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到着してみた

~前回のあらすじっぽいの~

ジープで草原を走ってたら怖いウサギにどつかれた!

一匹ペットにして何事もなかったかのように彼らは走り続ける……

《ジープの中》

後「まだ着かないの?」

草「まだだよ。あと2㎞ぐらいある」

後「ふーん……まあいいや。それより気になることがあるんだけど……」

草「何?」

後「出発前にイゾルデさんに国までの距離聞いたじゃん?」

草「うん」

後「あの人『5㎞ぐらい』って言ってたんだけど、コレっておかしくね?」

草「なんでさ?」

後「宇宙レベルで世界が違うのに、なんでモノの単位が一緒なのかと思ってね」

草「ああ……そういえば説明すんの忘れてたな」

後「ん?」

草「はい」


草架が渡してきたのは、紅い正四面体形の宝石っぽいのがついたネックレスです。


後「ナンダコレハ」

リ「スッゴーい! きれい!」

前「ちょっと見せて」

後「ほい」

南「俺も見たい」

前「ちょっと待ってて」


草架はギャーギャー騒いでる連中が黙るのを待ち、解説を始めました。


草「それね、翻訳の魔石っていうらしいんだけど」

後「随分と安直だな?」

草「その石は念話的な感じで相手の脳内辞書に載ってるそれっぽい言葉に変換して耳に届けてくれるんだってさ」

後「へえ、なるほどね。効果範囲は?」

草「声が届けば距離は関係ないらしいよ」

後「すげえな」

草「まあ、自動翻訳指向性スピーカーとでも思っておけば良いよ」

後「分かりにくいけどね、その例え」

草「余分に貰っといたから石本体はあげれるよ。ネックレスとかにするんならテキトーにどっかで見繕ってきて」

後「りょーかい」

前「はいよー」

南「分かった」


草架はポケットから翻訳の魔石を3つ取り出すと、後畑に渡しました。

そのまま後畑が前田と南に魔石を渡していると、ジープが減速しはじめました。


後「着いた?」

草「うん」

前「初の異世界町……ちょっとドキドキするな」

南「思ったより頑丈そうだな……砦はコンクリ製っぽいな」

草「ジープで乗り付けると目立つからちょっと遠い所に停めるよ」

後「はいはーい」


※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 

《グランドバルド王国/王都門前》

後「なんかスッゲー」

前「異世界らしい検問所……」

南「異世界っぽい人々……」

前&南「「ホントに異世界だっただとお!?」」

後「だから言ったじゃん」

前「だって後畑情報だし」

南「だって後畑情報だもんな」

後「俺って信用無さすぎない?」

草「まず畝傍の外に出た時点で気付かない?」

前「超高性能VRかと……」

南「クオリティー高めの夢かと……」

草「じゃあ何で今気づいたんだよ……」

前&南「確かに何で?」


後畑達はワチャワチャしながら検問の列に並ぼうとしますが……


イ「あっ……すまないがこっちに来て貰えないだろうか」

後「どったの?」

イ「我々はこっちの裏口から入るから並ぶ必要はないんだ」

後「へえ……ま、さっさと行きますか」

リ「町……」


リディアはなにやら暗い顔をしています。


後「どうした?」

リ「え? 何でもないよ!」

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 

《グランドバルド王国/王都》

イ「こっちだ」

後「どこ行くんだっけ?」

イ「王城だ」

後「えーっと……なんで?」

イ「王はアロイス団長に怪我をさせた男に興味があるそうだ」

後「へえ、面白い王様だな」

草「失礼のないようにね?」

後「多分大丈夫だ」

草「多分はやめて欲しいなあ……」


イゾルデを先頭に町を往く風変わりな集団に、町の人々は興味津々なようです。

特に子供達は、後畑に目を向けています。

恐らく、やたらゴツくてカッコいい武器をわんさか抱えているからでしょう。


後「なんか見られてる……」

草「まあ、お前目立つし諦めなさい」

後「クッ……こんな男か女か分からん顔じゃなけりゃ!」

草「どちらかと言うと武器の方」

後「なるほど……」


そして、一部の少年は後畑の横にいるリディアに目をつけたようです。


リ「はわわわわ……誰かに見られてる」


リディアは後畑の服の裾をぎゅっと掴み、身を寄せました。

後畑とリディアにサンドイッチされたラビちゃんは、かなり苦しそうにしています。


後「リディア、抱きついてくるのは良いんだが、ちょっと力を緩めてやってくれ。ラビちゃんが死にそうだ」

リ「あっ……ごめんね、ラビちゃん」

ラビ「キュ!」

リ「許してくれるの? ありがとう!」


ウダウダとお喋りしながら歩いていると、よくある中世風市街地から、無骨で頑丈そうなコンクリートの建物郡に、景色が変わっていました。


後「王城っぽくねえな」

イ「ここは王城前の詰所だ」

後「それにしては矢狭間とかちらほらあって要塞って感じだけど」

イ「王都に侵攻された時の最後の砦だからな」

後「王都まで侵攻されてる時点で終わりでは?」

イ「……ごく稀に諜報員が設置した転移魔方陣で王都目前に敵が現れる事もあるので」

後「うわあメンド臭い!」


要塞を抜けると、豪華で立派な門が見えてきました。

門の前には騎士が立ち、門の上も、銃を持った騎士が巡回していて、かなり物々しい雰囲気です。

そしてイゾルデさんは黒い箱に話しかけています。

無線でしょうか?


後「これが城門?」

草「そうだよ」


ゴゴゴゴゴゴゴゴ……


重い地響きのような音をたて、大きく、分厚い門がゆっくりと開いていきます。

どうやらイゾルデさんが門を開けろと指示したようです。


イ「さあ、門も開きましたので行きましょう!」


※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 

《グランドバルド王国/王城/入り口》

城に入ると、イゾルデさんに使用人が走りより、なにやら耳打ちしています。

すると、イゾルデさんは使用人に一言礼を言ってから後畑達に向き直りました?


イ「謁見まで時間がかかるそうだ」

後「なんで?」

イ「ここまで早く帰ってくるとは思っていなかったそうでな。今、大慌てで準備を進めているそうだ」

後「りょーかい……俺達どうすんだ?」

イ「応接室に案内しよう。そこで準備ができるまで今しばらく待って欲しい」


※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 


《グランドバルド王国/王城/応接室》

後「俺帰りたい」

草「キラキラ苦手なのは分かったから落ち着きなさい」

後「だって上下左右どこ見てもキラキラだよ!? 落ち着けるワケねーだろ!」

草「はい深呼吸ー。吸ってー吐いてー」

後「スー、ハー、スー……やってられっか! こうなったら早めに謁見済ませて脱出するしかないな……!」

イ「そんなに早く帰りたいのか……?」

草「あー、こいつキラキラした内装とかが大の苦手でね。偉い人の護衛とかは本当に大変だったよ」

イ「そうか……変わり者だとは思っていたがここまでとは」

草「うん。超ド級の変わり者だよ」

後「うう、早く無骨でキラキラのない船室に帰りたい……」


後畑は絢爛豪華なキラキラが気になって落ち着きがなく、リディアは絢爛豪華なキラキラに目を奪われ、その他の連中はいつも通り過ごしています。


リ「あ、あのっ……」

イ「どうした?」

リ「わたしと……この子も、ここにいてもいいんですか?」


リディアは心配そうな顔で、ラビちゃんを抱きかかえ、イゾルデを見上げながら聞きました。


イ「勿論、良いよ。我らが王に謁見するのに、そこまで気構えは要らない。それに、王は元々『方舟』の関係者を全員連れてこいと仰っていたしな」

後「それで前田も南も連れてきたワケだ……」

草「ところで後畑、なんでさりげなく窓辺に寄っているのかな?」

後「っ……クソッ!」

草「逃がさないよ!」

南「俺も邪魔するゾォ」

後「ナンデ!?」

南「なんとなくだ!」


後畑は何度も脱走を試みますが、草架と南に毎回阻止され、全て未遂に終わっています。

リディアは落ち着きの無い後畑を、物珍しそうに見ています。


ガタッ、バン!


後畑と草架が睨みあっていると、唐突に部屋の扉が勢い良く開け放たれました。


?「ここか!? アロイスをぶちのめした者がおるのは!!」


なんか高貴そうなロリっ娘が部屋に飛び込んで来ました。

目を爛々と輝かせ、期待に満ち溢れた目で何かを探しています。


イ「ひ、姫様!?」

姫「うむ。謁見の間の準備が待ちきれんのかったので余じきじきに会いに来たのだ!」

イ「いえ、しかし……」

後「やけにハイテンションだなオイ!?」

姫「もしやお主がそうなのか?」

後「うんソウダヨ」

姫「聞いていたより面白そうではないか!では話を―――」


姫は、最後まで台詞を言い切ることができませんでした。

なぜなら、後ろから伸びてきた手に、首根っこを捕まれてしまったからです。


姫「ぐえっ」

?「だめですよ、グレーティア。もう少しで準備も終わりますから」

姫「お母様!?」

母「あなたは堪え性が無さすぎです。もう少し我慢というものを覚えなさい」

姫「でも……準備長すぎるんだもん」

母「つべこべ言わないの! ……ご免なさいね、お騒がせしちゃって」

後「いえいえ、元気なのは良いことですよ」

草「お姫様が深窓の令嬢だと接しにくいしね」

母「ふふっ、ありがとう。では、行きますよ」

姫「待ってお母様私もお話したいー……!」


お母さんといつの間にか現れた数人のメイドに引きずられ、姫様はフェードアウトしていきました。


後「嵐のようだったな」

イ「姫様が元気なのは良いことだが……はあ、あの元気さを王子にも分けることができれば……」

後「まーでも、元気系のじゃロリは可愛いからねー」

草「そこよりも王子のくだりに注目しなさい」

後「ちなみにその王子クンは何か問題でも抱えているのかね?」

草「重度の人見知りで、かなり内気」

後「あちゃー……公務とかできない系かぁ」


後畑が何だかんだで脱走を諦め、リディアはラビちゃんをモフり続け、他のは黙って椅子に座っています。

すると……


コンコン、ガチャ


メイド「皆様、謁見の間の準備が整いましたので、ご準備を」

後「やっとかー」

草「じゃあ、着替えようか」


皆の正装はアホみたいに嵩張るので、テキトーに四次元麻袋に放り込んで持ってきています。


後「そうだ、南!」

南「なんだどうした?」

後「コレ、あげる」


後畑は、どこからともなく布で包まれた棒状のナニカを取り出し、南に手渡しました。


南「ん? ……こ、これは!」

後「お前だけ軍刀無いのは不格好だしな」

南「素晴らしいじゃあないか!」

後「お前が欲しがってたバ○ルソードを実現してみた。まあ、壊れない機能はまだ付いてないがな!」


南に手渡されたのは、金色の細身の剣二本とそれ用のマウントアタッチメントでした。

後畑の言う通り、どっかのアニメの革命家が使っていたものとそっくりです。


後「さーてと。着替えましょうか」

草「早めにね?」

後「わーってるよ」


そして、何だかんだで無事に着替えも終わり―――


後「じゃ、王様の顔を拝みに行きますか!」

次の投稿も何時になるか分かりません……ご免なさい

次はキリが良いので設定一覧にしようと思うので直ぐに出せると思います

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