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商人ネリル

第21話です!

「おーホンマに二人で仲良くしてるやん」


 学外授業も終わり学校に戻ってきたイルミとコーデリアに声を掛ける人物。特徴的な喋り方で誰が話し掛けてきたのが誰かすぐに分かる。


「なんだネリルか」


「なんだってえらい言いようやなイルミ君。せっかく今度のタッグマッチの情報教えたろうと思ったのに、なぁ、リアちゃん」


「ネリル今日はどうしたの?」


 コーデリアとネリルはどうやら知り合いのようであった。今の会話の中でイルミはある事に気付く。


「あれ、昨日仲が良いって言ってたのってネリルの事?」


 「リアでいい。仲の良いは皆そう呼んでる」と昨日口にしていた事を思い出す。


「なんやリアちゃん、ウチの事、仲ええと思っててくれてたん? 嬉しいわぁ」


 というネリルの口ぶりからして、ネリル自身はそこまで仲がいいと思ってないように思えた。


「ネリルは友達」


 少し自慢げにコーデリアは話しているようにイルミには聞こえる。


「で、実際はどうなんだ?」


「何を疑ってんねんイルミ君。友達に決まってるやん。強い人とは誰とでも仲良くしたいやろ」


「結局、お前の銭勘定じゃねえかよ……」


 校内での情報収集に余念がないネリル。特に強い生徒との交流は積極的にしているようである。


 ネリルのコミュニケーション能力を考えれば確かにコーデリアとも仲良く出来るのも納得のイルミであった。


「それで何を聞きに来たんだよネリル?」


「投げやりにならんといてや、なんか寂しいやん。いや、イルミ君とリアちゃんがタッグマッチ組むとは思うてなかったからなぁ。やっぱ学校の情報通としては二人がどんな感じか知りたいやん?」


「どうせ、またギャンブルの為だろ?」


「何を言うてんねん。そんなん当たり前やろ」


 堂々と開き直るネリル。相変わらず賭け事に目がないようであった。


「お前も出ればいいだろ? 親父が豪華な優勝賞品があるって言ってたぞ」


「まぁ優勝賞品にはちぃとは興味あるけど、まずあんたら二人に勝てる気がせんからなぁ。大人しく観戦しとこって感じやな。ウチは冒険者よりも一商人やからイベントに出るよりも見てる方が性に合ってるわ」


「なんでこの学校に入学したんだよ、お前」


「商人に革命を起こすためやって、何度も言うてるやろ。あの頭の固い商人連中の鼻っ柱折ったんねん。アイツらまだ自分らに商人の職業ステータスがない事を誇りに持って別の職業ステータスを取らない非効率的な考えしよって! 何が俺達は頭だけでのし上がったやねん。そんな誇りいらんねん」


「落ち着けネリル。リアが困惑してるから」


 急に口悪く饒舌になったネリルに驚いて固まるコーデリア。イルミは聞き慣れているのか特に動じた様子もない。


「あーごめんリアちゃん。取り乱してもうたわ。商人界隈の事を話すとちょっと熱なってまうんよ」


 商人という職はあるが、【商人】というステータスがあるわけではない。その為商人達は自分の頭のみで成り上がったという自負がある彼らは他の職業ステータスを持っているのは甘えという風習がネリルの出身である地域にはあるようで、ネリルはそれを否定したいようであった。                                            

「大丈夫、私はどんなネリルでも受け入れる」


「いやまぁ、そこまでは思わんでもええんやけどな……」


 今度はネリルの方が困惑する側となる。


「それでどんな感じなんお二人さんは? 一緒に居るとこなんて、この学校に入ってから一度もなかったやん。どういう風の吹き回しなん?」


「えーっと……」


 いい加減に言い訳の一つも考えても良さそうなものだが、イルミは口ごもってしまう。


「なんや、言えへんような事情があるんかいな。見るからに怪しいから何かはあるとは思うてたけど。正直、自分ら付き合ってるとか噂があちらこちらで立ってるで。二人の親戚が昔一緒に戦ってたやろ? それで実は許嫁やったんちゃうか? みたいな噂」


 根も葉もない噂ではあるが、学校で1番優等生と劣等生とされる二人が一緒にいるのだ。話題の的にするには十分すぎる要素であった。


「皆、噂好き」


 他人事のように言っているが、そもそも、コーデリアが余計な事を口にしていた事も原因の一つのように思うイルミはその反応に難しい顔をする。


「まぁ、二人が組んでる理由はこの際、聞かんといたるけど、現状だけでも教えてえな」


 言うほどイルミとコーデリアが組んでいる理由に興味がないのか、イベントに関する情報をネリルは求める。


「どうって言われても、昨日会ったばかりだし。特に何か言える事もないけど」


「イルミの料理は美味しい」


 思わず「えっ」と言ってしまうイルミ。


「なんや自分らやっぱり、そういう関係かいな。ウチとしてはイベントに向けての情報が欲しかったんやけど……まぁそれはそれでオモロい情報やな――どない使うたろうかな」


「おい、辞めろ。ウチのバイト先で賄い食っただけでそれ以上は何もないからな」


「ん? イルミ君とこのバイト先って住み込みで働いてなかったっけ? て事は同棲……?」


「昨日は一緒に夜の勉強をした」


「もうワザとだよな!?」


 急いでメモを取るネリルを「ホントに辞めろ」と言って必死に止めるイルミ。


「冗談やてイルミ君。分かってるから。とりあえず、シャミアちゃんには黙っといたるわ。代わりに今度の学食で驕ってな」


「殆ど脅迫じゃねえかよそれ……」


 普段ならそんなネリルの戯言は無視するのだが今のシャミアにコーデリアと関係性をほのめかす事を伝えられる事を危険だと判断するイルミは「わかったよ」としぶしぶ了解するのであった。


「そしたら、ホンマに二人は昨日初めて会ったみたいやなぁ。ちゅう事はコンビとしてはまだまだって所なんかな? 実力は申し分ないやろうけど優勝候補はあの子らにちょっと傾くか」


「あの子ら?」


 コーデリアはもちろんの事、イルミの事を過小評価していないネリルがこのコンビと同等以上のコンビが存在している事にイルミは少し驚く。


「シャミアちゃんとレオン君。あの子ら普段はいがみ合ってるけど意外と仲はええからな」


読んで頂きありがとうございます!毎日21時に投稿しているのでブックマークを押して頂けると嬉しいです!またYouTube『熱き漢たかの熱唱熱遊ch』にてゲーム実況をしていますので良ければ遊びに来てください!

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