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おばあ様は心配性 - 冒険者になった孫が心配だから、現役復帰して一緒にパーティを組む事にしました -  作者: ぷぷ太郎
【第四章】北国境のダンジョンでのあれこれと大貴族の悩み
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第77話

【更新について】


書き上がり次第随時更新となります。


よろしくお願いします。


前回のまとめ的なものを付けています。


「あれ?前回どんなところで終わってたっけ?」という事ありませんか?


私はよくあります・・・

【前回まで】


アリステアとクライブの活躍で、無事魔物を倒したアリステア一行。素材になりそうな物を剥ぎつつ、戻ってからの行動を打ち合わせます。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「取り敢えず管理事務所のベルナル様のところに戻る訳ですが、この後彼の悩み事の解決に関わっていきたいと思います」


「それは構わないのだが、それをこちらに話してくれるかな?」


余計なお世話になってしまう可能性もある。


「自分達で解決できるので、という事ならそれはそれで無理強いはしません。あくまでも部外者ですので。しかし、彼がこちらに来て半年、まだ解決できていないという事は、手詰まりになっているのでは無いのかなと思います」


「それに、こういうのは、散々頑張った挙げ句に、全く関係ない人がいきなり解決してしまうという事もありますしね。なので、ちょっと話を振ってみる、ぐらいな感じで良いかなと」


「分かった。単純に理由も気になるしな」


国内屈指の大貴族の、一族の中でも若く将来もある青年が、わざわざ異動までして調べにきているのだ。そんな秘め事は、中身は話し好きおばあちゃんであるアリステアとフランには興味深い。


「さて、そろそろ魔力も抜けてきた様ですね。クライブ、僕に解体をやらせてもらっても良いですか?」


「おお、構わんが・・・この大きさだし大変だぞ」


「切る部分だけ指示してもらえれば大丈夫だと思います。魔法で刃物を作り出しますので」


キースは、五指を揃えた指先に、< 光の刃 >の魔法を発動させた。1m程の長さにし、クライブの指示通りにタイラントリザードの身体に刃を当て、腕を動かし切ってゆく。


金属製の刃物を使うと、脂が付いて切れ味が落ちたり、着衣が血で汚れたりと大変だが、これであれば身体に触らず切っていける。


通常では考えられない程の短い時間で解体し、素材と魔石を回収する事ができた。


(相変わらず色々な事を思いつく・・・)


アリステアは、自分の頭より大きい魔石を持って喜ぶ孫を見る。


どんな突拍子も無い思いつきでも、数度試すとできてしまう。確かに、「魔法は具現化したい事をいかに強く想像できるか」だが、どれだけ想像力が強ければこれだけの事ができるのか。


(いくら孫とはいえ、別の人間の事だからな・・・考えるだけ無駄か)



「では帰りましょうか!」


「「「了解!」」」


「あ、転移の魔法陣回収しないと・・・」


(おいおい・・・)


右手を頭にやりエヘヘと笑う。可愛い。


来た道を戻り、地上への階段を登る。入口に張ってある結界を解除し、外へ出る。


アリステア達の気配を感じた衛兵が、後ろを振り向いた瞬間眼を見張る。


クライブがタイラントリザードの魔石を腹の前で抱える様に持っていたからだ。


「み、皆さん・・・それ・・・魔石です・・・よね?」


「あぁ、タイラントリザードという大きなトカゲの魔物がいるのだが、そいつの身体の中にあった物だ」


アリステアはざっくりと経緯を説明する。


「では、もう魔物暴走は起きないのでしょうか?」


衛兵は嬉しそうに尋ねてくる。しかし、「魔物暴走」など発生回数が少な過ぎて、果たしてこれで安全です、と言ってしまって良いのか判断がつかない。過去に起こった時の原因も知らないので参考にならない。今回の様に「深層の魔物が上層に来たから」とも限らない。


(最終的な判断はベルナル様に任せましょう)


「とは、思いますが、ちょっと何とも言えませんね・・・しばらく様子をみてからの方が良いと思います。なので、一応塞いでおきますね」


キースはそう言いながら、結界の魔法陣を起動させる。



衛兵達と分かれ管理事務所へ向かい、職員にベルナルへの取り次を頼んだが、奥へ続く扉から本人が出てきた。< 探 査 >で感知したのだろう。


(常に発動しているのかな?大貴族は身の安全も確保しなければならないし、敵も多そうだものな・・・)


「皆さんお帰りなさい。何かわかりまs」


そこまで言ったところで、クライブが抱える魔石に気が付き唖然とする。


「そ、それはまさか・・・」


「ベルナル様、詳しい話はお部屋でも良いでしょうか?」


「あ、そ、そうですね。立ってする話でもありません。どうぞ」



執務室に入りお茶の用意が整ったところで、タイラントリザード討伐までの詳細を説明する。


「大きな別の魔物に追われ外へ逃げ出した、と。そういう事だったのですね・・・」


「はい。もう大丈夫だとは思いますが、念の為、数日様子をみて警戒解除とすれば良いかと思います」


「分かりました・・・では、衛兵達にも口外しない様に言い聞かせないといけませんね」


先程、出入口で警戒していた衛兵達は知っている。彼らが交代して兵舎に戻ってしまったら、間違いなく広まってしまうだろう。


「それでは衛兵隊長に話をして、徹底していただきましょう。早速行ってまいります」


話しを聞いていたアンリが部屋を出ていった。



「それにしても・・・これだけ大きな魔石は初めて見ますね」


キースの頭より大きく、ベルナルと同じぐらいだ。重さも5kgはありそうだ。


「今年はkg当たり42万リアルで取引されていますから、5kgで計算するとこれ1個で210万リアルです」


「・・・」


皆言葉も無い。


「他には、タイラントリザードから剥ぎ取ってきた素材です。加工すると鎧にも使える皮と、口から外してきた歯ですね。クライブの鎧はこの皮でできた物です」


幾つかを袋から出し、ベルナルに見せる。


「ほほぅ・・・大きな個体だけあって、皮も牙もかなりの量ですね。その辺りは、倒した皆さんのものですから、自由にお持ち下さい」


「はい、ありがとうございます」


「もし、使い道が決まったら私にも教えてください。そうですね・・・5の鐘辺りにこちらに来ていただく事はできますか?ご都合いかがでしょう?」


(きた・・・)


「ええ、特にはございません。お邪魔いたします」


「ではお待ちしておりますね。皆さん、この度の依頼達成ありがとうございました。本当に助かりました。またよろしくお願いします」


4人はギルドの支部で依頼達成の処理をして、報酬を受け取とり宿に戻る。


「アーティ、フラン、色々終わったら部屋にお願いします」


「ええ、わかったわ」


部屋に戻り転移の魔法陣や、持っていった道具類を片付け顔を洗う。


アリステアとフランが部屋に入ってきた。ベッドや椅子等思い思いのところに座る。


「先ほどの、ベルナル様からの夕方のお誘いですが、おそらく、彼はそこで自分がここに来た理由をこちらに話すと思います」


「話の流れが妙だなとは思ったが・・・」


アリステアも頷く。


「皆さん、どんな内容だと思います?」


キースが3人を見回しながら尋ねる


「・・・さぁ?」


「ですよね・・・」


さすがにノーヒントでは無理だ。


「という事で、考えても無駄なので、夕方まで身体を休めてゆっくりしましょう」


「そうだな。他にできる事も無いし」


各自、シャワーを浴びたり、昼寝したり、タイラントリザードの牙に魔法陣を刻んだりとのんびりした。


そして、5の鐘が鳴る直前に管理事務所へと足を向けた。

ブックマークやご評価いただけると嬉しいですね!


お手数おかけしますがよろしくお願いします(*´∀`*)

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