが、それはただの思考停止だ! 自分の足で立ち、一粒一粒が意志を持って噛みしめられる……それが人間だ! 米派は、あんたの『全人類パン化計画』を断固拒否する!」
あかり:「(冷たく笑う)……ふふ。威勢がいいわね。でも、世界はもう小麦色の香りに包まれている。あなたの抵抗なんて、ただの『焦げカス』に過ぎないわ」
彼:「(力強く宣言する)……明日、教団本部の巨大オーブン前で決着をつけよう。俺は、日本中の、いや世界中の農家のプライドを背負ってあんたを討つ! パン教よ、食らえ! これが……米派の宣戦布告だ!!」
(彼の合図と共に、世界中のパン教の看板が「おにぎり」のホログラムで上書きされる音)
あかり:「……いいわ。最高に歯ごたえのある結末を用意して待っているわね、私の愛しい……反逆者さん」
彼(M):あかり。あんたを救い出すのは、パンじゃない。俺の魂がこもった、究極の……一膳だ!




