第三十話 グラッド ジンStory
「ふははははは。無様だね。先ほどまでの威勢はどこにいってしまったんだい。」
「ちっ」
奴の言葉に思わず舌打ちを漏らした。
何もないところから上がる火柱、おそらく当たることは許されない謎の光。それらによって距離を詰め切れず、避け続けることしかできなかった。そしてさっきから奴らの様子を見るが、どうやって火柱を上げたり、光を放っているかがわからなかった。
「ほらほらほら、無様に踊りたまえ。」
「っ!!」
今のは危なかった。俺の前に火柱が上がる。どうやら奴は俺の動きを予測し、そこに火柱を上げ始めたみたいだった。これによって今まで以上に動き回らなければならなかった。
「動きをはやめたんだね。さて君の体力はどこまで持つのかな。」
「さーな。」
それからどれほど時が経ったのだろう。
「うわああああああああ」
突然奴らの一人が苦しみだし、体に火が付きそのまま燃え尽きた。
「っ!それはさせぬ。」
「ちっ」
仲間に火がついた瞬間にできた僅かな隙をつき、先ほどまで火柱を上げていた男に斬りかかるが、それは仲間が割り込み斬りそこなってしまった。
「リベラっ!!我を庇ったのか。」
「これでお仲間はいなくなった。あとはお前だ。」
俺は刃を顔の横に上げ、剣先を奴に奴に向け、腰を落とし、突きを放てるように構える。
「ふっ。どうやら時間切れのようだ。未完成品の限界というところか。命拾いをしたようだね。」
「はっ、逃がすかよ!!」
足のバネを使いやつに突きを放とうとした俺の目の前に今までで一番でかい火柱が立ち上がる。
「ちっ」
「そういえば名乗っていなかったね。我が名はグラッド。次に会うときには完成品を用意させてもらうよ。ティア姫の守護者ジン......また会おう。」
火柱が消えた先には奴の姿は無かった。
遠くから誰かがこっちに向かっている音がした俺はとりあえずティアのもとに戻ることにした。
三十話です。
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