ー転生ー 俺のメイドは最強だった
はじめまして!霜霧と申します。転生系となっております。まだ戦闘の描写はありませんが、後々書いていきたいと思っています。
生まれました。俺氏再来でございます。程よく整った顔をした俺。なぜ転生したことを知っていたかというと、転生する瞬間変な男に刺されたときに男に言われたから。「転生するのはお前ではなかったはずだ」と。その時は何の話かわからなかったけれど。今となってはわかる。わかりざるおえないよね。優しいお母さんとお父さん。前世と同じくらい幸せかもしれん。前世もいいお母さんとお父さんだった。あまりにも平凡すぎる俺だったのでなんだか申し訳ない気持ちでいっぱいだったことを思い出した。悲しいお気持ちです。まあこれに関しては誰も悪くないのでどうしようもないのである。考えるのも無駄だ。無駄なことをしている時間が一番楽しいとか思ってた中学時代だったが、否、今となっては楽しいと思えなくなってしまった。大人になるということはこういうことを指すのかもしれない。
さて問題です。
Q,なぜ俺は転生したのでしょうか。少し考えて見てください。答えを言いますよ?いいですか?
A,殺されたからです。俺は殺されました。普通に歩いていたら横の人が刺されそうになってて、へっ?なんで?!っとか思ってたら、急に押されて俺が刺され、死にました。無念です。まだ生きたかったなぁなんて思う暇もなく、生まれました。このスピード感いいですねぇ〜。俺を刺した男はこう言いました。
「転生するのはお前ではなかったはずだ」と。どういう意味ですか?誰か教えて下さい。俺だってこう言ってやりたかった、「俺も今死ぬはずじゃなかった」と。ちなみに、俺の走馬灯は、幼い俺がいた。第三者目線になれる機会が来るとは思わなかったが、来てしまった。俺は、いかにもって感じで平凡の極みだった。モブZくらいの。一個気になったことがある。第三者の俺の目線がおかしいんだよね。俺の後ばっかりついて歩いて、俺が立ち止まったら止まるし、歩き始めたら歩くし、なんか気持ち悪い。そういう走馬灯もあるんだなぁと一つ勉強になったところで、便意が……きて…しまった、、子供の頃はまだ自我が無く、何が汚いとか TPOってなに?とかそんなんだけど、今の俺は一味違うんだよ。頭脳は大人のままなんだよね。ふふっ、、レベルが高すぎて困っちゃうよ〜
思う存分赤ちゃんを満喫してやるゾ〜‼‼
ふぅ、一通りのエケちゃんイベントをクリア。順調である(なんか前世よりも変態さが増してる気がするのは俺だけだろうか、って転生してきたことを知ってるのは俺だけだったわww)
???「お待ちしておりました」
「ば…ばぶ?」
「情報を開示しろとの伝達が下りましたのでお伝えします。あなたは転生しました」
「知ってるばぶゥ〜 殺されたときに男に言われたばぶ!」
「左様でございましたか。このようなことは滅多にないのですが、転生するはずだった人ではない人が転生する事例は初でございます。人類史上初。おめでとうございます」
「ありがt、、っておめでとうじゃないだろー‼‼」
「すみませんっすみませんっ申し訳ございませんっすみませんすみませんすんません…
「…そんなに怒ってないよ」
「それはよかったです」
感情の起伏が激しいやつだな。キライじゃないぜ。
「それではお聞きします。この世界になぜ生まれてきたかご存知でしょうか」
「知らないけど、どうしてここに生まれてきたか知ってるのか!教えてくれっ」
「赤ちゃんキャラ崩れてますよww」
「うるさいばぶっヽ(`Д´)ノプンプン」
「あなたは、この世界でいう主人公ポジションでございます。端的に言わせていただきますと、勇者です」
勇者!?キターーー!!平凡から勇者にレベルアップした!
「喜んでいられるのも今のうちですよ。辛い辛い試験が待っているのですから…計12回の勇者試験をクリアすべく全世界から勇者の卵たちが集まってきます。今年度の試験開催場所はここ、サクリファイスとなっております。ちなみに勇者には転生者でなければなれません。選ばれし者だけがなれます」
まだ赤ちゃんなんですけど…そこんところどうなってるんですかね、、しかも転生者だけという条件付き。転生者には特殊な能力が与えられるそうだ。
「ご心配なく、ゼロ才のあなたでも受けれます。よかったですね!」
「そうなのか?他の勇者の卵たちは何歳くらいなんだ?まさか皆赤ちゃんなわけないよなw」
「皆あかちゃんですよ」
「嘘だっ‼‼」
「嘘です♡」
意味のない嘘をつくんじゃない。嘘つきは銀行強盗の始まりなんだぞ?
「…本当のところはどうなんだ?」
「年齢にはばらつきがありますね。最近は若い人が増えてきたみたいです」
…若いね、、俺と同じように殺された人が沢山いるってことか、、この世界は残酷だ。死にたくて死んだわけではない者たち、一回絶望を知った者がこの世界に来て勇者を目指す?無理に決まっているだろうに。救われなかった人間が救いを求めている人間を救えるだろうか。救えなかったからこそ救おうと思えるだろうか。俺はそんなにできた人ではないのでそうは思えない。だが一つ言えることがある。俺は一人の命を救ったということだ。その事実だけは変わらない。
「そんな悲しい顔しないでください…」
「すまない、、つい考えすぎてしまった…」
「あかちゃーん!!まんまのじかんですよぉー!」
やべっ母さんだ。泣かないと、、泣かないとなんて思う日が来るとはww誠に滑稽なりw
「赤ちゃんも大変ですねw」
「バカにしてるだろ!」
してないしてないと笑いなれていないのだろう、不気味な笑顔を浮かべながら部屋を出ていってしまった。
「はーい♡まんまですよ〜♡あーんしてあ〜〜ん」
むぐっ、、もちゅもちゅ、、味うっす
「おいちいでちゅか〜?」
「キャッキャッ!」
かわい〜♡と俺を撫でくりまわす母さん。こんな生活が続くのかぁ。
最高じゃないか!!(ちな、赤ちゃんプレイが好きなわけではない)
勇者目指して頑張るかーーー
「おはようございます」
今何時だと思ってるの?五時だよ?赤ちゃんって昼まで寝てるんじゃないの?
「何寝ぼけてるんですか、貴方様は勇者の卵ですよ?特訓しなければなりません」
「特訓ってどんなことをするの?」
〈知識〉〈体力〉〈技術〉の特訓だそうだ。まずは知識かららしい。数学の最高得点は65点だし、歴史は分かるけど地理が分かんないし、国語の読み取りもできないし、英語とか喋れないし、書けないし、動詞がどこにあるかもわからないけど大丈夫かな、、
「前世の共通語は英語でしたが、この世界の共通語は英語ではございませんのでご安心を」
どこが安心できるのか教えてほしい。更に不安になったわ。
「まず基礎からお教えいたします。まずは……」
ここから俺の勉強漬けの日々が始まった。受験勉強より勉強してる気がする。意味わからんて。
「もう一回最初からお教えしますね。ここがこうでこうなるんです、理解できたでしょうか?」
一週間たったが、俺の飲み込みが悪すぎて最初からやり直してもらっている。他の奴らは一週間でマスターシていたらしいが俺は手強いぞ?
(誇れることじゃないことに気づき、傷つく)
「私の教え方が悪く申し訳ございません…」
「そんなことないよ。俺もごめんね、覚えが悪くて…」
気まずい雰囲気になってしまった。どうにかしてこの雰囲気を打開しなければ…
「まあ、これからもよろしくな。こんな俺だから何やってもダメかもしれないけど、俺なりの努力はするつもりだ」
「もちろんでございます。貴方様の行く処、どこまででもついていきます」
「そういえば、君の名は?」
「私に名はありません。この屋敷のご夫人に拾っていただき、今の私があります。感謝してもしきれません」
そうだったのか…
「俺が名前をつけてやろう!俺はお前の主人でもあるのだからな!」
「よろしいのですか?そんなこと…」
「いや、か?」
「そんなことないっ、、です」
「おう、、」
どんな名前がいいかな、女の子だし可愛らしい名前のほうがいいのかな?
「どんな名前がいい?」
「ご主人さまがつけたい名前がいい…です」
こいつと出会ってから一ヶ月だが、こんなに可愛らしいところを見たのは初めてだ。
「アビスはどうだ」
「アビス、ですか…」
「気に入らないか?」
「いえ。滅相もございません。嬉しい限りでございます」
「ではアビス。改めてこれからよろしく!」
「よろしくお願いいたします。ご主人さま」
アビス。深淵。それは底しれない心で俺を包み込んでくれるものーーーーーーー
「次は〈体力〉を鍛えていただきます。お手本をお見せしますので再現してみてください」
ドッゴーンーーーパラパラ
岩って砕けるんだー、、いいこと知ったよー。
メイドが持ってていい力じゃないぞ、これ。
「よーし、やってやるかぁー!やっちゃうぞ〜‼俺の力見せつけちゃうよ〜?」
ビビるな俺、やってやれ俺、転生したんだぞ、岩を砕くくらいの力持ってるはずだ…
「勿体ぶらずにどうぞ」
煽りやがって… いくぞっ
「いけっ!俺の全力全開ウルトラパーンチ‼‼」
ぺちっ
微動だにしない岩
無理にきまってるだろーーーー!できると思って言ってんのかこいつは、、
「もう一回やってみてください」
「えぇー?仕方ないなぁ、、当たりが悪かったのかもしれないしね、ねぇ、、うん」
皆の者。忘れてはいけない、俺が赤ちゃんであることを。
「いけっ!俺の全力全開ウルトラパーンチ‼‼」(再放送かな?)
ヒュン
何かが俺の頭の横を通り過ぎた気がした。
ドッゴーン ドコッ パラ パラ
「く、砕けた?」
「流石です、ご主人さま。やればできるじゃないですか」
「おっ、おう。あ、当たり前だろ?これでも勇者の卵なんだぜ?アハハ」
俺は岩を触っていない、、ということは、、
触らずとも破壊できるということなのか、、、
自分自身が怖すぎる、こんな強大な力を持っていていいのものなのか…
茶番はさておいて、、、この岩を砕いたのは誰でしょう?はい、メイドです。こんなことして俺が喜ぶと思ってんのかね。
「キャッキャッ!!ウキャ〜!」
否、大喜びである。ちょっと自分の力に酔いしれそうになった。自分の力じゃないけど…
「赤ちゃん丸出しですよww」
「うぐっ、、あのなぁ、手出するんじゃないよ。これじゃ俺の力か分からないじゃないか…」
「ご主人さまの力?そんなもの無いのも明白だったじゃないですか」
「どういう意味だ?」
「貴方様はゼロ才なのですから」
「いや、0歳だよ?そりゃ力なくても当然だけどさぁ…」
「何を勘違いされているのかわかりませんが、貴方様はゼロ才なのです」
何度もぜろさい?と言われ続けているがなんのことだ?
彼女は俺に言った。才能がゼロなのだとーーーーー
ここまで読んでいただきありがとうございました。いかがでしたでしょうか。まだ登場人物は二人と少ないですがこれから増やしていく所存です。あらすじで一応、(ラブ?)コメディーと表記していましたが、ラブコメ要素がまだ少ないと感じている方もいると思います。こちらも増やしていきます。思っていたのと違っていたら申し訳ありません。お時間ありましたら。評価・感想等お願いいたします。