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俺は彼女とふたりでほっこりする時間がとても愛おしい時間だと思う!

作者: 七瀬




俺は彼女とふたりでほっこりする時間がとても愛おしい時間だと思う!




今から丁度、20年前に俺は彼女と結婚する。

いつも俺を支えてくれる妻に俺は、”プロポーズもせず”籍を入れた。

その事を今でも妻は根に持っているのか?

俺によくこう言うんだ!

”私! 貴方にプロポーズしてもらってないよね?”

俺はその言葉を妻から聞くたびに、肩身の狭い思いをする。

そんな時、俺達の息子が彼女にプロポーズしたというLINEが送られてくる。

また妻が俺の隣でこう言ってきた。

”いいな~プロポーズしてもらって! 私もされたかったな~。”

“・・・・・・”


・・・何にも言えない俺を妻はまたこうやって言葉攻めてくる。

”なんで私にプロポーズしてくれなかったの?”



・・・だよな、でも今更だと俺は妻にプロポーズする気はなかった。

でも? ある日、病気もした事がない妻が突然倒れてそのまま救急車

で病院に運ばれる。

”脳梗塞だった。”

医者はマヒが残るかもしれないと俺に言った。

もしくは? 後遺症が残るとも、、、。

だが妻は完全に元の状態に戻りまた仕事に復帰する!

”俺はあの時、妻を失うかもしれない恐怖を覚えた。”

これは! 絶対に妻にプロポーズしないといけないんだと決意する!

俺は結婚20周年の記念日に、夜景が見えるキレイなレストランを予約して、

お互い少しお洒落した格好で妻に指輪のプレゼントを渡す。

そしてそこで99本の赤いバラの花束を妻に渡し、プロポーズするという

流れの計画を立てた。

息子にも協力してもらい、指輪と赤い99本のバラの花束を息子にお店まで

持って来てもらう事にした。




『“明日、何の日か分かる?”』

『“勿論! 20周年の結婚記念日よね。”』

『そう!』

『何か考えてくれてるの?』

『まあね~』

『じゃあ、楽しみにしてるわね。』

『うん。』






 *







・・・次の日、妻と夕食は俺が先に予約していた夜景が見えるお店に

車で妻を連れて行く。

このお店は? ”俺が初めて妻をデートに連れてい行ったお店。”

ふたりの想い出の場所だ!

そこから二人の記念日は、このお店でお祝いするのが決まりになっていた。

でも今日は違う!

”俺が初めて妻にプロポーズする日だ! 緊張の日!”

俺は結婚20周年の記念日の1年前から妻にどんな言葉でプロポーズするか

ずっと考え続けていた。

妻が喜んでくれるようなプロポーズ。

俺の場合既に? ”妻と籍を入れて20年が経っている。”

子供も巣立って、息子は彼女に俺より先にプロポーズしている状態!

俺より先輩の息子に、どんなプロポーズをしたらいいか相談も何回もしていた。

 



『“親父? マジかよ、なんでオカンにプロポーズしてないの?”』

『・・・あ、あの時は成り行きで先に籍を入れて、もう母さんのお腹の中

にはお前も居たんだぞ!』

『“自慢げに言うなよ! オカンが可愛そうじゃん!”』

『でも? なんて言ったらいいのか分からんのだ!』

『”結婚してくださいはおかしいしよな、既に結婚してるし......。』

『“母さん! 俺のプロポーズ受け入れてくれるかな?”』

『何の心配? どんな言葉でも受け入れてくれるよ。』

『・・・そ、そうだよな、そうだ! そうだ!』

『自分に自信を持てって!』

『腹立つな~!』

『オレでも嫁にプロポーズしたぞ!』

『・・・・・・』

『で? 何て言うの?』

『まだ、何を言うか決めてない!』

『“もう1週間しかないのに、、、?”』

『手紙を書くか?』

『それいいな! そうしたら。』

『そうだな、手紙にしよう!』

『うん! オカン、喜ぶよ! 泣くかもな~。』

『泣かしたいけどな。』

『頑張れ親父!』

『あぁ!』






・・・俺は普段妻に言わない事を手紙にして渡すことにした。

まあ、妻の居る目の前で手紙を読む形を取るのだが。

ちゃんと最後まで読めるか心配でならない!

途中で泣いたりしないか? 緊張で読んでて噛まないか?

それでも今の俺の気持ちを妻に伝えたい!







 *






そして妻と食事をしながら夜景を見て、その後用意していた

”指輪と99本のバラの花束を手渡しで妻に渡す。”

息子と息子の嫁もココで合流する。


遂にこの時間がやって来た、”妻に俺はプロポーズの手紙を読み始める!”



・・・最初に、結婚20周年おめでとう!

長い間、俺と一緒に居てくれて、俺を支えてくれて洋子には感謝している。

それと、




妻に感謝の気持ちと最後に、プロポーズをした。

妻は少し目をウルウルさせながら俺のプロポーズを聞いている。

これからもずっと俺は妻と一緒に生きていきたい。

”俺は妻とふたりでほっこりする時間がとても愛おしい時間だと思う!”

この時間が何よりもかけがえのない時間だと思っているからだ。

お互い少しでも長く生きられたらいいなと。

でも? 俺より先に逝くなよって妻には、はっきり言っているんだけどな。


最後まで読んでいただいてありがとうございます。

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