田中の便意
僕は比嘉と上野に気づかれることなくなんとか最寄り駅に着いた。
しかし最寄り駅の改札を出た途端に身体の変化に気づいた。
腹に急激な鈍痛を受けた。
そうこれは下痢だ!
冷汗が止まらない。
油断すればここで漏れてしまいそうだ。
駅のトイレですることも考えたが、
僕は大きいほうは家でしたい派なのだ。
ここから家までの時間は5分弱…
大丈夫だ問題ない。
イヤホンではゆかりんの「You&Me」流れている。
僕にはそのアップテンポな曲がトイレを焦らしているように感じ
早歩きで帰っていった。
なんとか家に着いた。玄関の扉を開いたのち、
僕は急いでトイレの扉を開けた。
急いで開けたのでトイレの扉が手荷物に当たってしまった。
手荷物はコンビニ袋で晩御飯に食べようとしていた麻婆丼が入っていた。
麻婆丼はトイレの床に散らばった。
しかし僕はそんなことを気にしている場合ではなかった。
すぐに便座に座って用を足した。
イヤホンからはゆかりんの「W:Wonder tale」が流れていた。
僕の心情とマッチした実に癒される選曲だ。
しかしトイレにばら撒かれたのが麻婆丼でよかった、
危うく麻婆丼ではなくうん〇がばら撒かれるとこだった。
便座に座ったのはいいものの下痢の時の腹痛は波があり
波が押し上げるたびに神に祈り、ラーメン屋と俊輔を恨んだ。
20分もすると波も収まりケツを拭き始めた。
次は麻婆丼を拭かなければ僕は立ち上がりズボンを上げて雑巾を取りに行こうとした
その刹那!
僕は足を滑らせた。
真後ろには便器がある、このままでは頭を便器にぶつけ大変な怪我を負う、
しかしもう遅かった。
僕は便器に頭を強く殴打し倒れた。
起き上がることはできない。
ぼやける視界に生暖かい血が滴るのが見えた。
ああ、僕はもうだめだ。
今日死ぬんだ、明日のゆかりんのライブ行きたかったなぁ。
僕は悔いを残しながら目を閉じて全てを諦めた。