表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おばあ様は心配性 - 冒険者になった孫が心配だから、現役復帰して一緒にパーティを組む事にしました -  作者: ぷぷ太郎
【第四章】北国境のダンジョンでのあれこれと大貴族の悩み
77/341

第76話

【更新について】


書き上がり次第随時更新となります。


よろしくお願いします。


前回のまとめ的なものを付けています。


「あれ?前回どんなところで終わってたっけ?」という事ありませんか?


私はよくあります・・・

【前回まで】


遂に魔物暴走の原因と思われる魔物に遭遇したアリステア一行。特殊個体だった事もあり、一旦撤退して状況と情報を整理し作戦を練ります。クライブから「私とアーティで戦いたい」と意外な申し出を受けキースは了承しました。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


アリステアとクライブは、長年同じ家で暮らしてはいるが、冒険者として一緒に活動した事は無い。昨日ゴブリンやコボルト相手に戦ったのが初めてだ。(王都の冒険者ギルドの待合室で暴れたのを除く)


お互いに、できるだけ早く、連携、魔導具の身体、新しい武器に慣らしてゆく必要がある。


それをこの強敵相手でするのは無謀な気もするが、あまり弱いとすぐに終わってしまう。それに、キースとフランも万全の体制で待機している。何かあってもフォローが利くし、タイラントリザードがいるせいで、他の魔物は寄ってこない。これだけ条件が揃った状況は中々無いだろう。


アリステアとクライブは、先程のタイラントリザードの動きと攻撃パターンを思い出しながら、相手の攻撃に合わせた自分達の動きを打ち合わせる。


「よし、キース。もう大丈夫だ」


「分かりました。では魔力付与エンチャントをしますね」


「私は念の為全員に< 身 体 強 化 >を掛けます」


キースが魔力を付与すると二人の武具が青みを増した。刃はより鋭く、鎧や盾はより硬く衝撃を殺す。


「では戻りましょう。いきなり目の前にいる可能性もあります。それは承知しておいてください」


皆頷く。


「では、起動」


一瞬で景色が変わり、先程の草原に出た。


幸い、タイラントリザードは目の前にはいなかったが、すぐにこちらの存在に気が付いた様で、ゆっくりと近づいてきた。


先程と同様、クライブを前に、アリステアはその右後方に位置を取り、警戒しながら間合いを詰めてゆく。


クライブのメイスが届くまで後2歩程の距離まで来た時、タイラントリザードが動いた。


今度はクライブの左側から噛みつきにくる。


クライブは先程は盾で受け流したが、今度はメイスでカウンターを取ることにした。


大きな牙が生え揃った巨大な口を目一杯開けて迫ってくる。


それに合わせて、メイスを振りかぶり相手の口の上、鼻面の辺りに思い切り叩きつける。


ガッギィィン!!


まるで金属同士がぶつかった様な音が響き渡る。


クライブのメイスとタイラントリザードの頭、どちらも弾かれた様に宙を泳ぐ。


先程は噛みつきの後、勢いを利用して尻尾を叩きつけてきたが、バランスを崩しているせいか今回はしてこない。そのまま距離を取る。


(やはりかなり硬いな・・・)


しかし、アリステアとクライブは、殴りつけ身体が泳いだ瞬間、タイラントリザードの動きが一瞬止まったのを見逃さなかった。


「一応効いてはいる様ですな!」


「ああ!隙きを見つけて殴っていこう!」


頭の中に脳が収められているのであれば、脳が揺れる頭部への打撃は、どんなに身体が大きくても効果がある。


タイラントリザードは、自分に攻撃を加えてきたクライブを標的と定めたのか、頭を前に出した突進を執拗に仕掛けてきた。


噛みつきなら武器や盾を合わせる事もできるが、体重の乗った突進では避けるしか無い。


しかし、< 身 体 強 化 >の効果もあり、重装備のクライブでも動きは軽い。


突進を根気よく避け続けているうちに気が付いた。


(息があがってきている・・・巨体のくせに走り回っているせいだな)


「アーティ!奴は突進のし過ぎで疲れ始めている様です!」


「了解した!タイミングを見て狙うぞ!」


疲れと、クライブを捕まえられない苛立ちからか、タイラントリザードは一際大きな咆哮をあげると、クライブの右側から噛みつきにきた。


(きた!)


クライブは盾を掲げ、何度目か判らない噛みつきを左下へ受け流す。


(綺麗に受け流せばおそらく・・・)


やはり遠心力を利用して身体を回転させ尻尾を振り回してくる。


(それはもう解っているぞ!)


「クライブ!伏せろ!」


クライブの左側には、一刀を両手で持ち構えるアリステアがいた。


ショートソードに思い切り魔力を込める。


クライブは、自分の前方の地面に向けて頭から飛び込み伏せる。


「おおおらぁあああっっ!!」


アリステアは、自分の右上から迫る尻尾に向け、タイミングを合わせてショートソードを叩きつけた。


一瞬「キィン!」という澄み渡った音が響き、タイラントリザードの尻尾はその半ばで断ち切られた。


本体は、尻尾を失った事によりバランスが取れず、地面に倒れ込む。


すかさずクライブが盾を捨てて駆け寄り、頭を目掛けて、両手で持ったメイスを水平に振り回す。


腕だけで振るのでは無く、前から飛んでくる球を打つかの様に、脇を締め腰を起点に体ごと回転させる。


「はあああぁっ!」


ゴッギィィィィンン!!


タイラントリザードの動きが止まる。


止まったところをさらにもう一発、二発とスイングする。タイラントリザードは脳震盪を起こしぐったりと倒れ込んだ。頭蓋骨にヒビも入っただろうか。


そこに今度はアリステアが飛び掛かり、思い切り体重を乗せて、首と頭の境い目辺りにショートソードを突き立てる。ミスリル製のショートソードは、柄まで一気に刺さり、刃先は反対側に飛び出た。


引き抜き離れると同時に、傷口から高々と血が吹き上がる。


タイラントリザードはそのまましばらく痙攣していたが、首から吹き出る血が収まる頃には、完全に動きを止めた。


そこまできて初めて、二人は大きく息を吐いた。顔を見合わせ、ニヤリと笑いながら拳をゴツンと合わせた。


離れたところで手に汗握っていたキースが駆け寄ってきた。興奮で瞳を輝かせ、頬をピンクに染めている


「お二人共お疲れ様でした!いや~相手の動きを読み切っての素晴らしい連携でしたね!倒した後のニヤリからのゴツンがまた・・・くぅ~溜まりません!」


(やはり好みだったか・・・ほんとベタなのが好きだなキースは)


「さて、このタイラントリザードはどうしましょうか・・・皮とか牙とか素材になりますよね?」


「そうだな。今はまだ魔力が体全体に回ったままだから、皮が硬過ぎて剥げんな。皮を剥ぐのは魔力がある程度放出してからですな」


魔物は死ぬと、魔石以外の部分からは徐々に魔力が抜けてゆく。


「では、休憩がてら今後について打ち合わせましょう」

イビ◯ジョー?は部位破壊までされ、無事討伐されました。


ブックマークやご評価いただけると嬉しいですね!


お手数おかけしますがよろしくお願いします(*´∀`*)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ