第四話 月夜の語らい SIDEブレイド
四話です。
昨日は忙しくて投稿できなかったので、16時頃にもう一話投稿します。
ジン......彼はシスターの話によると騎士だったお父さんを事故で亡くしてしまい、僕らのいる孤児院に来たって話だったと思う。そんな彼に突然声をかけられて、僕はびっくりしてしまって声を返せないでいた。
「おいおい、突然話しかけたのは悪かったけど、流石に無視は酷くねーか?」
彼のちょっと傷ついたような、しかしどこかふざけたような言葉にあわてて僕は口を開いた。
「ご、ごめん。こんな時間に僕以外に起きてて、裏庭に来るとはおもってなくて......」
「そりゃ、そーか。確かにこんな時間にこんなとこに来るのはよっぽどの変わり者しかこねーわな。」
「それは僕をよっぽどの変わり者だって言いたいのかな?」
彼は少しすねたようにいう僕をからかうように口角を上げにやりと笑った。
そして彼は裏庭の入り口から僕のいる真ん中のほうまで歩き出しながら言葉を紡ぐ。
「なあ、この前言ってた騎士になりたいってのは本気なのか」
その問いをする月明かりに照らされはっきりと見えた彼の表情はさっきまでのいたずら好きから真剣なものに変わっていた。
騎士の父を失った彼の問いだ。答えを返す。
「もちろん本気だよ。」
「そうか......本当の騎士は物語の中とはちがうんだぞ。あんなにすごくないんだぞ。」
「騎士のお父さんがいた君が言うならそうかもしれない。でも僕はなりたいんだ。」
彼はもう僕の目の前まで来ていた。
「そうか。ならがんばれ。」
「応援してくれるのかい。」
「人の夢を馬鹿にするほどいじわるじゃねーよ。」
彼は優しげな笑みを浮かべながら僕を応援してくれていた。
それから僕らは裏庭にある長椅子に腰掛けながら話した。
僕の剣は下手糞だ、彼は以外にも剣では同年代に負けたことがない、好きな料理、どういう女の子が好きだとかそういう話をとりとめもなくしていた。
......だからこそ気づくのにおくれてしまった。森の中から何かが近づいて来ているのを。