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第三話

H28 12月15日

ジャンル別で日間ランキング8位になりました!!

本当にありがとうございます!!



チャイムが鳴って、HRが終わった。

さて、私は逃げようかな!!

そういえばさっき、雑用とか言われたような気がするけど、気のせいだよね!!

私には、放課後に雪菜とショッピングに行く約束があるんだ!

家の事情で、雪菜はあまり遊べない。

だから、今日はとても貴重な時間なのだ。


というわけで、逃げましょう!!


とん、と肩に手が置かれた。

なんか、すっごく嫌な予感がするな!

できれば振り返りたくない。


「しーのーはーらー?」

「は、はいっ!!」

「今、逃げようとしなかったか?」

「あはは、嫌だな。私が逃げるわけないじゃないですか!!」

「そうだよな、入学式当日にサボって、それが原因の雑用すらもやらないなんて。

 いくら篠原でも、そんなことしないよな…?」

「も、もちろんですよ!!」

「そうか、じゃあ行くか!」


いい笑顔で先生が笑った。

まわりの女子がきゃあきゃあ騒いでいる。

確かに、この先生もイケメンだけどね…。

その前に鬼だよ!?


―――


先生について行くと、そこは“数学準備室”と書いてあった。

中に入ると、コーヒーの香りがした。


「先生、数学の先生だったんですか?」

「ん?あぁ、そうだ。それって、自己紹介のときに―…、ってそうだったな。

お前はいなかったのか」

「はい、そうです」

「俺の名前は“緑川みどりかわ 春斗はると。数学を担当している。

 一年間、よろしくな。篠原」

「はい!よろしくお願いします!…あ、私も自己紹介しますか?」


そう言うと、先生は苦笑した。


「いや、いい。俺だって、さすがに自分の生徒の名前ぐらい覚えてるよ。

 ―さぁて、それじゃあ早速、雑用をやってもらうか」

「うわあああ、忘れてた…!!」


先生は奥から紙の束を持ってきた。


「明日の部活動紹介のときに使うやつだ。一枚づつ重ねて、ホッチキスで止めてくれ」

「はい、わかりました…」


この量、絶対におかしい!!

一クラス分じゃないよ!?


「12時前に、終わるといいな?」


先生がいい笑顔を浮かべた…。


―――


「やっとおわったぁ…」


時刻は12時半。

11時にHRが終わったので、1時間半もこの作業をしていたことになる。


先生は遅れた理由などを私から聞くと、生徒会の用事があるからと出て行ったのでここにいない。

早くかえってこないかな…。

やることがないので、完成した資料を整えたり、部屋の中を見たりした。


少し経った後、ガラガラとドアが開いた。

先生やっときた!!と思って、振り向く。


そこには、またもやイケメンがいました…。


この学校のイケメン率が高すぎる…!!

一日に何回会えば気が済むんだ!!


「一年か?」

「はい、そうです」

「ここには、緑川先生がいるはずなんだが…。知らないか?」

「さっき、生徒会の用事で出て行きました」

「入れ違いか…」


ふと、私のほうを見て、私の前に置いてある資料へと目が移る。


「それ一人でやったのか?」

「はい」

「綺麗にできてるな」

「ありがとうがざいます…」


資料をホッチキスでとめることで褒められても、なんか微妙だ…。


「事務仕事は得意か?」

「え、まぁ、パソコンで表やお知らせを作るくらいなら…」

「お前、生徒会補佐にならないか?」

「お断りします」


こんなイケメンがいる生徒会に入ったら、絶対に女子から敵対されるよ!

私は平穏無事に、高校生活を楽しむと決めたのに!!


「なぜだ?良い事ばかりだと思うぞ?」

「デメリットのほうが大きいような気がするので…」

「そうか。―お前、面白いな」

「へ!?」


私のどこが面白いんだ!!


「名前は?」

「遠慮しときます」


言ったら、何が何でも生徒会に入れさせられる…!

それに、人に名前を聞くときは自分で先に名乗るのが当然だしね!


「確かにそうだな」

「ですよね…、って心の中でも読めるんですか!?」

「名前は“紅宮こうみや れい。この学校で生徒会会長をやっている」

「…私の名前は“篠原 梨亜”です」

「リア、か。よろしく」

「はい…」


いきなり名前呼びですか!!

きっと、イケメンはこれがステータスなのだろう。


「それじゃ、リア。また近いうちに」

「え!?」


それだけ言うと、生徒会長は去っていった。

近いうちに、とか聞こえたような…。


生徒会長とは、会わないようにしよう!!

それが安全だしね!






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