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彼の者は往く  作者: 菜月水仙
第1章「2巡目の英雄譚の幕開け」
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第1勝 第6幕「ギリシアに訪れた悪意」

【第6幕】『ギリシアに訪れた悪意』


「「急報!!急報!!」」

重なった声からするに二人以上の尖兵のようだ。


ドンドンと扉を叩いた音がした。

俺が今いる場所は中央会議室。ゼウスがまとめる十二神のうちの6神が揃ったこの場所に参謀として着席していた。


「どうした?」


と聞いたのは『ギリシャ神話の神々の長』【ゼウス】だ。周りの神達は様々な対応をしており


これからの物事に落胆し溜息を吐く者


それを嬉々とし槍を振りましながら笑顔な者


興味なさげに無数とある剣を磨く者


隣のものと同じく弓矢の数を計算している者


また上に浮遊している者


ちなみにおれはなんとも思わずにただ木でできた背もたれがない椅子に座り、長机に置いてるコーヒーを飲んでいる。


「城外!目測700メートル先に北欧軍が現れました!!」


「なるほど。今までのプランは全て破棄だな英雄」


「おい。おちょくるな。ただめんどくさいことに限りないがな、おい尖兵。奴らの出所をもう少し明確に答えてくれ。例えば右、真ん中、左に何人ずつ。武器がわかればベストだが距離で大体予想できる」


「はい!作戦を立てるために敵戦力及び敵の武器、また敵の名前も割りました」


〈なかなかやるな〉


と感心したのが自分でも驚いている。なんせ周りの人などただの…と思い続けてきたおれなんだから…


「有能者は6名、こちらを攻撃するそぶりを見せない4名も確認。右平野からバルドル、テュール。中央平野はオーディン、ロキ、ホズ。左平野にはトール」


「それを信じていいんだな?」


「ある一定の距離になったらプレイヤーネームが見えるようになるのは知ってますよね?」


「あぁ、だが目測700で見えるなんて聴いたことがないぞ?」


「えぇ、だからアイテムを使いました」


「なるほどな」


と聞き終え納得したおれはテーブルの上に広がっているこの近辺の地図を眺め、結論を出した


「これは防城戦になるな…遠距離を潰したい」


「ならこちらでも指示を出すが?」


「あぁ、直でお前の指揮を見た方がおれ的には面白いからな」


「承知した」


そう呟いたゼウス。

その刹那、周りに複数の兵が現れた。


「報告距離からしてスナイプ可能なためFPSプレイヤーを見張り台及び城壁へ!指揮をアルテミス、ヘルメスに任命する!」


とさらっと指揮者を任命するゼウスに対し、流石リーダーを名乗るだけの判断能力がある。と感心した。


しかしここでは終わらない。


「オープンワールド型RPGを主にやるプレイヤーをアレスとヘパイストスが引き連れ城壁を出て前線で止めよ!」


とまた指示。

しかしこれはすべて俺が考えた「もし北欧軍に攻められた時」のため最初に提案した作戦だ。しかしどの神まで使うかは考えていなかった。


この世界での遠距離武器は銃火器や弓。弓は届く距離は100メートルあるかないかの牽制のため打たない方が得策と考え今回は弓部隊は出さない。


その代わりあらゆる遠距離を得意とし全てを射抜く【アルテミス】と計略神の【ヘルメス】を指揮とし並びにFPS全勢力に銃を持たせ攻撃。


また近接攻撃は数多の戦場を駆け抜けた【アレス】と武器商人として数々の名器を作った【ヘパイストス】そしてGS対応ゲーム総合闘技場『コロシアム』にてこの1、2年無敗だった【ヘラクレス】をリーダーとし攻めに出る。



対して敵は、『投げたら必中』のグングリル『巨人を殴り殺す威力』のミョルニルを持っている2人が敵サイドに立っている。


中央にはオーディン、ロキ、ホズ


右にはバルドル、テュール


左にはトール


残りの4名は不明。なお現在進行が早いと報告されたトールに関して遠距離攻撃を実施、中央にはアレス、ヘパイトス、へラクレスの3名が数十名とともに城壁外部へ飛び出し敵軍へと向かった。


これから全面的な世界軸戦争が始まる。



『中央平野』にて


この戦場で最初に火蓋を斬ったのはアレスだった。彼が率いる軍隊総勢15名は彼に付いてくしかなかった。たとえ彼が無策に突っ込んでるとしてもだ。


3名の有能者がいるところに1人の有能者で開戦するのはほぼ無意味である。しかしアレスは負け戦しかしなかったとはいえ腐っても軍神。戦法を知り尽くし、負けたとはいえ死なずにあらゆる死地を切り抜けた神だ。


そんな神でさえ、ここまでの死地は経験がない。なら戦闘中に瞬発的に考えた策に任せ今は無策に行くことを決心した。


アレスがターゲットとしたのはホズ。盲目であるにも関われず3人の中では序盤に倒しておくべきと考えたためである。なんせ魔法が使えるのだから。幾星霜とも言える修羅が出くわす戦場で戦い抜いた両者の武器が今激突した。


場面代わり『左平野』にて


トールと2人の謎の人物が歩いてくる。

しかしトール以外の2人は武器を持っておらず、遠くからの観戦のみであった。


いや、2人だけではなく違う戦場も含めて謎の4人全員が戦場を目で見えるギリギリのライン。オープンワールド型ゲームでの用語『イエローライン』なる場所に立っていた。


その場所は援護攻撃はできないが相手から攻撃されることがない。ただしこれは自分の位置や相手の位置が変わらなければの話である。


そんな2人を歩くのをやめ走りだし追い抜いた雷神、当初は城壁を壊しに向かっていたが中央にいるアレス、ヘパイトスともう1人の存在に気付き先手を打つべくして歩を転換した。


直後アルテミスは左手を掲げ、その手を振りかざす。FPS勢による無数の銃弾が空気を切り裂き、トールへと向かっていった。


そんなことで雷神は止まるとは微塵とも思ってないが…


『右平野』にて


テュールとバルバドの2名は歩は遅くともこちらに余裕を生まないペースで進軍してくる。こちらから当てる戦力は1人だけ。


独断による行動したアポロンである。弓の名手である彼は剣も使えるのである。一刀で2人を倒し斬れば良策、しかし普通なら1人がギリギリであろう。いや2人同時相手なら負けるだろう。そのように二転三転しつつも考え抜きアポロンは2人が待つ戦場へ急接近した。



ここで一つ説明なのだが、どうやら神アバターはその神の記憶があるようだ。そのためアレスの彼は本物のアレスではないものの本物と同等の戦の記憶を持ち、またほかのVRゲームで槍を使った戦闘していたため、さながら軍人アレスのように見える。


ギリシャの神々の多くはこのようなことが多く、アルテミスもその1人の例だ。


なぜこんなにも『運良く自分のプレイしていたゲームに噛み合う神アバターを手に入れられたのか』と俺はゼウスとの戦いに敗戦してから5度ほど思っていた。


そんな話は置いといて、この作戦は『1人でも危なくなったらその場から即時撤退』と言うのが主な前提である。が毎回毎回全軍撤退だと面倒という声(槍を持ったやんちゃ坊主)が上がり、『戦闘するグループ』ということに変更した。


「銃を持て!!引き金に手を掛けろ!!いつでも撃てるその状況を保て!!」


説明と作戦の話を終える時には〈アキュゥ〉が弓を掲げFPS勢に鼓舞していた。


アキュゥというのはラテン語で碧眼という意味になる。味方で碧眼を持っている人物は俺が知る限り1人…『アルテミス』だ。彼女は戦場でこの名をよく使う。何故なのかは俺でも分からないが深い理由があるのだろう。


現在作戦の駒を一つ進めヘルメス単独によるトール迎撃作戦を実施し、それを援護するためにアルテミスは鼓舞しているのだが、援護する隙がない。


もし撃ってヘルメスに当たる可能性やまた視界に早い物が入って来ると人は集中できにくい。そのことも含め失策となる可能性が考えられる。


アルテミスは待機している時に仲間の士気が下がることを気にし鼓舞している最中だった。


そんな戦闘とは違う精神の戦いが始まってる城壁の上よりも熱戦が繰り広げられていたのはその最前線にて戦ってる


計略神と雷神である


雷神トールが操るミョルニルには当たってはいけない。当たれば即死はもちろん。掠れば麻痺という【雷撃】をうまく使い分ける神である。だが彼は他の異名も冠する神だ

遅れてすみません…2話投稿にするんで…

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