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王国の剣、帝国の刃  作者: うみそら
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第十一話 月下の死闘 SIDEジン

十一話です。

俺の目の前にある部屋は、俺がここに来た時にどうしても手放したかった親父の形見を預かってもらってる部屋だった。死んだ親父が俺に遺してくれたのは親父の魂ともいえるもの......刃だった。

俺は騎士なんてくだらないし、なるつもりもなかったが親父は俺がなにか成し遂げたいと思った時のためにといって、友人の騎士に預けていたらしい。親父の葬式の時に来ていた騎士の人がそう言って俺に渡してきたのがその刃だった。

「親父、俺はまだ騎士になるつもりはないけど、今はあいつの夢を守るために力を借りるぜ」

俺はそう呟きながら部屋の中央に置いてあるものを手に取る。鞘に納められているそいつを抜き出す。

普通の剣ではありえない片刃の剣、親父が家に代々伝わるものだというこの白銀の刃......確かインテンシオンだったな。その刀身は刃こぼれ一つなく美しかった。刃の状態を確認した俺はそいつを再び鞘に納めると中庭に走り出した。

中庭に近づくと剣戟の音がした。どうやらあいつは無事のようだった。俺は口元を緩ませるが、状況はいまだにまずいことを思い出し走った。そして中庭についた俺が見たのは魔獣の尻尾で地面に叩きつけられ追い打ちの爪があいつに迫っているところだった。何をやっているんだ。お前は、死なないと約束したのに何目を閉じて諦めてんだよ。心の中であいつに悪態をつきながら、俺は魔獣とブレイドの間に入り、腰の位置にある鞘に納められている刃の柄を握りしめ、今まさにブレイドの命を奪わんとするその爪めがけて刃を引き抜いた。刃と爪がぶつかり合う。

あいつに呼びかける。

「何、あきらめてんだよ。馬鹿かお前は......これから反撃のはじまりだってのに。」


きっと、ここが分岐点だったんだろう。もしもこの時俺がシスターか大人を起こしてたら、それかお前ひとりで魔獣を倒せてたら俺たちは同じ道を進めていたのだろう......

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