田中、大地に立つ。
「成功だ。」
渋くて低めの男性の声が聞こえる。
「どこがよ!思い切り失敗じゃないの!」
なんという可愛い声だろうか、すごいアニメ声だ!
僕はこの声に聞き覚えがある。
「いや、おかしいなこれで間違いないはずだ。彼を起こしてみよう。」
さっきと同じ男性の声だ。
「いや、彼って…」
アニメ声の女の子がボソッと聞こえる。
「君!君!起きてくれ頼む!」
さっきの男が叫びながら僕の体を揺さぶってきた。
僕は体のだるさが抜けなかったが重たい瞼を擦りながら開いた。
そこにはアニメキャラのようなタキシードを着た渋いおじさんのが立っていた。
「なんですか!?てかここ何!?」
僕は驚いた。どこからどう見てもここは二次元の世界なのだ。
「成功だーーーーーー!」
アニメキャラのような渋いおじさんは感涙をしながら叫んだ。
あとに続いてに後ろにいたアニメキャラのような女の子も叫んだ。
「きもちわるーーーーーーーーー!」
僕はきょとんとなった、周りの状況が全く把握できない。
異世界転生というやつか?
だとしたら僕はどんな世界に入り込んだんだ?
しかし三次元とは世界が違いすぎて驚きだ。
異世界転生モノのアニメはよく観てたがあれは客観的に観ているから二次元のキャラが二次元に行くが
僕の場合は三次元から二次元だ。
僕は少しパニックになりながらもまわりを見渡す。どうやら教会のような場所だった。
どうやら僕はそこの祭壇のような場所で眠っていたようだ。
しかしこの渋いおじさんキャラと可愛い女の子キャラはなんなんだろう、
そしてなんで僕はここにいるのだろう。
色々聞きたい…
「ここはどこであなたたちは誰ですか・・・?」
僕はとりあえずざっくりとした質問をすることにした。
渋いおじさんは意気揚々に話し出した。
「うむ、全て説明しましょう。」
「まず私の名はジェントルと言います。この世界の主のようなものです。
そしてこちらの彼女の名前は鈴木 可憐。カレンちゃんと呼んであげてください。」
「はぁ」
僕は軽く頷き心の中で
(なんか女の子の方はアニメキャラらしからぬ普通の名前だな)とおもった。
「カレンちゃんなんて気安く呼んだら殺すからな・・・」
鈴木 可憐は小さい声で僕に対し高圧的な態度で話してきた。
山本は再び話し出す。
「まず見ての通り私たちはアニメキャラであり、ここはアニメの世界です。」
「私は生まれも育ちもこの世界なのですが、
かれんちゃんは現実の世界にいてを死をきっかけにここに転生されました。」
「なんだと…」
僕は衝撃を受けた。
死んで異世界転生はまだいい。
しかし明日のゆかりんのライブに行けなくなったことにショックを受けた。
山本が続けて話し出す。
「そしてこの二次元の世界なんですが、実は問題がありまして…」
山本はモジモジしだした。
「この世界何故か私以外」