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ー謝罪ー 俺のメイドはぶきっちょだった

お久しぶりでございます。箱宮怜でございます。次話投稿がなかなかできずもどかしい日々を送っておりました。今回の話はギャグ要素は少なめな気がします。でも面白いと思います(自分で言うのはどうかと思いますが)

   彼女は俺に言った。才能がゼロ(ゼロアビリティ)なのだとーーーーー


「私は、最初から伝えていたはずですよ。貴方は才能がゼロのゼロ才(ゼロアビリティ)だと」

誰がわかるだろうか。年の話をしていると思っていたのに、才能がゼロという重大な話だったことを。転生者には必ず一つは才能が与えられるはずではなかったのか?

「ご主人さまの仰る通り、転生者には必ず才能が与えられます」

「じゃあなんで俺にはないんだ!」

「貴方は転生するべくしてしてきた者ではないからです。本当に転生するべきだった人は貴方が助けた人でした」

選ばれし者だけが与えられるってことか… この世界でも俺は平凡なんだなぁ。転生したんだからくれたっていいだろうに…

「悲しまないでください

                    悲しむ?なぜ俺が悲しむ必要がある?

            これに関しては仕方がないことです」

元々才能があったやつが喚くのは分かる。無いやつが喚くのは無いものねだりに等しい。今あるものに目を向けるほうが余程有意義である。  ふっふふふふ  ふふっ

「そんなにかなs…

「ふははははははっははは! 案ずるな、アビスよぉ。俺はなんとも思ってない。気にするなぁ」

「左様でしたか」

「言っただろ?何やってもダメかもしれないけど、俺なりに努力するって。心配をかけたな、すまない」

「ご主人さま… 」

「さあ、特訓の続きをしようじゃないか」


次は〈技術〉の特訓だった。正直、指先は器用ではないので辛いかなぁなんて思ってたけど…意外とたのしいなぁ!(上手とは言ってない)

放課後、教室に残されてミシンで縫っていたあの頃を思い出す…授業では全くできなかったのに、放課後はなぜか一番速く縫い終わるという謎の実力を見せつけた。ゾーンとやらに入っていたのかもしれない。

「裁縫って楽しいんだな!ミシン使ったの小学生のときのエプロン作り以来だよ!ちなみに柄は黒地にホワイトドラゴンだったなぁ。懐かしいよ」

「ダサっさ… あっ、すみません」

「別に、、いいよ、、、(気にしてなんか無いし、小学生ってああいう柄すきじゃん。ことごとく俺も大好きだったし、裁縫道具だって大きく「龍」って漢字で書かれたやつ使ってたし… もしかして黒歴史?)」

「気にしてるときの間がありましたけど…」

「だから別にいいってば」

前世のことなんてもうどうでもいい…今生きている世界を大切にしたい。失ったものは戻ってこないんだから…

「……アビス、、お前…もしかして不器用なのか?」

ギクリ

無理して見栄を張らなくてもいいのに、、、誰にだって得意不得意がある。それはどうしようもない事実である。だから原始時代から分業がされてきたのだ。狩りをするのが得意なやつ、農業が得意なやつ、魚釣りが得意なやつ…

このメイドは、、、、めっちゃ強いやつ…

「何とおっしゃりました?不器用…?人には言っていいことと言ってはいけないことがあります。その見極めをしっかりできるようになりましょうね」

なんでこんなに怒られないといけないの…?もしかして地雷、踏んじゃった?


木々の隙間からこぼれ落ちる光に心がふわふわしている俺。

鬼の形相で裁縫をするメイド。


…どういう状況?


一本の木に寄りかかりながらなんにも考えず、空を見上げていた。木を挟んだ向こう側にはアビスが木に寄りかかって裁縫をしている。

「悪いのはご主人さまですからね」

ビクッ 喋った!もう喋ってくれないかと思ってた、が、こんなこと言われるくらいなら喋ってくれなくてもいいかな… でも傷つけてしまったことには変わりない。謝るという行為は人間関係の構築の上、必要になってくる。まだこのメイドと出会って日が浅すぎる。引くところは引かないとな…

「アビス…ごめんな、こんなことになるとは思ってなかったんだ。不器用だって言われるのがこんなにも君を傷つけてしまうとは、、ごめんなさい、、もうアビスの嫌なことはしないから、、絶対、」

そっぽを向いているアビス。許してくれないだろうか。

「申し訳ございません…私も過剰に反応しすぎました。『不器用』という言葉が少々トラウマでして…」

そうだったのか、、なんてことを言わせてしまったんだ…こういうのは俺が察してあげなければいけないのに、

「そうか…だが、悪いのアビスではなく、人の気持ちを考えなかった俺だ。だから…」

ギュ…

「え…」

驚くアビス。イヤだったら突き飛ばしてくれ…

「イヤなことはイヤと言ってくれ、全部、全部、俺がどうにかするから…」

アビスはそっと俺の背中に腕をまわして抱きしめ返してくれた。

空は晴れて、風が花の香りを運んでくる。 

水たまりに水が落ちる音がした…


「イヤなことなんて無いはずなんです。一回もイヤだなんて言ったこと無いんですもん。イヤだという気持ちもわからないです。でもご主人さまに出会って、イヤだを初めて言語化しました」

ちょっとまって、それって俺がめっちゃイヤなやつみたいじゃん…

「イヤって言っていいって…イヤなことを無くしてくれるなんて言ってくれたのはご主人さまが初めてです」

そんなにイヤなことがあったのか、、こいつは俺が守る…この屋敷に来る前の記憶を消し去るくらい楽しい人生にしてやる。消すことはできなくとも、一瞬でもいいから忘れることができるよう、絶対に、絶対に、、

「こんな話つまらないですよね、、本当は話すつもりなんて無かったんですけど、なんか話しちゃいました」

「やっと年相応の話し方ができるようになったな!」

しまった…みたいな顔をしているメイド。そんなに絶望した顔なんてしなくてもいいのに

「申し訳ございませんでしたっっ。これは、、その、、違うんですっ、今までのことは無かったことにしてください」

そんなに必死になることだろうか…なにか裏があるんじゃないかと疑ってしまう。

「どうしてそんなこと言うんだ?俺としては嬉しかったんだけど」

言うか言わないか迷ってますみたいに、眉がどんどん下がっていく。

「そんなに言いたくないなら…」

「敬語じゃないとダメなんですっ。敬語じゃないと自分が傷ついてしまうから…」

泣き出すアビス。

「自分から話してくれるその時までいつまでも待つよ…」

俺的には距離が縮まった気がした。それを喜んでいるのは俺だけかもしれないけど…

「ご主人さまは優しいです、こんなに歩み寄ってくれる人は久しぶりです」

久しぶりというのは、、おっといけない、、見たことも会ったこともない人に嫉妬するとこだった。

「ご主人さまのためにも、もっとうまく教えられるように努力します!!」

元気になったアビスは、すごい勢いで裁縫を再開した。 あっ、針が指に刺さって痛がっている。おっちょこちょいだなぁ。そういうところが庇護欲を掻き立てるのをこの最強メイドはわかっているのかね、


ガサガサ ガサガサ     バサバサッ

木が揺れ、カラスが一斉に飛び立つ。誰かいる…


「アビス…」

「もう気づいております、、あれはーーーー」

「『犬』ですね」

ワフッ ワオン クゥン

俺の顔をベロベロと舐めてくる、人懐っこい犬っころだな。なんか硬いものが当たって痛いんですけど、

「なんかこいつの首に首輪らしきものがあるけどーーーーーー」

ピッピッピッーー ドッカン

「お怪我はありませんか?」

「あぁ、アビスが守ってくれたから無傷だ」

俺は一人じゃ何もできない赤ちゃんということを忘れていた。今、アビスが庇ってくれなければ今頃…

考えたくもないな。

「この犬…どこから来たんだ?今の爆発で犬の首が吹っ飛んだりしてたらトラウマもんなんだけど」

ワンッ!

犬は無事らしい。いまの衝撃で無傷ってどういうことなん。どんだけ強い犬なん。その強さ分けて欲しい。

ふと空を見上げるとひらひらと謎の紙切れが落ちてきた。小ジャンプからの紙をキャッチし、たどたどしく読んでみると、

『お前は選ばれし者ではない』

わかってますけど。

「なんて書いてありますか?ちょっと貸してくださいっ、、、そういうことか…仕方ないですね」

まだ読み終わってないのに…たまに強引なときがあるんだよなぁ。まあアビスにしかわからないこともあるよね。

「その犬飼いましょうか…」

急にどうしたの?!犬?別に構わないけれど、、、急だなぁ

「いいけど、その紙にはなんれ書かれていたの?この犬を育てて欲しいだそうです」

そんなこと書かれていたっけ、、よく読めてないけど、絶対書かれてない。絶対はないのか…

「よし飼おう!名前は…」

ご主人さまが決めてくださいとアビス。俺にはネーミングセンスがないのだが、、(アビスはいい名前だと思っている)

「テーゼ」

人には皆やるべきことがある。犬にも同じだと思っている。それを一緒に探していこう。

「中二病臭い名前ですね。まあ何事にも意味を持たせるのがご主人さまなので私は何も言いません」

賛成ということでいいのかな。まあいいだろう。俺はご主人さまだ…

「よろしくなっ、 って痛った!なんで噛むんだよ!!飼い主を噛む犬がいるかよ」

「飼い主になってから1分も経っていません」

庭でアビスとテーゼがじゃれ合って遊んでいる。この幸せを守るのが俺の努めである。もう何も壊させない。


ピーピーピー おい犬、聞こえているか、犬きこえーーーーーー

「なんか言ったかアビス。今なにか聞こえた気がしたんだが、、」

疲れているのだと言われ、家の中に連れられてしまった…幻聴か…本当になにか聞こえたのに、、

いかがでしたでしょうか。うまく書けたのではないかと自画自賛しております。一話一話の話が長いほうが読み応えがあっていいかなと思いまして、長く書いてみました。もしお時間ありましたら、評価・感想等よろしいくお願いいたします。頑張る力になります。誤字脱字が多いので報告してくださるとありがたいです。次回もお楽しみに♪

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