第二十二話 ラルク共和国 ジンStoy
「ラルク共和国、通称王帝の架け橋。通称が示す通りこの国はアイギス帝国とイクシオ王国の間に位置する国で、ラルクを経由しないとお互いの国を行き来するにはかなり大幅な遠回りを強いられてしまうくらい大きな国でもある。またこの国の特色としてあらゆる種族を受け入れるとまで公言していることがあげられる。種族ってのは僕たち人類とされるものの他に、獣の特徴を持った獣人、聖なる森にしか住まないとされ魔素を操るとされるエルフ、生まれつきその身に濃い魔素を宿し魔物と魔獣を遥かに凌ぐ力を持つとされる魔人などがいるね。ただそれらは全てはるか昔に起こったと伝えられるアルド大陸中を巻き込んだ大戦争でそれぞれ住む領域を別れたとされ、僕ら人類以外を見ることはほとんどなくなったみたいだよ。」
俺の前で、共和国について説明しているモノクルとやらをつけ白衣を身に纏い、飄々とした笑みを浮かべる男は第二皇子付きのミラージュだ。ミラージュは普段は自分に与えられた研究室で魔素を使う発明をしているみたいだが、いざ戦闘となれば策略と自分の発明品を使って相手を倒し、第二皇子に何かがあればどこからともなく現れる男だった。
「それで、ジン君は何故僕に共和国について聞きに来たんだい?」
「ゼロからの任務でティア様と一緒に共和国に行くことになったからな。」
「なるほどね~。じゃあ、もっといいことを教えてあげよう。共和国のトップはおそらく魔人と繋がっているよ。」
馬車に揺られながらミラージュの言葉を思い返す。共和国は魔人と繋がっている......もしそれが本当でティアを狙っているのなら俺は魔人に勝つことができるのだろうか......ティアをちらりと見ると先ほど馬車で知り合ったというどこかの貴族のお嬢様と仲良く話していた。聞けば彼女も友達に会うために共和国に向かうらしく、共和国の食事などを話しているみたいだった。
ティアに友達が出来て安心していると前が騒がしくなった。
妹が心配な姉に送られて隠れてついて来ているリアナに確認すると野党が来ているとのことだった。
「ティア、前が騒がしいみたいだから様子を見てくる。」
「ジン、気を付けてね。」
ティアの言葉にうなずくと俺は傍らに置いていた刃を握り御者に止まるよう伝え馬車を降りる。
馬車から降りた先にいたのは野党が五人ほどだった。
ティアに心配をかけるわけにもいかないか。そう思い口を開こうとした奴の喉を一閃し、返す刀でもう1人を斜めに切り裂く。仲間がやられ、呆然としているうちにもう1人の胴を切る。あわてて残りの2人が腰の剣を抜き上から斬りかかる。その剣を刃で受け流し、空いた胴を横に切る。最後の1人は逃げようと走り去った瞬間その首と胴体が離れた。リアナがやったのだろう。
返り血がかかってないことを確認し、ティアの元に戻る。
「ただいま。ティア」
「お帰りなさい。ジン」
それから共和国に到着し、野党に関して取り調べを受けた後ティアに頼まれ貴族の少女を友達の少女の元に送ることにした。
そしてその少女と共に向かった先にいたのは青い髪をした燃えるような紅い瞳に眼鏡をかけた少女だった。
二十二話です。
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