第十三話 誓いと別れ SIDEブレイド
第十三話です。
僕にジンという友人が出来たあの満月の夜からもう2年が経った。
魔獣を倒した次の日には僕とジンはシスターに本気で怒られた。あそこまで怒られたの今までで唯一あの時だけだった。あの日から僕はジンに剣を教えてもらうことになった。理由は僕の戦いが見ていて危なっかしいからとあいつは言ってるけど本当は僕の騎士の夢のために教えてくれているのは正直バレバレだと思うけど、そういうところがジンのいいところなんだと思う。今ではジンは僕にとってかけがいのない存在で、これが親友というやつなんだろう。
ジンとはいつまでも一緒だと勝手に思ってたけど、そんなわけはなかったんだ......。明日、僕とジンはそれぞれ別の家に引き取られることになった。僕は王国の騎士団の人の家で、ジンは王国の離れにある家らしい。らしいというのはジンが自分で言っていたからだ。だから、これが僕とジンの孤児院最後の稽古になる。
奇しくもあの日と同じような満月に照らされる中、裏庭に僕とジンはお互いに剣を構えて立っていた。
僕の剣は魔獣討伐の後に改めてシスターから貰った刃のつぶれていない直剣だ。ジンはあの時使っていた白銀の片刃の刃だ。ジンはずっとその刃を使っている。
「ジン......。」
僕が彼を見つめて言葉を発すると彼も何かを察したのか、僕を見つめ返す。
「なんだよ。」
「僕らの稽古も今日で終わりだね。」
「まあな。」
僕の脳裏をこの2年間の思い出がよぎっていく。
言うつもりのない言葉が零れてしまった。
「ジン......僕は、君と共に騎士になってこの国を、孤児院の皆を守りたい!!」
自分の言葉に愕然とする。ジンが騎士を嫌っているのはこの2年間で分かっていたはずなのに、僕は何を言っているんだ。
愕然とした僕にジンは優しく告げる。
「......俺には、国を守りたいとか物を守りたい気持ちはあんまわかんねえ。でもお前が死ぬのはなんか嫌だ。だから俺はお前みたいな人間を守るために騎士になるのはわるくねえと思った。」
彼の言葉に目を開く。
「じゃ、じゃあ。」
「あぁ、お前は物守りたい物を守れ。俺は守りたい者を守る。そのために2人で騎士になって再会だな。」
「う、うん。次に会うときには君より強くなってみせるよ。」
「何言ってやがる。お前に俺が負けるわけねえだろ。」
2人で笑いあう。
僕らは月に照らされながら笑い合っていた。
翌日、僕らはそれぞれ別の家に向かった。
この時僕はジンと交わした誓いを胸にいつかの未来に心躍らせていたよ。
だけどこの誓いが果たされることがほとんどないと知っていた君はどんな気持ちだったのかな?




