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俺は典型的な日本人が好きけど?  作者: かっちゃん
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第4話 パンを購入する作戦②×信じられない事実

こんばんは。

第4話できた。内容はパンを購入する作戦の続きと勉成の家庭の事情を初めて知った。

どんな話なのか読んでみてください。

ヘレのおかげでパンを買えそうだった。

「えーと何を買おうか。」


焼きそばパン、コロッケパン、クリームパン、揚げパン、アンパンなど…

どれもうまそうなパンが並んでいる。


「うーむむむ、迷うな。」


持参金は300円だから買えるのは2個だけしか買えない。

限られた中に満足するパンを選ぶ必要がある。


うーむどのパンにしようかな?

そういえばヘレは何のパンを買ったかな?と思って、ちらりと横目にヘレを見た。


パッとお互いに目が合った。


え?なんで俺を見つめている?

しかも何も買わないでずっと俺を見ている。


「おい、ヘレさん買わないの?」


「ん?買わないよ?私は弁当を持っている。」

ヘレは可愛い猫のような表情を作って、頭を傾けた。


しかし、猿でも思いつく攻撃は俺に効かないわ。


いやそれより弁当を持っているのになんで俺に付いて、販売コーナーまで行ったの?

何の目的なの?


「弁当持ってるのになんでここに来てんの?」


「あーそれは…昼になると販売コーナーでは混んでいるよね。だから私と協力してあげたいと思って、一緒について行ったよ。」


なるほど。

これも作戦か。

普段なら簡単に手に入れることができなかったが、ヘレのおかげで簡単に手に入れるようになった。


それで、もしかしたら俺のこと好きなので助けてもらったのか。

勘違いして、彼女は惚れていないのに自分自身が勝手に惚れてしまう。

恐ろしいことを思いつくんだなヘレ。


「あっそう、でもありがとな。いつもなら一個だけしか買えなかった。時々、手に入れることができなくて、昼食無し時もある。今日はマジで助かったわ!」


ドキドキするより、今日は初めて2個のパンを手に入れて嬉しくてたまらなかった。

感謝する気持ちがいっぱいいっぱい溢れていた。


ヘレは自分自身が作った目的と違うけど、感謝されて嬉しかった。

けど、なんか引っかかっている。


それはなぜいつもパンを食べるのか?疑問が浮かんだ。


「どういたしまして。どうしていつも昼食はパンなの?お母さんが弁当を作ってくれない?それとなんで食堂で食べない?」


「それは…俺の母は1年前に亡くなった。俺の親父は母の入院で多くの借金を作ってしまった。借金を返すために親父は朝から夜遅くまで働いている。生活も満足ではなかった。だから安いものしか買えなかった。」


勉成は家庭の事情があった。

だから満足する昼食を食うことができない。


俺はお腹が空いても親父にわがままを言うことができねぇ。

迷惑をかけて欲しくない。


いつか親父に楽にさせるためにバイトをして、金を貯めて、良い大学に行って、良い企業に入ってやる。


ははは…俺の事情を話しても相手は関係ないわ。

さっさと自分の教室に戻るぞ。


真下に俯いて話したので、ヘレの顔に向けて視線を移動した。

なんとヘレの瞳からボロボロと大粒の涙が流れた。


なんで泣いてる?

俺が何かした?

パニックになって、心の中でオロオロと焦っていた。


「なんで泣いてる?」


「知らなかった…」


「知らなかった?」


「勉成くんの家庭の事情は初めて知った…。私がいたずらにさせてしまってごめんなさい…」


あーそう言うことか。


しまった。

心の中から俺の事情をぼろっと漏れてしまった。


別に我慢してないけど、今まで聞かれたことがなかったから。


「悪りぃ。悲しませてすまん。」


とりあえず、悲しませてしまったので謝罪する。


ヘレはブンブンと横を振って、手でふきふきと頬に濡れた涙を拭いた。

「ううん、辛い事情を知って良かった。なんで早く言わなかったの?」


あー…まいったな。

質問されないかと思ったが、質問された。


なんて答えればええかな。

まあ嘘つくか誤魔化すのはやめて、正直に伝えよう。


「俺さ、今まで友達がいない、だからヘレさんと同じような質問がなかったからだ。」


「そうだったか…じゃあお詫びとして一番最初の友達になってあげます。」


え?友達になる?

友達になろうという言葉を言われたのは初めてだった。


これは夢なの?冗談?

俺にとってはあまり強い衝撃を受けたので、心の中で動揺した。


「それって…冗談?」


「違うってば!本気だよ!」


頬が赤くなって、ブルブルと肩を震わせながら怒った。


「わかったわかった、俺が悪かった!初めて友達になろうと言われたので信じられなかった。本当に友達になってもいいのか?」


自分に自信がないので本当に良いなのかどうか確認した。


「はい!もちろんです!」


大きく縦に頷いて、スッと勉成に向けて手を差し出した。

これは握手を求めることだな。


しかし、勉成は初めて友達になったのでどうすれば良いかわからない。

友達になったら必ず握手する暗黙の了解なのかなと思って、差し出されたヘレの手を握って握手した。


ここで初めて勉成は友達になった。







勉成の家庭の事情は確かに深刻だった。これは答えたくない内容だね。

しかし、このおかげで初めて友達を作れた。本当にめでたい!

次の話はどうなるかな。続きを楽しみに待ってください。

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