-気づき- Side Green
学校施設のお試しタイム、そんなものがあるのか。
とりあえず回る場所を決めるために学内の地図を広げてみたものの、校地が広すぎてどこに行くかが全く決まらない。
「翠ー、どこ行くか、もう決めた?」
良いタイミングで話しかけてきたのは、幼馴染で同じクラスになった「星本燈」だ。
父は俳優、母は有名歌劇団の元トップという芸能一家に生まれ、本人も元子役で現在はモデルや女優として活動している。
「んー、全然決まんねーんだよ。この学校、ちょっと広すぎだよなー?」
「そうねー、それは同意。でも、翠の興味ありそうなとこ、見つけたよ?」
「え、どこ?教えて、燈!」
「その地図の端の方!」
「!バスケコート!?マジか!行こう!」
「えっ、ちょっと待って!私も一緒に!?」
「そうそう!行くぞ!」
幼い頃から好きだったバスケ。
この学校に入学するため、受験勉強のため、と最近は全くボールに触れていなかった気がする。
久しぶりにボールに触れると思い、つい勢いでバスケコートまで来てしまった。
「うおー、すげーな!テンション上がる!」
俺がそう言うと、勢いで連れてこられた幼馴染が不満そうな声をあげる。
「良かったね。…で、なんで私も一緒なの?」
「つい、な!他に行きたいとこがあったならゴメンな?」
「や、別にいいけど。…ただ教室にいるのも嫌だったしね、」
「燈…」
普段は明るく振舞っているが、昔の燈はそんなに明るい子供ではなかったと思う。
いつも兄の後ろに隠れて周りを見ていたようなイメージがある。
仕事を始めてから周りへの振舞いなども身につけたのだろう、ずっと「自分ではない誰か」のように振舞っていては疲れてしまうのかもしれない。
「っと、翠、ボール見つけた。パス!」
「お、サンキュ!」
これは気のせいかもしれないが、燈は俺といると昔と変わらない顔を見せてくれる。
これだけは、幼馴染特権だろう。
少し嬉しく思いながら、ボールを受け取る。
受験勉強や引っ越しの準備で鈍った感覚を取り戻すように、軽くシュートやドリブルをしてみる。
しばらくそれを眺めていた幼馴染が口を開いた。
「ねぇ、翠?入学式で新入生あいさつしてた女の子って花咲中の子じゃないよね?」
花咲中、というのは俺と燈の出身中学校だ。
「うーん、見覚えはある気がするけど、多分花咲中出身ではないと思う…」
幼馴染の問いに答えを返す。
「だよねー、白の髪と金の目ってどっかで会ったことあると思うんだけどな…。」
1つ、思い当たることがあった。
「…あの、変な事言っていい、デスカ…?」
「急に何なのよ。今の話と関係あるなら、発言を許可します。」
突然のことに怪しげな顔をしながら、燈が言った。
気は進まないが思い当たった事を口に出してみる。
「では。…俺さ、あの子と全く同じ髪と目の色の人、知ってるかも…デス。」
「!?ウソ!誰?それって私も知ってる人?」
「いや、燈は知らないと思う。」
「そっかー、残念。でも、一応聞かせて?」
「笑うなよ、絶対。」
また燈の顔が怪しむような表情に変わる。
「何で笑うと思ってんのよ。」
「変な事って最初に言ったじゃん!」
燈の表情が呆れたような表情に変わる。
「そんなの気にしてないで早く言いなさいよ。」
こうなったら言うしかなさそうだ。
仕方ないから言うことにする。
「うー。ゆ、夢の中で、会ったんだ。キレーな顔の男の人でさ、俺のこと『ヒスイ』って呼ぶんだ。俺はその人を『ハクメイ様』って呼んでた。」
しばらく何かを考えていた燈が驚いた声を出す。
「ちょ、ちょっと待って、私も、その『ハクメイ様』が出てくる夢、見たことある…気がするんだけど…。」
「え…マジ?それ、本気?」
思わず聞き返してしまった。
赤の他人と同じ夢を見るなんて有り得るはずがない。
そう思ったのは俺だけではなかったらしく、燈も混乱している様子だった。
「意味わかんない。なんで翠が知ってるわけ?」
とりあえず、何か手掛かりが無いかこの話を続けてみる。
「どんな夢だったか、とか覚えてないか?」
「着物みたいな服、だったと思う。あと、私は『ハクメイ様』の奥様にお仕えしてた、かな…?翠は?何か思い出した?」
「1個だけ。国の名前っぽいんだけど『シキノコク』ってワード。『ハクメイ様』はそこの王らしい。」
「国名がわかってるなら、図書館とかで何か調べられるかもしれないわね。」
「だな。じゃあ、これから図書館に…」
次の目的地に向かおうとしたその時、バスケコートに誰かが入ってきた。
「こんにちは!突然すみません、Bクラスの星本燈さんですよね!?俺、Aクラスの立花柊って言います!ファンなんです!サイン下さい!!」
すごい勢いで飛び込んできた男子生徒に、驚きながらも笑顔で対応する燈。プロって凄いなぁなんて思いながら2人のやり取りを見ていると、後から遅れてもう1人の男子生徒が入ってきた。
「おい、柊!急に暴走すんな!すみません、えっと、ホシモトさん?」
その男子生徒を見た燈が、その男を見たまま驚いた様子で俺に話しかけてきた。
「…翠、この人『ランヒメ』だ…」
燈の言葉を聞いて、青い髪の男子生徒も驚いたように言った。
「まさか、お前『も』知ってんのか…?」
燈の表情が一瞬で営業用の笑顔に戻る。
「あなた、名前は?ちなみに私は星本燈。こっちの緑の男は『木原翠』ね。」
燈にサラッと、かつ雑に紹介を済まされてしまった。…が、まあいいだろう。
青い男もチラッと俺を見て自己紹介をした。
「俺は、如月蒼伊。もしかしてそっちの男もランヒメ、知ってんのか?」
「聞いたことは…ある。」
「あ、そう!私たち、これからこの夢の事を調べに、図書館に行くんだけど、如月さんも行く?」
燈が青の男に提案する。
「!いいのか?」
青の男が俺の顔を見て言う。
「いーんじゃね?調べ物には大人数の方がいいだろ?な、アカリ?」
「そうね、じゃあ行きましょう!」
こうして、俺達は図書館へと走り出した。
こんばんは、木星です。
第3話、また視点を変えてのお話でした。
書きながら思ったんですが、この人たち、「驚いた表情」多いですね^^;
語彙力の不足を感じました…^^;
あと、会話文が多いとどこで切っていいのか分からない…orz
まだまだ勉強が足りませんね!
もっと良い文章が書けるように、頑張ります(ง •̀_•́)ง
本日も、お読みくださりありがとうございました!
質問、感想など、Twitterでもよろしくお願いします!
木星寿比汰




