金と修羅場と妹
結夢とのイチャイチャが項を奏したか、あの後俺の小説はゆっくりとだが読者が増えランキングにも載った。
そしてここぞとばかりに俺は書きまくった。その時結夢はそっと俺を見守り、料理は出来ないなり頑張ってくれ、洗い物洗濯もこなし、俺が頼めばイチャイチャ……取材もさせてくれた。なんだこの娘は天使なのか? 俺は益々結夢の事が気になっていた。そして今日結夢のとんでもない秘密が一つ判明したそうあの鞄の中身である。
「あ、そうだ今日バイトだ」
「そうなの?」
「あ、うんもうすぐ行くから今日はちょっと留守番しててくれ」
「いいけど……お兄ちゃん小説は?」
「え? いや、バイトだから今日は書けないかもなぁ」
「ええ? なんで書かないの? こういうのって毎日書かないと駄目なんじゃない?」
「いや、まあそうなんだけど、でも小説を書いて食べていけるわけじゃないし、まだ全然そういう段階じゃ無い、とにかく生活しないといけないし」
「えーーーーそうなの?! お兄ちゃん結構読者さんいるじゃない?」
「居るって言ってもオファーが来るような人数じゃないし……かといって公募も1次までだし……」
駄目なんだ全然……本当作家ってなりたくてもなかなかなれない職業でもダントツなんじゃないだろうか? 逆に言うと誰でもなれるっていう職業でもあるっていう。
「そうなんだ……でも書かないとなれないんでしょ?」
「いや、まあそうなんだけど、その……やっぱり先立つ物が……」
「先立つ? ああ~~お金の問題? なんだ~~あははははは」
「……なんだって、結夢の食費だってバカにならないんだぞ?」
お前結構大食いなんだぞ! 米代もバカにならないんだぞ! その長い髪を乾かすのにどれだけの電気代がかかっていると思ってるんだ!
「うん、だから早く言ってって、ちょっと待ってね」
結夢はそう言うと部屋の隅に置いてある自分のバックの中ごをそごそと漁る。
服や下着を鞄から外に出すと手を奥に突っ込んだ……あれってひょっとして、そう思ったその時、結夢はとんでもない物を鞄の奥から取り出した。
「はいお兄ちゃんこれあげる~~」
結夢がバックの奥から取り出したのは札束……それが5束、これって500……?
「ちょっ!」
「これ使えばバイトに行かなくてもいいよね? 足りないならまだあるよ」
「いやいや、ちょっと待ってくれ、え? これって」
「大丈夫私のお金だから」
「私のって……え? なんでこんなに……そもそも結夢って記憶が……」
「ん? 私の鞄に入ってたから私の物じゃない?」
「いや、そうだろうけど……」
「いいから、使って!!」
「いや……でも」
出所のわからないお金、そもそも結夢のお金だとしてもハイそうですかと貰えるわけないだろ?
「やだやだやだやだ、お兄ちゃんとずっと一緒にいるの! 貰って使って!!」
そう言って駄々っ子の様にジタバタと暴れる結夢……パンツ見えてるし……
「わかった、わかったから、じゃあ借りる、借りるから、な、俺がデビューできるまで借りるから」
「えーーーーあげるよお~~~」
「いや、さすがにそれは……」
「まあ、いいや、じゃあずっと一緒に居れるね、お兄ちゃん!」
そう言って微笑む結夢、でも気のせいかその顔は少し狂気に満ちた顔をしている様な気がした。そして俺はこの時の結夢の顔を一生忘れない事になる。
それから俺は結夢とずっと一緒に居るという生活が始まる。
「お兄ちゃん今日はどうする?」
「えっとハグかなぁ、ほっぺたツンツンと、膝枕セットで頼む」
「は~~~~い」
小説を書く前に結夢とイチャイチャしてから書くという事が日課になっていた。
いつもの通りベットで結夢とイチャイチャしていると、突然玄関の扉が開いた。
扉が開いた直後、俺と結夢はハグをしている最中だったので、二人で抱き合いながらそっちの方向を同時に見たすると俺たちが見たと同時にその人物も俺たちを視認したらしく一瞬動きが止まる……そしてその数秒後……
「きゃああああああああああああああ!」
俺と結夢が抱き合っているのを見たその人物は一瞬の静寂の後に悲鳴を上げた……
「え? え?」
結夢が戸惑う、そりゃそうだろ……しかし俺は戸惑っていない、なぜなら事態を把握しているから……そう、いきなり部屋に入って来たその人物は……
「に、に、兄ちゃん!! そ、そいつ……誰?!」
俺の実の妹だったから……
どこまで書けるかわかりませんが
心が折れたら削除します。
大変申し訳ありませんがご了承くださいm(_ _)m