第六話 魔獣 SIDEブレイド
すいません。
遅くなりました。六話です。
よければ感想、誤字報告いただけると幸いです。
月夜に照らされながら裏庭で語り合う僕らの間を冷たい風が通り過ぎるととジンの表情が変わり叫ぶ
「ブレイド!!」
僕の名前を呼んだかと思うと肩をつかまれそのまま前に一緒に倒れこんだ。
「...痛っ、突然何をするんだい。」
起き上がりながらジンを見ると、彼は僕の方......いや、僕の後ろを見て険しい表情で言葉をもらした。
「......後ろを見ろ。」
ジンの言葉に僕は後ろを振り向いた......明るい満月の光に照らしだされた先にあるのは粉々に壊されたさっきまで僕らが座っていたベンチ、そしてその残骸の上にいる獣ような何かだった。
低い声で唸り声をあげ僕らを見つめるそいつは以前孤児院にあった図鑑でみた狼とよばれる四足の獣に似ている。
しかし決定的に違うのはその顔だった。
顔の中心に目が一つだけあり、その瞳は血のように紅く、口には上に大きく伸びる牙が右と左に一本ずつ生えていた。
そして、その体は漆黒の毛で覆われていて、僕らと同じくらい大きかった。
「ジ......ジン。」
僕はその黒い獣に圧倒され、友の名前を呼ぶのが精いっぱいだった。
僕の声に含まれた疑問を彼は感じ取ってくれたのか言葉を返した。
「詳しいことはあとだが、簡単に言うとこいつは魔素を取り入れた獣......魔獣だ。」