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チャット#1

「いっけー! ブリリアントアロー!(神恵)」

 ちゅどぉぉぉぉぉん!

「すげー。カオティックが一発だ(奏治)」

「なんか、お姉ちゃんの戦い方ってすごい豪快だよね。悪く言って、雑ってことだけど。お姉ちゃんって、戦い方とか知ってる?(ジル)」

「ううん、全然」

「おい!(盾)」

「お、お前何処行ってたんだ? ちょっと前から姿が見えなくなっていたけど」

「枝にマントをひっかけて、ちまちま取ってたね。マント大事なんだね(ジル)」

「当たり前だろ。――じゃなくて、カミエ! お前は戦うなって何度言えばわかるんだ(盾)」

「ごめん……。でも、モンスターなんてさっさとやっつけちゃえば良いじゃない」

「俺がいれば問題ない(盾)」

「時間かかるのは嫌だよ。いつまでも騒がれてちゃ落ち着かないし(ジル)」

「お前は黙ってろ!」

「それと、お姉ちゃんは時々力を使った方が良いよ? こういうアストラル力は外に出すのが一番だから。不安定になっても、あたしがチューニングしてあげるし」

「ジルちゃんありがとう!」

「……っ」

「少し休憩しないか? あっちに水のうまそうな川があったんだ」



「あー、おいしい。ソウジ偉い(神恵)」

「ほら、食いものも捕まえてバラしてきたぞ。焼いてくわないか?(奏治)」

「お昼から肉?(ジル)」

「な、何だよその眼……俺に果物探して来いって言うのか……?(奏治)」

「いってらっしゃい、お兄ちゃん。お兄ちゃんが行ってる間にこのお肉焼いといてあげるから」


「へんな肉の色の動物……(神恵)」

「魔獣化した栗鼠か?(盾)」

「モンスターってあんまりおいしくないよね(ジル)」

「魔獣化? 魔獣化って何、ジュン?」

「……」

「もう……そうしてれば私が諦めると思って。――ジルちゃん、知ってる?」

「知ってるよー」


「いわゆる魔獣モンスターってね、まぁ何種類かあるんだけど、あちこちにある魔法に関わる場所に触って凶暴化した動物が一番多いかな。世界は物質マテリアル精神アストラルの二面で出来てるじゃない。重なり合ってるけど、互いに干渉できないマテリアルとアストラル。だけど時々マテリアルとアストラルが繋がってる場所があって、そういう場所に行くと、動物のアストラルは人に比べて弱いから影響を受けておかしくなっちゃうんだよね。――そういう場所は人間でも危ない時があるけど、普通は動物だけだね、モンスターになるのは。

「他にはね、ほとんどアストラルで出来た存在の中で、人間を狙うやつのことをモンスターって言うね。そういうのは普通マテリアルの世界には干渉できなくて、アストラルの生き物はアストラル的な世界の一面で暮らしてる。あたしたちマテリアルの存在が物質の世界だけで生きてることと同じだね。でも時々マテリアルに顔を出せるアストラルの生き物がいて、別に顔出してもいいんだけど、暴れるとモンスターとしてやっつけちゃう。けどね、普通の人間はマテリアルの攻撃しかできないから、アストラル体に攻撃しても全然だめなんだよね。向こうは何だか知らないけどこっちに攻撃できるのが困ったところ。

「あと最後にもう一つ、お姉ちゃんも良く知ってる混沌獣カオティックがあるね。――え? 名前しか知らない? ――カオティックはマテリアルとアストラルの成分を同じくらい持ってて、マテリアルで凄い攻撃をいくらしても半死くらいでなかなか倒せない。おまけに『混沌の闇』っていう物質マテリアル精神アストラルも好きなだけ作り出せる力を持ってて、傷つけてもどんどん回復する。ただマテリアルの世界に出てる限りは、アストラルが損傷しても回復が遅めで、だからアストラルの攻撃のほうが良く効く。

「ジュンお兄ちゃんの『魔法剣』はマテリアルとアストラルの両方のダメージを与えられるからカオティックに良く効くね。あたしの『音楽』はマテリアル・アストラルの限りなく平等に効くし。――この話はまた今度ね。――あとカオティックを倒せるのは、お姉ちゃんの持ってる『混沌の光』って力。――え? 自分の力に名前なんてついてるのかって? ――『混沌の光』は存在を分解する力があるから、『混沌の闇』と打ち消し合うんだよね。この混沌っていうのは、有でも無でもない万物が作り出される始原の状態。そこから何かを汲みだすのが混沌の闇で、還すのが混沌の光なんだよ」


「「良く知ってる」「な」「ね」


「あ、お兄ちゃんお姉ちゃん息ぴったり」

「(怒)――それは吟遊詩人としての知識か?(盾)」

「そうそう。吟遊詩人は何でも知ってるんだよ。旅してたら自然と覚えたところもあるけど(ジル)」

「すごーい。もっとお話ししてほしいな」

「うん、いいよ。――あ、ソウジお兄ちゃんが帰ってきたよ」

「ソウジー、おかえり」

「ただいま。――俺思ったんだけどよ、ジュンを連れてけばよかったよな」

「ご苦労だったソウジ(盾)」

「その上から目線なんだよ。……ったく、ほら、これ喰ってみたらうまかったぞ」

「なんだろ……蜜柑みたい(神恵)」

「うーん、まあまあ……いや、なかなか……ありがとう、ソウジお兄ちゃん」

「はっはっはっは……ジュン、お前は食べないのか?」

「いらん」

「ジュンは生ものは食べないよ。戒律なんだって。ケーキも食べないの(神恵)」

「他にもタブーがあるのか?」

「教える必要があるのか?」

「お前、友達できないぞ」

「それがね、ジュンにも友達がいるんだよ(神恵)」

「へー。会ったことあるの? どんな人?(ジル)」

「変な人だった(神恵)」

会話録です。各話の間に入れて、いろんなことを解説させていこうかと思います。

やっぱり年度が始まると忙しくなってきますね。

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