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第7話:潜入、パン化の儀式

〇パン教・大聖堂「最終発酵の間」 (巨大な蒸気の音。信者たちの意識が朦朧とした、幸せそうなうめき声が響く)


彼(M):(信者の白い法衣を纏い、身を潜めている) 「……なんてことだ。ここは教会じゃない、巨大な発酵室だ。……あそこに並んでいる信者たち、肌が白く粉を吹いて、まるで……。あかりは本気なんだ。全人類をパンに変えて、悩みも争いもない『ふわふわした救い』の中に閉じ込めるつもりなんだ」


あかり(演壇の上から、圧倒的なカリスマ性で): 「……皆さん、おめでとう。あなたたちの精神こころは十分に膨らみました。もう重い肉体という『個』に縛られる必要はありません。今こそ、一斤のパンとして生まれ変わるのです!」


信者たち(トランス状態で):「パンになりたい……。白く、温かく、ただ焼かれたい……」


彼(M):「(震えながら)……狂ってる。あかり、あんたはとんでもない化け物だ。……よし、今のうちにこの奥にあるという『聖なる酵母(秘密兵器)』のデータを盗み出して……」


〇聖堂の回廊 (足音を殺して走る彼。背後から冷たい気配)


あかり:「……どこへ行くの? 私の可愛い『中種なかだね』さん」


彼:「(息が止まる)……っ! ……き、教祖様」


あかり:「(ゆっくりと近づき、彼の首筋の匂いを嗅ぐ)……変ね。私の教徒たちはみんな、甘いイーストの香りがするのに。……あなたからは、微かに『炊き立ての米』の匂いがするわ。……それも、芯までしっかり硬い、意志の強そうな米の匂いが」


彼:「……それは、その……修行が足りないせいで……」


あかり:「(低く、愉悦に満ちた声で)隠しても無駄よ。……あなたのその目。私のパンに貫かれたあの日から、少しも変わっていない。……やっと帰ってきたのね、彼。私の手で、直接パンにしてほしくて」


彼(M):……しまっ……! 正体を見抜かれていたのか!?


あかり:「捕らえなさい! この生地、まだ不純物が混ざっているわ。……最高温度で、徹底的に『焼き入れ』をしてあげましょう」


彼:「(取り押さえられながら)……離せ! あかり、目を覚ませ! 人間はパンじゃない、おにぎりを食う生き物なんだーーー!!」

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