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彼の者は往く  作者: 菜月水仙
第1章「2巡目の英雄譚の幕開け」
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第1章 幕間 「大陸掌握作戦発案」

【幕間】『大陸掌握作戦発案』

北欧軍との抗争を終えた後の宴はこの二巡目が終わるまで続いていた。壁内に存在する白城「ヴァルハラ」では次の作戦を持ち上げられていた。


「北欧軍を追撃するべきだ!!」


下策だ。今攻めたところで返り討ちに合うだろう。


「壁の改装工事を!!」


確かに、ゼウスの左平野へ行くとき使った【迅雷】による壁崩壊が確認されている。今治すには最適かな。


「この世界を掌握すべきだ!!」


それも一理あるな。あとどれだけ落とせばいいのかわからないが早めに残りの神たちを同盟に入れたほうがいれ、総力を持ち入り敵の軸を攻略して言ったほうがいい。



「英雄よ。どう思う」


と声が聞こえ振り返ると王座に座る神がこちらをみている。


「そうだなクソゼウス。改装工事と掌握作戦をすべきではないか?」


と少し目を瞑り答えるエクウェスをじっと見ているゼウスは短く答えた。


「確かにな、ならばこれから残ったミノス王国を攻め行くか」


と嘆息を含んだ声を発した。


「ポセイドンとアテナ、ヘルメス、ヘラクレス出てこい」


『はっ!!』


呼ばれた者たちの声が応対する。


「これよりエクウェスを含めた軍師たちで作戦を導き出し、ミノス王を……ミノス王国を滅ぼせ、我は自らが起こした壁への損傷を直しに行く。残った者たちは国政を豊かにするために働いてもらう」


と指示したあとポセイドンのところへ行き少しの間会話している様にみえた。



場所が変わり城壁の最南部『南端関所』及び『南軍中央塔』にて


「ん?オリンポス十二神は全員仲間に入ってるってことか?」


という声に対し答えたのは今回の軍の最高責任者『ポセイドン』である


「そうだが?」


これが本当なら報復作戦を立案した人は正しいのかもしれない。だが


「ならなぜ最後の敵国『ミノス王国』をこの軍だけで?」


という疑問をぶつける。そんな俺を哀れむような目で


「おいおい英雄さんよ〜一巡目の最終日から二巡目の初日までなにが起きたと思ってんだよ。それじゃ愚策だろ?」


言われて浮かび上がった出来事はあの戦争だ


確かにその通りで、全軍で攻め入れた結果帰ってきた時に城もろとも全て消しカスになってました。なんてオチが待っているという1つの可能性がある。だが…


「だがな…」


「あぁー今攻め落とすべき場所が違うと思ってんだろ〜確かにそれも正解だけどそれだとまずいんだよね」


「ん?なにが?」


「この世界のアバターって人間だけじゃないんだ」


「神だろ?いやまさか…」


「そのまさかさ。パッケージ裏のカテゴリーモンスターたちもだよ」


短い会話の応酬であったがそこには信じられないような真実が顔を表した。


「十万しか居ないって言われても神と人間だけでは合わないんだね。人数がさ」


「なるほど…なら今回の敵にもそれは?」


「そうだよ?敵さんもアバターさ」


真実なら知りたくなかった。それを知ったら戦いづらい…できれば降伏させるべきと言う新たな選択肢が現れるからだ。


「今回のことを知っているのは?」


「少なくとも軍師たちの中ではあなただけでしょう」


「なるほどね神たちはみんな知ってるのか」


ならばなんとでもなる。


「なら作戦を立てましょうか」


「そうだな」


と短く答えたポセイドンは長かった廊下の目的地『中央司令室』の扉を押し開けた。




「さぁ…まずはこの世界の指揮権を手に入れようか」

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