第一話 波乱な正門前
※誤字があったらすみません。
2025年春
桜は咲き、温かく心地いい日差しに照らされながら俺、緑原大地は。
今日、新たな生活が始まる。
歩きなれない通学路を早歩きで進んでいくと、進学先である虹光学園が見えてきた。
虹光学園は、静岡県富士市にある、偏差値60くらいの至って普通の私立高校である。
辺りには森や川が広がっていて、鳥のさえずりがよく聞こえてくる、俺はそのような風景に目を光らせていた。
そう、俺がこの虹光学園に進学した目的がそれである。この学園でのスローガンを立てるとしたら。
「自然を満喫し、幸せに暮らす」
である。
え?それだけ?っと思った人もいるだろうが、俺にとってはそれが憧れであり夢であった。
だって自然って最高じゃあないか!空気は美味い!水道水も美味い!家賃は安い!最高の景色!それだけで自然が最高だと言えるだろう。
そうこう考えているうちに虹光学園の正門までやってきていた。
あと一歩踏み入れれば、本格的に俺の新たな生活がスタートすると思うと、ワクワクとドキドキで弾けそうになる。
そう期待を膨らませて一歩を踏み出そうとすると。
「キャーー!!助けて!!」
と女の子の叫び声が聞こえてきた。
ふと振り返り声の元の方を見ると、1人の生徒が1.5mはあるであろうイノシシに襲われそうになっていたのである。
初めて野生のイノシシを見たが迫力が凄まじい、あの牙が体に刺さったらと思うと、さっきまで自然=最高だったのが一瞬にして自然=恐怖へと変わっていってしまった。
いやそうこう言っている暇はない、女の子が絶体絶命のピンチである。
待てよ…ここで俺が完璧にイノシシを撃退できれば、学園の皆からの信頼があつくなり、あわよくば助けた子とそのまま仲良くなれるチャンスではないか!
そう思った途端、俺の体は勝手に動いていた。
そして女の子を庇うように前に立ち、手を大きく広げ、体を大きく見せた。
動物には自分の方が大きいということを見せつければ、怖がってどっかに行くとなんかの本に書いてあった気がしたためそれを実行した。
数十秒間の沈黙が続いた、すると、イノシシは諦めたのか、山の奥に去っていった。
俺は思わずガッツポーズをした。
そしてすかさず女の子の方に駆け寄り。
「大丈夫かい?」
と声をかけた、すると女の子は
「ありがとう!お陰で助かった♡」
っと感謝を伝えてくれた。
あれ?女の子の声ってこんなに低かったっけ?
そう思った矢先、その女の子の顔を見てみたら…オカマだった。
俺は正直ガッカリした。
可愛い女の子とお近づきになれるかもと期待した数分前の俺を殴ってやりたいと心から思った。
それにしてもなぜ俺はオカマが叫んだ時に男だと気が付かなかったのだろうか?
家に帰ったらすぐに耳鼻科に行こうと決めた瞬間であった。
「そんなことよりも早くしないと入学初日に遅刻してしまう!急がないと!」
俺は自分の腕時計を見て、校舎へと走りだした。
一方その後ろには、一部始終を見ていた3人の女子生徒がいた。
「すげーとこ見ちゃったな」
「だねーなんかドラマみたいだった」
「あの人結構かっこいいじゃん…」
「何ぼーっとしてんの埜乃、早くしないと遅刻しちゃうよ?」
「う、うん!急ごう!」
こうして彼の学校生活は始まるのであった。
初めて小説書きましたけどめっちゃ楽しい!
これからよろしくお願いします!
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