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Dendrobium 〜身勝手な君は〜  作者: し〜ま
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皆さんこんにちはし〜まです。

今回は第2章を書かせていただきました。


朝、目が覚めた彼はすぐに携帯を開くと、通知の欄に彼女がフォローを返してくれたという知らせが入っていた。ゆっくりと昨日のことを思い出しながら、朝の支度をするために、自分の部屋を出ていった。


支度を済ませ、家を出ると外は晴れ空が広がっていた。彼は昨日彼女から借りた傘を左手に握りしめて学校に向かった。


校門まであと100mあたりのところで、彼女とばったり出会った。


「藍元さんおはよう。あ、昨日は傘ありがとうね。」


「桐島くんおはよう!いえいえ、桐島くんが風邪を引かなくてよかったよ。」


彼女は朝日にも負けないような眩しい笑顔でそう言った。二人はそのまま一緒に登校して、自分たちの教室まで一緒に上がっていった。


その後お互い教室へと入り、彼は仲のいい友人達と談笑を始めた。その会話の中で、彼女の話題になっていた。


「隣のクラスの藍元さんめっちゃ可愛くない?」


「分かる、俺この前の合同授業の時に話したけど、惚れる一歩手前だったよ。」


「まじかよ!?いいな、俺も藍元さんと話してみたいな〜。」


そんな会話を適当に聞き流しながら、彼は昨日の出来事を思い出して優越感に浸っていた。


「そういや桐島。お前朝藍元さんと教室まで上がってきてなかった?」


「え?まじ?一人で抜け駆けしてんじゃねえよ。」


「やかましい。俺はただ藍元さんに会って、昨日貸してもらった傘を返しただけだよ。あっ、、、」


彼はこのグループの会話にとんでもない爆弾を投下してしまったということに、爆弾を投下した後に気づいてしまった。


「お前、藍元さんの傘を借りたのかよ!どういうことだよ!」


「これは裏切り者確定かな、、、とりあえず全て話せよ。」


彼は昨日の出来事を全て話すことになったしまった。


「なるほど、確かにお前がテスト前に学校で勉強して帰るのは知っていたけど、まさか昨日は藍元さんと一緒に勉強してたとはな、、、」


「まあたまたまだよ。藍元さんいつもは仲良いグループと一緒に勉強してるし。」


「ふーん、まあいいや。俺も今日は学校で勉強して帰ろ。


「いや待て、何故そうなる?」


彼の友人であるNは、藍元さんと少しでも近づきたいと、放課後一緒に残ると言いだしたのだ。 彼は表向きは平静を装っていたが、内心は焦ってた。


「このままお前に抜け駆けさせても堪らないし、藍元さんとの距離を近づけるために残る!」


「えぇ〜、お前そんなキャラじゃないじゃん。」


「それはどうでもいい。お前こそそんな焦るキャラか?」


どうやら彼の内心は周りから見てバレバレだったらしい。


「違うよ。まあ好きにしたらいいよ。藍元さん来なかったら俺と仲良く勉強な〜。」


彼は心の内を覗かれていたことに対して、少し不快な気持ちになっていた。


そして放課後になり、彼とNはテスト勉強を始めた。いつものように隣の教室からは明るい声が聞こえていた。今日は彼女は来てくれないという事実を受け入れざるを得ないというところで教室のドアが開いた。


「おじゃましまーす。桐島くん今日もいいかな?」


彼女が入ってきた。彼女は教室を見渡し彼以外の存在に気づくと、


「あ、ごめんね。もしかして今日はN君と勉強する予定だった?邪魔になったら嫌だし戻るね、、、」


「待って!全然邪魔じゃないし、むしろ藍元さんがよかったら今から一緒に勉強しない?Nもそのほうがいいよね?」


「お、おう俺たちでよかっとら一緒に勉強しよう!」


彼は彼女を必死で引き止めた。


「いいの?じゃあそうするよ!」


そうすると彼女は机を寄せて勉強の用意を始めた。


そこからは勉強したり、お喋りをしたりの繰り返しだった。Nはまだ彼女に緊張気味で、それをじわじわとイジるのが彼は楽しかった。それからも毎日放課後に三人で勉強をしながら、他愛をないことを話していた。


放課後テスト勉強も残り2日となった時、彼はなぜか心が落ち着かずにいた。それは、彼女とNが加速度的に仲良くなり、彼を置いてけぼりにして会話を展開するほどになっていたからだ。


彼は焦っていた。どうすればNよりも彼女と話すことができるのか。仲良くなることができるのか。彼女は彼の方に振り向いてくれるのか。考えれば考えるほど分からず、彼は彼女が自分から離れていくように感じていた。目の前では楽しそうな会話が展開されている。けどその輪の中に彼は入っておらず、ただその会話を聞いているだけだった。


彼はNを放課後残ることを了承したことについて後悔した。そんな状況の中彼は動いた。


「ごめん、俺もう帰るね。」


「え?早くない?体調でも悪いの?」


彼女の心配そうな顔を見て、彼は一瞬心に空いた穴が埋まった気がしたが、


「桐島なんか今日あんまり喋らなかったもんな〜。体調悪いならお大事に。」


すぐに彼の心に穴が空いてしまった。この自分の心を見透かしているようで見透せていないNの言動に、彼は段々と苛立ち始めた。


「はいよ〜。じゃあねお二人さん」


彼はそそくさと荷物をまとめ教室を出た。帰り道頭の中では彼女とNがどういう会話をしているのだろうかと気になっていた。


家に帰りいつものように食事を済ませ、お風呂に入り、明日の準備をして布団に入る。そして携帯に溜まっている会話型のSNSを閲覧する。彼は投稿型のSNSで彼女とコンタクトを取った後、会話型のSNSでもやり取りをするようになっていた。彼は今日先に帰ったことについて、彼女にお詫びを入れた。すぐに返信が返ってきてそれを読む。


「体調大丈夫?2人で心配したよ!今日は早く寝て明日また一緒に勉強しようね!」


「大丈夫だよ!心配してくれてありがとうね。明日には回復してると思うから、また明日勉強しよう!」


前向きな言葉を送ったが、正直彼は明日の放課後勉強は乗り気ではなかった。また今日のような胸がチクチクするような思いはしたくなかったのだ、そんなことを彼が思っていると、、、


「私、桐島くんがいないと楽しくないよ!隣のクラスで初めて仲良くなれた男の子の友達だし、N君と話せるようになったのも桐島くんのおかげだから!」


置いてけぼりにするほど会話を楽しんでたじゃないか。そんなことを思いながらも、彼女の言葉に少し希望を持てたのか、心の中も重りが軽くなった気がした。まだ彼女の心には自分という存在がある。それだけで彼は救われた。


「よかった。俺まだチャンスはある。」


そんなことを呟きながら、彼は返信の内容を考えていた。

改めましてこんにちはし〜まです。

今回は嫉妬というテーマで、少しずつ話を展開していきながら、桐島くんの心の内を動かしていきました。そして毎回サブタイトルが意味不明?な文字列になっていると思いますが、私の遊び心だと思っていただければ幸いです。というか完全に遊んでいるので(笑)

後書きはこの辺で終わらせていただきます。

最後まで読んでいただきありがとうございました!次回もよろしくお願いします!

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