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王国の剣、帝国の刃  作者: うみそら
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第三話 出逢い SIDEジン

三話目です

俺がそいつの話を聞いたのはルイス孤児院に預けられてすぐだった。

高名な騎士だった親父が仲間の騎士をかばって命を落としたと聞かされて、親父の収入がなければ俺を養うことも出来なかった母親は何度も謝りながら俺を孤児院に預けた。

正直いつも騎士は守りたい者のためにあるとことあるごとに語る親父のことは苦手だったが、俺と母親を1人で養ってくれたことだけは感謝している。

そんな理由で孤児院に預けられた俺だったが、孤児院で何人かのやつに困ったらブレイドに聞くといいよ。と言われた。

ブレイドとかいうやつは一度顔をみたが、初めは銀髪の髪を肩まで伸ばし、優しそうな目に顔立ちが綺麗だったから女だと思ってしまった。話してみてすぐに男と分かったが、あれは詐欺だろう。そして何より気に食わないのがそいつは騎士に憧れていると言ってたことだ。奴の語る騎士は確かに立派だろう。だが、本当にその理想のまま騎士になれると思っているのだろうか。

......なにより騎士なんてくだらない存在なんだから。


そうして孤児院で三日目の朝だった。一つの噂話を聞いた。なにやら夜中に裏庭にうめき声のようなものが聞こえるらしいのだ。そんな面白いことは確かめてやるしかないよな。

俺は周りの奴らが寝静まった頃にこっそりと起きて裏庭に向かった。

「はぁっ!せい!」

本当に声は聞こえた、しかしこれはうめき声ではないだろう。

そんなこと思いながら裏庭をのぞく。


そこは満月の明るい月明かりに照らされた中にそいつの綺麗な顔立ちには似つかわしくない剣を必死に振り回す姿があった。親父に剣を教わっていた俺からしたらひどく不格好な剣技だったが、嫌々やっていた俺とは違い心底真剣、そして楽しそうにやっていた。

そんなやつの姿をみてつい俺は声をかけてしまった。


......これが、俺とブレイドの宿命の始まりだったのだろう。だが、幼い俺たちはまだ、その宿命の渦に捕らわれたことにまだ気づいていなかった......

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