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第1話「スタートライン?」

第1話

そのメイドとの出会いはこうだった。


僕が学校から帰ってきて、隣の佐々木さんと「近頃一人暮らしを探す変な人がいる。」と噂話をして、そして買い出しに行き、親切な、大体高校三年生くらいの女の人の親切に甘えて自転車で家まで送って貰い、家に帰ってご飯を食べてぼーっとしてたらいっつも意味不明な物ばかり送ってくるおじいちゃんからまた送り物が届くと言われ、しかもそれが人なのだと。そうして玄関に出ようとしてチャイムが鳴って。


そうして、今の、この状況に致る。


「始めまして、おぼっちゃま。今日からメイドを務めさせていただきます。どうぞよろしくお願い致します。」


この、さっき親切にして貰った彼女と同じ顔をしたこの「メイド」が、無表情のままそう話すのだ。


普段から「なんでお前女じゃないの?」とか「お前が本当に女だったら一番良かったのに...」なんて言われてる僕も流石に限界だ、おじいちゃんの顔を一発ぶん殴りたい。この状況をどうしろと言うのか。

「えっと、あの、よろしくお願いします...?」

困惑気味のまま、そのままにする事も出来ず、挨拶を返す。

銀色の髪に、陽に照らされた海の様に綺麗な瞳、身長は僕よりも頭半分高いくらいで、顔は「可愛いと綺麗を絶妙に混ぜ」た様....つまりとてつもない美人兼美少女という欲張りである。スタイル良く、そのメイド服の上からでもわかるスラっとした脚。その容姿に目を奪われていると

「どうかしましたか、何かついていますか?」

「あっいえ、何でもないです!」

顔をまじまじと見られ、少々赤面している事がわかる。

「では、そろそろ家の中へよろしいですか?」

そうだった、ここ玄関先じゃないか。

「あ、はい、どうぞ」

「失礼します、それでは改めて。」

そう言って家へ上がった彼女は、自己紹介を始めた。

「私、今日から此処で勤めさせていただきます、メイドでございます。家事全般から家の修理でもなんでもお任せくださいませ。」

...言葉にならない驚きというか、ずっと呆気に取られている。これからこの人とこの家で二人暮らしなのか...言葉に詰まってしまう。なんて返せば...いや、待て、名前...名前を名乗ってないような。

「あの、名前は?」

「名前?」

そういうと彼女は考える事もなく、即答で。

「メイドさん とお呼び下さい」

...???名前...名前を聞いた筈だ、いや、それが名前なのか、そうか。

「えっと、じゃあ...よろしく、メイドさん」

「はい、よろしくお願い致します。」

ーーーその日から、ひたすら無表情のメイドさん との日々が始まる事になった。


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