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チャット#4

「うわー、今日暑くねぇジュンよぉ?(奏治)」

「確かに日差しは強いな。しかし騒ぐことではない(盾)」

「お前が騒いでいるところを見てみたいよ」

「……コソコソ……(神恵)」

「(ん? カミエは何を……)(奏治)」

「ペロッ」

「うわ!(盾)」

「あははははは、ジュン驚いた!(神恵)」

「おぉまえぇ! このくそ暑い時に人の首筋舐めるとかさらに暑苦しいまねしてんじゃねぇよ!」

「「うわージュンがキレた(神恵&奏治)」」

「やっぱり暑いんじゃねぇか」

「んだと!?」

「ジュンお兄ちゃん口調が俗っぽくなってる。いっつもは怒っても気取った感じが残っているのにね。――よっぽど頭に血が上ってるんだ(ジルコニア)」

「本当だな。あいつは怒っても口調が乱れないんだけどな」

「それにしても暑いねー。私たち北に向かって歩いているんだからちょっとずつでも涼しくなる気がするんだけど、どうも暑くなってばっかりだよ? そういえば、どうして北の方が涼しいのかな?(神恵)」

「え? 南が暑いからじゃないのか? いや待てよ、俺達の世界は平らで四角いちょうど正方形くらいだと言われているな。太陽は世界の真ん中の線を東から西に回っているから、そう考えると暑いのは世界の北端と南端の中間の線上で、それより南に行けば涼しいのか?」

「ソウジお兄ちゃんひょっとして馬鹿だったの? 赤道も知らないみたいね」

「ば、馬鹿!?(奏治)」

「うわぁ。こんなコーダと旅していたなんて、吟遊詩人史に残る赤っ恥だぁ」

「――あ、ソウジが沈んだ。でもそしたら、私達はまだ世界の半分を越えていないってことかな?(神恵)」

「お前、自分がどこ歩いているかも知らないみたいだな(盾)」

「うん、全然わかんない。教えてジュン」



「いいか? まずこの世界には七の大きな島がある。俺達が今いるのは七の中でも一番広大なアルギリアド大陸で、その北端、ガズニ半島にいる。この大陸は周辺を山脈で囲まれていて、だから海に近づくに従って山道を歩く破目になるということだ。ここの山道を越えるとエスタード港に着き、そこから対岸のウマイヤ港、世界中心大陸であるホラーサーン大陸に到着し、その中心の神聖都市・大ファティマに向かうのがとりあえずの進路だ。アルギリアド大陸は赤道の南にあり下の方は寒い。ホラーサーン大陸は赤道が横切っているからそこに近づくほどに気候は熱帯になる。

 国でいえばここらへんはサーディク神聖帝国の領地だ。サーディクはこのアルギリアド大陸ではガズニ半島を中心とした四半分を、ホラーサーン大陸ではそのほとんどを握っている強力な国で、諸国の中で一番一神教が広められ信仰されている。神の加護を得て、国同士の戦争で教会騎士が参戦するのが認められているのもこの国だけだ。またアルギリアド大陸にある他の二国はサーディク帝国の友好国であり国境を越える際にも特に俺のような教会騎士ならほとんど自由に行き来できる。ソウジとジルコニアと会ったのはサーディクの南にあるアルボラン公国の街だな。

 国教として一神教が定められているが強制されているわけではないから無信仰、または他の信仰を持つ者も少数だが存在している。しかし国全体に伝わる慣習には一神教に由来する者が多く、一神教徒でなくともその観衆には従っている。例えば料理でいえば生のものはほとんど食べられない。ホラーサーン大陸は砂漠がほとんどで砂塵や日射を防ぐためにフードを男も女もよく被るが、これも一神教の教えに則し華美なものは避けられる。語彙の中にも神に関する言葉が見受けられる、などだ。

 最高権力者には壱津いつの家系から選ばれるが、選考は前王や大臣ではなく一神教の最高指導者である法王ラフバルが国政から独立した立場で選出する。その基準はもちろん神への信仰心を第一とした指導者としての適正であり、選ばれた王は折にあっては法王に助言を求めることもある。基本的には一神教は政治から一つ引いた立場であるのだが、このサーディク神聖帝国においては他国に比べて積極的な介入が認められそのため神の加護を得た国とされる。とは言っても国政に関する命令に一神教徒が必ずしも従う必要はないとも認められているんだ。

 さきほども言ったがこれから向かうホラーサーン大陸は砂漠に覆われ、年中暑く乾燥した気候になっている。せいぜい倒れないようにしろよ」



「はいはーい、質問! サーディクの特産品は?(神恵)」

「お前が言うのは食いものか? 食品なら香辛料とそれらを使った料理だろうな。それよりも芸術がどの国よりも発達しているから、建物や細密画などは見ておくべきものだ。神聖都市大ファティマのガンドルフォ大聖堂はそれら芸術の粋を集めて作られているから見れば一生の記憶となるだろう。陽に輝く黄金の尖塔、穢れなき白亜の外壁……あぁ、思い出しただけで素晴らしいな」

「一人で悦に入っているぜ(奏治)」

「こういうところは筋金入りだからね(ジルコニア)」

「んー、私も行くのかぁ。あんまり教会とかそういうところは行きたくないっていうか入れないって言うか。――そ、そういえばエスタードといえば海水浴場だよね! 海で遊べる!(神恵)」

「お、海か。そうだな楽しみだな(奏治)」

「……遊ばせなければならないのか……船の運航しだいだな」

読者数少なくてピンチです。このままなら辞めるかもです。

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