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あちら側

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とある、町のビル街・・ここは海達の住む町からちょっと離れた場所。


「でさぁ、チョット楽しみな事みつけちゃってさ~♪」


オフィス街のビルの一つの1室で、雑談をしながらポーズを決めてる女の子が一人。


対面には、カメラを持った男性。プロカメラマンだ。


「そうなの~?今日のうずめちゃん、ノリノリなのはそのせいか~」


談笑しながら何度も態勢を変えつつ、色々な角度から彼女をカメラに収めている。


「そうなんですよ~♪でねでね・・・・」


明るい雰囲気のこの部屋は、プロの使う撮影室だ。彼女の後ろのスクリーン以外は撮影用の機材で一杯だ。


カメラマンの他に、数人のスタッフと、黒ずくめのスーツに黒いサングラスをかけた女性が一人いた。



しばらく経って撮影が終了する。



「おつかれさまでした~」


撮影が終わると同時に部屋にいたスタッフも彼女に挨拶を返し、かたずけを始める。


彼女は、黒ずくめの女性のもとへ駆け寄る。


「おつかれさま、うずめ。きょうはこれで仕事終了だ。」


「あ~・・・・やっと終わった・・・飛子、なんか食べにいこ♪」


彼女たちは部屋を退出していく・・・



この彼女は、最近売り出し中のモデルで「雨野うずめ」という。


結構可愛いと、最近評判でよく雑誌などで取り上げられている・・最近、海の周りでのぞき見していた女子高生だ。



喫茶店にてー


「うずめ、楽しいことを追求するのは性格だから仕方がないとしても、あの町には行ってはいけないと何度も言っているでしょう!!」


彼女の付き人であろう黒ずくめの女性が、うずめを軽く叱咤する。


「だぁ~って・・・禁止されたら、増々行きたくなるじゃない?飛子だってちょっとは興味あるんじゃない?」


飛子と呼ばれた女性は、ムッとした顔でうずめに迫る。


「また、そんなこと言って!!それで、貴方は過去どんな目に合ってるのかもう忘れた!?」


「もう、忘れましたー。ってか思い出したくありませーん。」


うずめは白々しい感じで、返答した。


「それよりさ!!何見つけたと思う??凄いんだよ!!」


うずめは興奮気味だ。


「転移者二名!!しかも、SSSランク!!」


「また、あちら側の事を不用意に・・・・・・」


「いーじゃん♪いーじゃん♪でねでね、一人はあの「剣聖」だよ。」


うずめの言葉に飛子の表情が真剣になる。


「ほんとか!?こちらに送られていた事は知っていたが、かつての狂暴さは私も聞いて驚くものだった・・・」


「ちょ~っと調べたんだけど、彼女ね今、高校の剣道部員だって~♪超うける♪」


うずめはちょっと、吹き出しそうに成りながら話を続ける。


「・・・いくらこの世界が我らを劣化させるとはいえ、かつて使者として行った世界を剣のみで3つも破壊した剣の魔人だろう・・そこまでとは・・」


飛子は腕を組んで、うずめの話に考こむポーズ。


「そして~もう一人!!「森の女帝」こっちはかなり小っちゃくなってた!!」


「・・・あの、すべての生き物を意のままに操って気に入らない世界を数個つぶして回った、厄介者がここに!?」


「あれは、神様も捕まえられなかったから、多分ここに自分で来て能力取られて移動できなくなった感じだよきっと。」


「この世界は落とし穴か、ゴキブリホイホイですか・・・・・まったく。」


出されたコーヒーを口にして、呆れた感じで飛子はつぶやく。


「あとね・・・・「女帝」はホームレスみたい!!♪」


嬉しそうに、うずめは飛子に体を乗り出し言った。飛子の反応が早く見たいようだ。


「・・・・・まったく!!!人の事が言えますか!?」


飛子は立ち上がりうずめを指さしながら、言う。


「管理者でありながら、多々問題を起こし、挙句には神のお酒に手を付け勝手に宴会をした挙句、裸踊りで、こちらに追放って・・・・他の世界には貴方を祭ってる社まであるというのに・・・恥ずかしくはないのですか!?」


説教じみた飛子の台詞にうずめはつまらなそうな顔をした。


「はずかしーですぅー。反省してますぅー。」


答えは、やっぱり白々しい。


「でもね~・・私思うんだ~♪あの町、やーっぱ面白いものがもっとあるって・・・♪」


うずめは、なにやら企むふうな言い回しでニヤリと笑みをうかべた・・・・・



海は公園で、最中の包装紙を片手にやっと少女の名前を聞き出せたところだった・・・


彼女は「ユーカリ」と名乗り、それ以上は教えてくれなかった。


僕は彼女が、ここ最近の事件の犯人と確信を持ちつつ、どう話を切り出せばいいのかを考えていた。


彼女があの不思議な現象の犯人だったとして、自分にどういった行動を取られるか想像出来ない不気味さがある・・


僕はなんとか話題のネタをと、彼女の手にしている少しやさぐれた顔をしたコアラのぬいぐるみを見て話しを振ってみた。


「可愛いぬいぐるみだね?それ。」


ユーカリは、胸に抱いた人形を見て答える。


「・・・この子は・・・」


(これだけが、記憶のない自分に唯一残されたもの・・とかベタな展開か?・・・)


僕は勝手に彼女の言葉を先読みして考える。


「そこに落ちてたのを拾った。」


(おいっ!!)


内心、テンプレな展開に期待した自分がちょっと痛いなぁ・・と思いつつ僕は自分の脳内が少し心配になった。


「・・・・・このこは、餌を食べない・・・・もう死んでいるらしい・・・・」


(いやいや・・・・まてまて・・・)


「はは・・・・その子は作りものだからね。食べないよ。」


僕の限りなく言葉をまるくした突っ込みに彼女は、しばらく黙っていた。


「・・・・そうか・・・・だから動かなかったのか・・・・」


少し驚く彼女の表情は僕のみるところ、冗談で言った台詞ではないらしい。この子は本当にこのぬいぐるみが動くと思っているみたいだ。


「・・他の子は、よく食べる。・・・・この子は・・・だから動かなかったのか・・」


ぬいぐるみを見つめて、彼女は次に何かを決心したように発言した。


「・・でも、このこはなんとなく他人とは思えない・・」


僕は、彼女を見て思う。


(ユーカリでコアラか・・・・・・じゃぁ、彼女はあの人形のご飯だな(笑))


そう思い、彼女を見ると人形がユーカリの木にしがみついてる本当のコアラに見えてきた。


僕の頭の中でどんな想像をされているのか、知る由もない彼女は次にまた変なことを言い出す。


「・・有難う、教えてくれて。こんな悪趣味なものまで可愛いとは・・・・・・わたしにぴったり。」


もう、彼女の発言一つ一つが僕のあたまで?を増やす。


「・・・・・これは、内臓を抜き取って、腐らないようにして・・命を無くしても永遠の奴隷とする・・・」


(いやいやいやいやいや・・・・・)


僕の中で、彼女はもう中二患者さん確定だった。


「ただのぬいぐるみですから!!!」


彼女に突っ込むと同時に、自分が確認しないといけない事を思い出し切りだす。


「あの・・・それで、この子達のご飯ってどうしてる?」


この質問に対しての答えは聞くのに勇気がいる・・もし仮に彼女が皆から昼食やらを盗んでいるようなら、しかるべき対応をしなくてはいけないからだ。


「・・・・この子達が自分で持ってくる。」


余りにあっけない一言で話はとぎれてしまった・・・・



自宅に帰り、一人部屋で先程の話を整理してみた・・・


どうやら、この町に来て公園に居つくとともに仔猫や仔犬が寄ってきて、ユーカリに何処からともなく食糧を渡すらしい。


それは、まるで女王に献上する貢物をもってくるまさに家臣のような行動だ。


本当に、この子の事を主と思っているらしい。


その食料を餌として、分け与えていたというのだ。


このままあの子を放っておけば、間違いなく町の町民VS野良の群れで争いになる・・・


最も見たくない光景は、あの見境の無くなった先輩が野良達やユーカリ相手に襲い掛かり無双するという光景だ。


保健所やらが動くまでそう、猶予はないだろう・・・・


「うーん・・・先輩のバイト先やら調べるのに忙しいときに・・・・・」


僕は、一つの目的の達成のために次から次に出てくる難問に頭を抱えていた・・・・


ふと、スマホの画面を見てみると朝顔の番号が目に入る。


(なにか困ったことがあったら言ってね・・・)


僕はその言葉を思い出し、思わず彼女に丸投げしようか・・と薄情なことを考える・・・


(いやいや・・相談だけ・・・俺一人じゃ、これは荷が重すぎ。)


そんなことを呟き、自分を正当化し朝顔に打ち明けることにした。


動物の事なら、僕以上に真剣に悩んでくれると思うし何よりいいアイデアを持っているかも知れない。


ぼくは通話のボタンを押し、朝顔の返答を待った。


「はーい。なになに?」


明るい声で朝顔が電話に出る。


「実は・・」


相談をしようと話を切り出すと、話をかぶせて朝顔の返事が返ってきた・・・


「あーわかった!宿題でしょう!?だめだよ~毎度毎度!!」


たしかに、彼女に連絡する用件は宿題の事か、親の伝言か・・その位だ。


「違う違う・・・相談があるんだが・・・」


僕は今日、ユーカリにあって色々話を聞いたこと、野良の事を彼女に打ち明ける。


「うーん・・・・そっか・・あの子やっぱり私と同じ動物好きだったんだ・・それにしても、凄いお手柄じゃん!!もう、事件の真相突き留めるってすごくない!?」


「はは・・・・たまたまね。・・・」


「わかった~♪わたしちょっと、思いついたことがあるんだ~♪」


僕はこの幼馴染を、頼ったことが正しかったとしみじみ思った。

やはりものすごく頼りになる。


「ちょっと、調べてみたいことあるからまた明日、連絡するね~♪」


朝顔は楽しそうにそう言い残して、通話を切ってしまった。


「明日か‥‥何を思いついたんだろう・・・・」


僕は、そのままベッドに横になり色々考えているうちに意識がなくなりそのまま寝てしまっていた・・・



ご拝読有難うございます。脳内のイメージを文章にまとめるのは、ほんと難しいです。

どれだけ伝わってるのか気になります(笑)

この前書きに、説明とか入れたらよいものか・・・・

このサイトの使い方も勉強ですね!!



ブックマーク、ご感想、評価、頂けるとやる気がでます!


次回もよろしくお願いいたします。


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