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第8話

【更新日時について】


書き溜めが尽きるまでは、毎日5時・11時・16時に更新いたします。


通勤・通学、お昼休みのお供としてぜひどうぞ。

(まぁそんな事だろうと思ったわ)


警戒していた事もあり、慌てず騒がず神像にしがみつきぶら下がる。


過去に隠し部屋に気が付き、この仕掛けを動かした冒険者は、皆この穴の中に消えていったのだろう。


やれやれと顔を上げると神像と目があった。




(え、なんでこっち向いて・・・え?)




そして、その表情に気がついた瞬間、全身総毛立つ。


先程まで、この神像は微笑を浮かべていたはずだ。


それが今は、口が大きく開き目を釣り上けた、悪意に満ちた満面の笑みに変わっている。


さらに視線を感じ周りを見渡すと、5体の戦の神の神像もこちらを向いており、同様の表情に変わっている。



(ヤバいヤバいヤバいヤバい)



アリステアは一刻も早く立ち去りたかったが、隠されていた小部屋の入口も開いていた。


こんな目にあったのに手ぶらで帰ったのでは、この罠を仕掛けた人間の思うツボである。


そんなしゃくな話はない。半泣きになりながら部屋の中を確認に行く。


そこに並べて置いてあったのが、この人型魔導具の入った箱だった。


むきになって3箱全て持って帰ってきたが、この魔導具を見ると、どうしてもあの神像の嫌な笑みを思い出してしまう。


その為、この家に引っ越した際に、目に付かない倉庫の奥の方に仕舞込んでいたのであった。


数年前に倉庫を整理した際に見つけ、箱の中に入っていた手順書を読み、初めてこの魔導具の機能を知ったのである。


それは「意識を人形に移し活動する事ができる」というものだった。




早速、ヒギンズが魔導具をリビングに持ってきた。


「では、これに意識を移し王都で坊ちゃまと合流する、という事でよろしいですね?」


「ええ、それでいきましょう」


【事態解決につながるかもしれない新たな魔導具登場】という展開になった事で、「キースを連れ戻す」という考えは、アリステアの頭の中から消えた様だ。


このまま完全に、一気に持っていきたい。



「かしこまりました。それでは色々下準備が必要ですね」


「では何をしなければならないのか、ちょっと書き出してみましょう」


控えておかないとすぐ忘れてしまうのだ。高齢者なので仕方がない。


「あ、先に一度手順書を皆で確認しましょう。それによって準備の内容も変わるかもしれませんぞ」


「それもそうね」


手順書の内容は以下の通りだ


【1】

魔導具の左側に横になり、左手首に嵌っている魔石に手を置き魔力を流す。

その際、身長・体重・体型・髪型・髪色・瞳の色は、強くイメージする事で任意に変える事ができる。


【2】

個人に現れている「特性」は意識を移しても反映する。「特性」は魂に刻まれているものだからである。


【3】

元の身体の安全を確保しておくこと。生命活動が止まる様な状態であれば、意識を戻した瞬間に死亡する。



「これ・・・とんでもないお宝ですね・・・イメージ通りの身体が作れるって・・・国宝級では?」


「特性まで反映するという事は、パーティ内での役割は、現役の頃と同じで良いということですな。装備も知識・技能もそのまま使えると。正直助かります」


「元々は何に使われていたのかしらね。王侯貴族の影武者用とかかしら?」


アリステアは腕を組んで首を捻る。


「あぁ、ありそうですね」


「では各自の設定を考えますか」


各自が紙に書き込んでいく。


「ではまず私から。名前はアーティで。キースはこの呼び名を知らないから問題無いでしょう」


27歳

178cm 細身だが鍛え上げられた全身バネの様な体つき。

赤髪 ショートカット 紺色の瞳

特性-身軽・素早い・手先が器用・第六勘

双剣使い 回避型の前衛



「次は私ですね。変わらず海の神の神官、という事でお願いします」


「フランシス(フラン)」

25歳

162cm 良いスタイル

銀髪 お団子ヘア メガネ

特性-落ち着き・度胸・神の啓示

海の神の神官



「私はこちらで。今より背を少し大きくしてみようと考えております」


「クライブ」

27歳

195cm 筋肉の塊 壁

赤銅色の短髪 同じ色の瞳

特性-高身長・剛力・丈夫

盾役の戦士


2人の設定を見ながらアリステアが尋ねる。


「キャロル・・・一ついいかしら?」


「はい、なんでしょう?」


「この、良いスタイルってなに?」


「・・・(無言で遠くを見る)」


キャロルはスレンダーで背が高い。


「・・・ヒギンズの希望なの?」


追求は止まらない。


「あー・・・そ、そうですね!私の要望です!」


ためらい無く妻を庇う。夫の鏡である。まさに盾役だ。


「そう・・・まぁ夫婦で決めたのなら私が口を出すことでも無いけど・・・」


アリステアは楽しそうに続ける。


「人形だから子供はできないと思うけど、キースもいるのだからその辺は気を配ってもらわないとねぇ・・・」


「アーティ!」


二人は顔を赤くして叫んだ。


ブックマークやご評価いただけると嬉しいですね!


お手数おかけしますがよろしくお願いします(*´∀`*)

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