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おばあ様は心配性 - 冒険者になった孫が心配だから、現役復帰して一緒にパーティを組む事にしました -  作者: ぷぷ太郎
【第四章】北国境のダンジョンでのあれこれと大貴族の悩み
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第87話

【更新について】


書き上がり次第随時更新となります。


よろしくお願いします(o_ _)oペコリ

【前回まで】


無事解決しましたがどうにもやりきれない若者たちに対し、おばあちゃんが諭します。書類筒を届ける手口も判明し、解散しました。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「皆さん、今日の予定などいかがでしょうか?ちょっと僕にお付き合いいただきたいのですが」


宿屋の待合室で朝の挨拶を交わし、キースは女性陣に尋ねた。


「まぁ・・・特には無いな」


フランと顔を見合わせながらアリステアが答える。


情報漏洩の件は、まだ細かい処理はあるだろうが、その辺は自分達にできる事では無い。


「近くの古代王国の遺跡に行ってみたいのです。まだそういった建物に行ったことがないので・・・」


「あそこは、もうお宝的な価値の高いものはないと思うが・・・」


古代王国が滅びエストリア王国が興って650年だ。それだけ時が過ぎていればさすがに厳しい。


(ダンジョン発見時に私が来た時だって、目ぼしい物は何にも無かったものな・・・)


「確かにそうかもしれませんが、ここは有名な遺跡ですし、ぜひ一度中を見てみたいのです!古代のロマンです!」


キースはキラキラと瞳を輝かせる。


「未知への探求」を人生のテーマに掲げるキースにとって、すぐ目の前に遺跡があれば見ずにはいられない。


ベタな王道的展開も好きだし、意外とミーハーである。


「わかった。行ってみよう」


3人は視線だけでお互いの意思を確認し合い頷いた。基本、彼らが「可愛い孫のお願い」を断る事は無い。


そんな事は祖父母(とそれに準ずる立場)である時点で決まっているのだ。孫最強である。


それに、色々解決した為、正直皆ヒマだ。


「ありがとうございます!ここのダンジョンも勿論ですが、この遺跡にもぜひ来たかったのです」


「ほぅ?確かにここは有名な遺跡だが・・・」


「だって、あの白銀級のアリステアは、この遺跡に立ち寄った後にダンジョンを発見した訳じゃないですか!何かご利益ありそうな気がしますし、やはり冒険者として押さえておかなければいけない場所だと思うのです!」


「お、おう・・・そうか・・・」


フランとクライブはニヤニヤしている。


「確かに一攫千金の夢がありますな!」


「そうね。魔導書や研究資料とか、キース向きな物が残っていると良いわね」


「はい!では今日は遺跡探索という事でお付き合いお願いします!」


「了解!」


一行は、朝食と身支度、念の為ベルナルへ行先を言伝たりした後、古代王国の遺跡にやってきた。


(さすがに劣化が進んできているな・・・)


アリステアは、入口の門柱を撫でながら思う。


「アーティはこちらには来たことがありますか?」


「あぁ少し前(48年前)に一度な。フランとクライブは確か初めてだよな?」


「ええ、そうです」


「この遺跡が、何に使われていた建物かというのは、アーティはご存知ですか?」


「私も先輩から少し聞いただけなのだが・・・ここは北の国境線の防衛拠点だったという話だ」


「建物を囲む城壁は分厚くて高い、かなり立派なものだ。そして、その城壁には一定間隔で矢間が作られている。さらに城壁上には、カタパルトを固定していたと思しき残骸が残っている」


「なるほど・・・」


「ここの司令官は高位貴族が担っていたらしく、私室なども広く様式自体が立派なものだそうだ」


キースは、アリステアの説明を真剣に聞いている。


「エストリアは、古代王国の領土の中では北東の隅で、当時からトゥーネ川が国境だったと言われていますよね。やはり重要拠点だったんだなぁ」


「恐らくな・・・」


「それにしてもアーティ、一度来た事があるとはいえよくご存知ですね!すごいな・・・」


(くそっ!デズモンドの話をもっと真面目に聞いておくんだった!もっと褒めてもらえたのに!)


4人は連れ立って建物内外を巡った。


建物自体を除くと、形あるもので残っている物はほとんど無い。冒険者や研究者、さらには盗賊など、どれだけの人が城塞を調べて歩いたことだろう。


各部屋を覗きながら、2階の廊下の突き当たりまで行った時、キースが首を傾げる。


「どうしたのキース?」


「この壁・・・これ偽物ですね。魔法で作られています。どこか近くに魔法陣があるはずです」


!?


「 これが偽物・・・」


組まれた石の溝をフランがなぞる。見た目も感触も石としか思えない。


「恐らく、< 探 査 >にも引っ掛からない様に、魔力が漏れにくくなる処理がされているのだと思います。研究書で読んだ事はありますが、実際に見るのは初めてですね・・・完全に壁にしか見えませんね・・・」


「付近にあるはずの魔法陣を探してみましょう」


皆で周囲の壁にぴったりくっついたり、床に這いつくばったりと目を凝らして探す。


しかし、一通り探したが見当たらない。


(そんな遠くには設置できないと思うけど・・・うーん・・・)


その時、壁際に、置き台とその上に割れた壺が置いてある事に気がついた。廊下を飾っていた調度品だろうか。


(もしかして・・・)


キースはその壺を持ち上げ、置き台を見る。


「ありました!」


3人が寄ってきて覗き込む。そこには置き台とほぼ同じ色で描かれた魔法陣があった。


「この色ではパッと見分からんな・・・」


「あると判っているから見分けられますが、そうでないと難しいでしょうな」


キースは早速魔法陣を書き写している。


(壁の向こうも気になるでしょうに・・・さすがね)


「さて、それでは壁を消しましょう」


魔法陣を写し終えたキースが鞄にノートをしまい、今度はナイフを取り出す。


そのナイフで魔法陣に大きく「✕‬」を書く。


その瞬間、辺りにフワッと魔力が流れる。それと同時に、先程まで壁だった所に隠されていた扉が現れた。


ブックマークやご評価いただけると嬉しいですね!


お手数おかけしますがよろしくお願いします(*´∀`*)

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